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こんぱすろーず @flowerclass
艦これ絡みなのか、ちらちらとヘッジホッグに関する話題が目につくけれど、どうも「全体攻撃魔法」というかスーパーロボットの拡散ミサイルというか「広い範囲を一気に制圧する」すごい兵器と思われてるフシもある。実は全く逆の発想の兵器だったりするんだけどな。
こんぱすろーず @flowerclass
この2枚の図を見てもらえれば概要はわかってもらえると思う。(下手くそなのは見過ごしてくれ!) twitpic.com/e6s1nl ①アスディックと爆雷攻撃の欠点 twitpic.com/e6s1pz ②前投式対潜兵器の利点
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「ASDIC(アスディック)」:英海軍の対潜アクティブソナー。
初期型は1920年のtype112で、一次大戦には間に合わなかった。
アスディックと爆雷攻撃の欠点

前投式対潜兵器の利点
敵潜水艦に「潜り込まれない」状況で攻撃できる

こんぱすろーず @flowerclass
肝心な攻撃時に敵を見失ってしまうため、爆雷攻撃は広範囲に大量の弾をばらまく必要があったのに対し、探知したままの状態で潜水艦をピンポイントで狙うことができるのがヘッジホッグの強みだったのだ。
K.Linerfil @Linerfil
@flowerclass 直撃しないと爆発しない方が画期なんですかね。あの場合。
こんぱすろーず @flowerclass
@boreford それは欠陥扱いするものもいました。大事なのは「あてずっぽうではなく敵の位置をつかんだ状態で攻撃できた」ということ。
こんぱすろーず @flowerclass
24連装という外形に騙されそうになるが、1発1発はとても小さく(炸薬はわずか17㎏だ)、全部合わせても爆雷の斉射よりよほど威力も低く攻撃範囲も狭い。しかし照準ははるかに精確なので一撃必殺が期待できる。…はずだったんだけど。
こんぱすろーず @flowerclass
原理的には優秀な兵器でも運用面でつまずくと戦力化は大変だったりする。ヘッジホッグも1942年の早い時点で登場しながら結局理論値通りの結果を出せるようになったのは丸2年以上たった1944年末頃から。それまではお荷物に近い扱いであった。
こんぱすろーず @flowerclass
なんせ初めて配備されたときは射撃教範どころかメンテのマニュアルすらなくて、乗員一同どう扱っていいのかわからなくて困ったそうだから。あるベテランの駆逐艦長は「理論的にすばらしい兵器なのはすぐ理解したけど、必死の戦いの最中に戦術研究やってる余裕はなかった」と述懐している。
こんぱすろーず @flowerclass
ヘッジホッグは直撃しないと爆発しなかったので海中の音波状況をかく乱することがなく反復攻撃を可能にした、という評価もあるけど、英海軍の現場の評価だと「攻撃が失敗したことが丸わかりで士気に大変悪い影響があった」である。
眠れる森のパンダ @Panda_51
@flowerclass 攻撃誤差の分布と支配容積をもとに、各種対潜弾幕の理論上の効果を算出した研究では、盲目時間を減少させられる対潜前投兵器のメリットが如実に現れてる感じです navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/oeg_asw/… (PDF注意、96頁)

HP『海軍砲術学校』公開史料
「第二次大戦の対潜戦闘」
http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/oeg_asw/OEG_No51_J.pdf

こんぱすろーず @flowerclass
ヘッジホッグは英海軍にとってはどちらかというとストップギャップ(間に合わせ)に近い評価であって、本格的な前投式対潜兵器の本命と目されていたのはスキッド対潜臼砲(Squid ASW Mortar)のほうだった。ちょっとその開発史も触れる。
こんぱすろーず @flowerclass
その前にちと風呂入ってくる。
こんぱすろーず @flowerclass
そもそも正確な照準ができるのならちまちま小型弾ばらまくより大きいの1発かましてやったほうがさらに効率が良いのは確かであったが、発射機の簡素さを優先してヘッジホッグがまず採用されることになった。しかし「でかいの一発」派(公式史ではBig Bang Mafiaと呼ばれている)も
こんぱすろーず @flowerclass
たゆまず開発に努め、1944年中に実戦配備にこぎつけたのがスキッドである。スキッドは3連装×2の発射機から口径30㎝、炸薬量100㎏の大きな対潜弾を発射するものであった。スキッドが画期的であったのは射撃管制がセンサーとほぼ一体化して作動するようになっていたことであった。
こんぱすろーず @flowerclass
さて、アスディックのもう一つの欠点として目標を2次元的にしかとらえられず、その深度を測定することができないというものがあった。twitpic.com/e6s1sz
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ASDICの音波ビームによる探知の様子。
音波ビームの縦横幅が広いため、距離は判るが正確な位置・深度が掴めない

こんぱすろーず @flowerclass
その1つの答えは1943年春に実用化された「Q」アタッチメントであった。twitpic.com/e6s1ux これによって限定的であるが三次元的に目標の位置をとらえることが可能となった。
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ASDICのオプションであるQアタッチメント。ASDICと併用する。音波ビームは縦に広く、横に狭い。
横軸方向の位置を特定できる他、縦の広さを生かして下方に潜り込んだ潜水艦を見失わずに追跡できる。

こんぱすろーず @flowerclass
一歩進んで深度の精密な測定を可能にしたのがスキッドとセットになったタイプ147アスディックである。タイプ147がとらえた目標の三次元的な位置と運動は、スキッドの射撃管制装置へと自動入力され、信管の深度設定もリアルタイムで自動更新された。twitpic.com/e6s1xi
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ASDICの新型、Type147。音波ビームは縦に狭く、横に広い。
図には描かれていないが、Qアタッチメントと併用することで縦横の精密な測定を行い、敵潜水艦の位置を特定する。
(PDF「第二次大戦の対潜戦闘」p37、PDFだと48p)

こんぱすろーず @flowerclass
現代のFCSのはしりといえる兵器システムであったといえる。配備当初はろくな射撃管制システムがなく、艦橋で担当士官がアスディックオペレーターの口頭の報告を聞きながらストップウオッチとにらめっこしていたヘッジホッグとはえらい違いの豪華さではある。
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コメント

棒人間ひろ @bouninng 2014年6月24日
よく見たら@RASENJIN先生が既にまとめていました 悲しみ 「対潜兵器ヘッジホッグの運用について」 http://togetter.com/li/684031
棒人間ひろ @bouninng 2014年6月25日
まとめを更新しました。
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