不知火に落ち度はない

yamoto⋈ @yamoto

「不知火には可愛げが足りない気がするな」 「提督の下に着いてからは捨てました。要りませんので」 「一番必要な要素を捨てるな。拾ってこい」 「可燃物で処分したので、もう原型はありません」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「『お前らの司令官は無能だな』か。言われちゃったな不知火」 「そうですね。訂正させてきます」 「よせよせ、演習の啖呵でそこまで怒るな」 「実戦で思い知らせてきます。徹底的に追い詰めてやる」 「お願いやめて」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「不知火、休暇とってないだろお前。適当にとれよ」 「やることがありませんので」 「なんでもいいから、理由つけて取ってくれ。上から監査されると困る」 「では司令が休んだら取ります」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「ケッコンカッコカリねえ……」 「司令には関係のない話ですね」 「ばっさりしたな。どうだろうな、案外いるんじゃないかね、物好きも」 「アンケートを採りましょうか」 「お願いしますやめてください」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「あんまり暑いんで司令室にエアコンを希望する」 「そんな予算はありません。うちわで我慢しましょう」 「お前も暑くないのか不知火」 「前線で慣れています」 「……」 「……」 「暑い。もう限界だ。ちょっと車出そう」 「補給ですか。畏まりました準備します」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「騙された。なんだこれは、どうして俺が荷物持ちだ。暑いぞ溶けるぞ誰が新妻だ」 「本当に溶けているようですね。思考が。制服で買物は民間人に無用の混乱を招きます」 「用意がいいんだな。自分だけしっかり私服か」 「司令は上着を脱ぐだけで対応可能ですから」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「酷い一日だった……不知火、次の角を左だったか？」 「………」 「………ん？　寝てるのか」 「……」 「寝てません」 「そうだな。たまたま目を閉じて三〇分ほど動かなかっただけだな」 「訂正を求めます」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「何をやってるんだ……って七夕短冊か。どれ見せてみろ」 「お断りします」 「星に願いを託すとは、不知火にもロマンチックなところがあるんだな」 「モテたいと書くような司令よりはずっとそうだと思います」 「泣いていいかな」 不知火に落ち度はない。

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「……と言ったが気になるな。どれ、この辺だったか」 「………」 「……」 「司令？　なにをぼうっとされているんですか」 「いや。星に願いを少しな」 「随分ロマンチストですね」 「知らなかったか？　昼間から夢見るぐらいにはロマンチストだ」 不知火に落ち度はない。

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「こんな時間まで何をやってるんですか」 「ご覧の通り酒を楽しんでる。寝ろ、不知火」 「司令が寝てからにします」 「大人の時間だ。邪魔するな」 「酒瓶を貸していただけますか？」 「付き合ってくれるのか？」 「いいえ。窓から投げ捨てます」 「おい！？」 不知火に落ち度はない。

yamoto⋈ @yamoto

「前々から思ってたが、お前ホントに容赦ないな」 「司令は抜け目がありませんね。咄嗟にすり替えるなんて」 「俺の心の支えだからな」 「そんなによい物ですか、酒は」 「良いか悪いかでは分けられん物だ」 「でしたら、一杯いただけますか」 「……。一杯だけな」 不知火に落ち度はない。

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「初めての酒の感想はどうだ？」 「美味しくはありません」 「だろうな」 「こんな物に頼る精神も理解できません」 「そう言うな。酒とは付き合う物だ」 「そんな司令を尊敬したくもありません」 「……不知火？」 「知りません」 「……」 「……」 不知火に落ち度はない。

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「……酔ってるか？」 「酔っていません」 「おいそれ以上はよせ」 「命令は聞けません」 「あ、馬鹿──」 「…………」 「……」 「以後酒は飲まないことにします」 「そうしてくれ。あと、今日貴様は休め」 「ご命令ならば」 「命令だ」 不知火に落ち度はない。

