【5】アコヤツタヱ

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

【5】 作品名：アコヤツタヱ 作者：佐藤将 掲載：マンガボックス リンク：urx.nu/8Sjy （マンガボックス）、urx.nu/8SjB （Amazon）

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

今度はインディーズではなく、本家マンガボックスからひとつ。唯一無二の個性が怪しく光る、古代日本を舞台に鉄剣をめぐるバトルファンタジーです。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

「野たたら」という、山あいに吹く風を使った製鉄法で鉄器を造る鍛冶師の娘・アコヤは、ある日父親に頼まれて山の麓にある下のムラへ鉄剣を届けに行く。下のムラへ到着したアコヤは、定期的に上のムラの鉄器が届けられているはずの下のムラに起きている異変を知る。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

一方、アコヤが留守の間、上のムラでは長・イキフキがアコヤの父を決闘の末殺害。下のムラを侵略する野望を露にした。かくしてアコヤの持つ鉄剣を巡り、上のムラと下のムラの全面戦争が始まるのだった。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

ストーリーはこのように、ちょっとおかたい感じがするかもしれません。絵柄も決して華やいだ風ではありません。しかし、その言ってしまえば地味さを補って余りある魅力が本作にはあります！先に「唯一無二の個性」と評しましたが、この漫画では、他ではまず味わえない「独特の緊張感」が楽しめます。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

大真面目なシーンなのに、意図的なのかそうでないのか分からないギリギリラインのギャグ、ちょっとおかしなセリフ、脈絡のない動作。そういうナンセンスさが随所で現れているので、読んでいると口の端が歪むようななんとも言えない笑いがこみ上げてきます。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

とはいえ決してギャグ漫画の括りに収めることはできません。笑いを生むナンセンスが多くあるのは確かですが、その妙な雰囲気を含んでブッ飛んだバトルシーンや、勢いのあるキャラクターが非常に魅力的なのも事実。既存のジャンルに収めるのが難しい、そういった意味では革新的な漫画かもしれません。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

アコヤツタヱは現在単行本第一巻が発売中。更にパソコン/スマートホンの両方で、マンガボックスにアクセスすれば作品の冒頭部分をダイジェストで、更に最新12話分を無料で読むことができます。リンクは前のツイートを参照。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

余談になりますが、佐藤先生といえば過去に別冊少年マガジンで「嵐の伝説」という漫画を連載されていたんですよね。そちらは前述のナンセンスさを存分に生かしたギャグ漫画でしたが、そちらも併せて超オススメです。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

【5】にて紹介した「アコヤツタヱ」、第四二章をもって完結となりました。思わず息を呑む結末は必見です。

このマンガがにごい？ @Nirgoyee_comic

気持ち悪い、というと語弊があるような気もしますが、土臭さと生臭さ、原始的な人間の営みの臭いを嗅ぎ取れるような気さえする雰囲気をもった作品だったように感じます。やっぱり佐藤先生の才能は唯一無二のものですね。