#お好み焼き屋浜風 谷風編【艦これSS】

こちらは #お好み焼き屋浜風 の番外編にあたります。 陽炎型駆逐艦、浜風さんの1つ下の妹の14番艦・谷風がお好み焼きを作ってあれこれする話。 #お好み焼き屋谷風 #お好み焼き屋浜風
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紅吏珠名 @chrishna_c2

「谷風。お店の手伝いをお願いできますか?」 「あたしゃ食べる方が好きだ。折角の頼みだが聞けないねぇ」 「そうですか。残念です」 「だがねーちんのおっぱいを揉ませてくれたら、やぶさかでもないねぇ」 「ではアルバイトを募集してみます」 「ねーちん無視しないで?」 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:33:47
紅吏珠名 @chrishna_c2

「谷風ちゃん。いか焼き2枚追加お願いね」 「おう。ありがとな! ねーちん、いか焼き2枚注文はいったぞ!」 結局。谷風を臨時のアルバイト待遇としてお店の手伝いをさせる運びになりました。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:34:50
紅吏珠名 @chrishna_c2

料理もできて接客もできる。 意外に器用なこの子はお店のピンチヒッターとして申し分ありません。 なんでも覚えが早く器用にこなせる反面、少々飽きっぽいのが玉にキズですが。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:35:31
紅吏珠名 @chrishna_c2

「えっなになに、よしよしされたいの!? えっ違う?」 お昼の込み合う真っ盛り、最繁時に2人がかりでお店を回している中、その異変は起こりました。 お好み焼きが焼き上がり、谷風が届けに向かった9番テーブル。そこに座るお客さんが谷風に何かをしようとしていたのです。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:36:50
紅吏珠名 @chrishna_c2

詳しい経緯はよくわかりません。 私の方から見えたのは、そのお客さんが谷風のスカートの裾に手をかけようとしていた様子と、それによって谷風がピンチに立たされているということ。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:37:54
紅吏珠名 @chrishna_c2

次の瞬間でした。 駆逐艦浜風の護衛艦としての本能が、私をその行動へと駆り立てていました。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:38:40
紅吏珠名 @chrishna_c2

両手はお好み焼きのヘラを放り、棚から取り出したのは、防犯用として鎮守府から持ち出したとも言う25mm三連装機銃の放出品。 これに薬莢と炸薬を用いないスプリング射出式に変えるなど適法すれすれの改造をかけたもの。 弾頭は近くの駄菓子屋で買ったスーパーボール。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:39:56
紅吏珠名 @chrishna_c2

考えるより先に身体が動いていました。 私の心や理性をすべてパススルーしているかのように。 まるで特定の条件下におかれたプログラムが、艦娘・浜風という「部品」を操っているかのように。 なのに、それなのに、なぜか。私はそれをどこか心地よいとさえ感じていました。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:41:04
紅吏珠名 @chrishna_c2

目標は向かって3時の方向。 仰角・俯角とも射角に問題なし。距離・弾道の計算よし。 これなら絶対に外すことのない必中の間合い。 私は谷風にちょっかいをかける相手に機銃を向けて構えを取ります。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:42:46
紅吏珠名 @chrishna_c2

「えっなになに、おさわりしたいの? ……んぁ?」 すっかりペースを乱され、あたふたしているそんな谷風でしたが、フキダシの中から豆電球を閃かせるようなアンティークな演出が起こったと思えば、 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:44:07
紅吏珠名 @chrishna_c2

「ちっちっちっ。お客さん。そこから先は有料さ。うちでのおさわりは一回5000円だよ?」 “私”も、お客さんも、誰もが予想しえなかった、そんなことを言い放ったのです。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:45:12
紅吏珠名 @chrishna_c2

「な、ほんのイタズラひとつで5000円も取るだって」 提示された金額に慌てるお客さん。 調子を取り戻したように不敵に笑う谷風。 形勢はすっかり逆転していました。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:46:00
紅吏珠名 @chrishna_c2

「あいにく、これが当店の相場だねえ。ここで手を引っこめるなら代わりによしよししたげるけど、それで手を打つかい?」 「ちぇっ、谷風ちゃんにはかなわないな」 「はっはっはっ、どんとこーい!」 谷風のとっさの気転によって、困難はうまく回避されたようでした。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:46:58
紅吏珠名 @chrishna_c2

……? あれ、私ったら何を。 両手には防犯用の機銃を持っていますし。しかもお客さんに向けて構えてますし。 肝心の、さっきまでピンチだったはずの谷風は、なにやらお客さんと和気藹々していますし。 何がいったいどうなっているのでしょう? ??? #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:48:18
紅吏珠名 @chrishna_c2

一時はどうなることかと思った出来事も未遂に終わって。 いやいや言いながらも谷風がお店を手伝ってくれたおかげで、この忙しい状態を乗り切れました。 ですが今回一番の問題が起こったのは、お好み焼きの材料もなくなってカンバン時を迎えたその日の夜のことでした。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:49:29
紅吏珠名 @chrishna_c2

谷風「アルバイト代? そんなことよりねーちんのおっぱい揉ませろ。いますぐだ」 浜風「……。そんなに姉の胸ばかり揉みしだいて、何が楽しいんですか」 谷風「ねーちんには分からないのか。まだまだお子様だな」 浜風「そんなこと、わかりたくもありませんっ!」 #お好み焼き屋浜風

2014-06-24 21:50:38
紅吏珠名 @chrishna_c2

さっきからずっとこんな調子です。 一般的な相場の金額にお小遣い程度の色をつけたアルバイト代を谷風は受け取ろうとしません。 どうやら金額そのものに不満があるわけではなさそうです。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:51:57
紅吏珠名 @chrishna_c2

雇用関係にお金の問題はつきものですが、谷風の要求は少し特殊でした。 「お金はいらない、代わりにおっぱいを一日分揉ませろ」と要求してくるのです。 麦茶をなみなみと注いだビールのジョッキを片手に。もう片方の手をにぎにぎさせながら。 私の胸はおつまみ代わりですか。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:54:09
紅吏珠名 @chrishna_c2

「ゴクッゴクッ、んっ、んぐんぐ……ぷっはぁー。仕事の後の一杯は最高だねえ」 なんだかオヤジくさい台詞ですね。 ある意味いまどきの女の子らしい? こうでしょうか。よくわかりません。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:56:20
紅吏珠名 @chrishna_c2

普段の谷風ときたら、同性の姉妹であることをいいことに、「ふむふむ」と神妙な顔をしながら私の着替えを真っ正面から観察していたり、シャワーを浴びていたら突然浴室に入ってきて背中から手を回してイタズラしてきたり。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 21:59:36
紅吏珠名 @chrishna_c2

お布団で寝ていたらいつの間にか潜りこんできて私の身体を抱き枕にしている……などなど。その悪行の数々は、数え出したらキリがありません。 まぁいつものことと言えばその通りですが、今夜はそんないつもに輪をかけて様子が違います。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 22:00:48
紅吏珠名 @chrishna_c2

「ええぃしゃらくせえ。ねーちん、いいからそこに座れ」 まるで埒が明かないと、谷風は強気な態度に出はじめたようでした。 元々座布団に腰かけたまま向かい合って話しているのですが、私は自分が座っていた座布団を裏返し、改めて姿勢を正して座り直すことにします。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 22:05:42
紅吏珠名 @chrishna_c2

谷風は「よっこらせ」とスカートのポケットから取り出したコ〇アシガレットを芝居がかった調子で口に含みながら、私に真顔を向け、詰問をします。 「長い話になるぞ。覚悟して聞け?」 「わかりました」 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 22:07:09
紅吏珠名 @chrishna_c2

「おう。ねーちんよ。この業界に来て何年だ?」 「ええと。鎮守府に着任したのが3/28のカレー曜日でしたから、満3ヶ月くらいになります」 「ばっかもーん!」 突然、怒号が返ってきます。受け答えに落ち度があったのでしょうか。 上目遣いでおそるおそる見あげます。 #お好み焼き屋谷風

2014-06-24 22:11:26