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「おはようございます。司令」 「おう。飯喰ったか」 「ええ。司令は……またカップ麺ですか？」 「うっせ。秘書艦が作ってくれるサービスとかないもんかね」 「……正気ですか？」 「冗談に決まってるだろ」 不知火に落ち度はない。

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「ご希望なら作りますが」 「！？　ホントか！？」 「椅子から立ち上がるほどなのですね」 「いや、前々からちょっと興味あったんでな」 「そうですか。……で、作るのは醤油味で良いですか？」 「おい？　もしかして」 「カップ麺を作ります」 「俺の喜びを返せ」 不知火に落ち度はない。

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「あー……誰かの手料理が恋しいな」 「仕事してください、司令」 「無視して書類を詰むか」 「どうぞご自分で作られてください」 「誰かいないか、そんな奇特な奴」 「司令の脳が危篤ですね。手作り自慢のサンドイッチでもどうぞ」 「それPMのおばちゃんのだろ」 不知火に落ち度はない。

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「軍紀改正だとさ。どうも過剰な労働を強いる隊があるようで査察が入るらしいぞ」 「ネットスラングでブラック鎮守府と言われるものですね」 「うちには縁のないところだがな」 「そうですね。司令の頭の中はブラックというよりピンクですし」 「髪の毛ピンクが言うな」 不知火に落ち度はない。

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@yagami_ouka 「ところで不知火に何か落ち度でも？」 「あるって言ったらどうするんだ」 「司令の落ち度を徹底的に探し出してぶつけます」 「ないよ。ありません」 「それなら何より」 #不知火に落ち度はない

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「建造計画書、これな」 「わかりました。本営に回しておきますね」 「新人が来たからってイビるなよ？」 「不知火をお局扱いですか。わかりました」 「俺が悪かったから、雑巾の絞り汁を直接生で入れるのはやめてくれ」 #不知火に落ち度はない

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「かき氷……食べたいな」 「藪から棒ですね。仕事してください」 「何だろうか。突然胸からわき上がってきたんだ。このどうしようもない気持ちが」 「湧いてるのは頭だと思います」 「あ、そうか。似てるんだ」 「？」 「お前そっくりだろ。かき氷のイチゴに」 #不知火に落ち度はない

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「言葉の意味を理解しかねます、司令」 「上がピンクで下が白。しかも冷たい」 「査問会を開きます」 「まて、下着の色に触れたつもりはない」 「セクハラも追加しておきますね」 #不知火に落ち度はない

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「勘違いしないように申し上げます司令」 「万年筆を逆手に握りこむのをやめたら聞く」 「私の下着の色は、可愛い若草色です」 「……。正直無いわ」 ガツッ！！ 「官給品を机に深々刺すのはどうかと思うぞ」 「後で申請を出しておきます。司令の乱心として」 #不知火に落ち度はない

yamoto⋈ @yamoto

「新造艦が完成したようです」 「待て、まだ待機して貰え」 「上着はアイロンがけをしてあります。シャツも新しいのをご用意しました」 「俺、ドイツ語話せないんだよ。カンペどこだ」 「通訳しますから、バームクーヘンとか言い出さないでください」 ＃不知火に落ち度はない

yamoto⋈ @yamoto

「新入りの反応、どうだった？」 「あの分ならすぐ馴染むでしょう。ドイツ語でなくても会話できましたし」 「外国艦なら英語で喋れよって思う」 「喋れるんですか、英語？」 「Wazz up shawty（調子どうだい彼女）」 「Get lost（消え失せろ）」 #不知火に落ち度はない

yamoto⋈ @yamoto

「お前を通して指示が出てるんだよな」 「それが何か」 「艦娘は能力での上下関係が厳しいって話を聞いてな」 「不知火の秘書艦としての能力に、誰からも疑問の声はありません」 「時々お前が恐ろしいな」 「いえ、司令の妄言に付き合えるのが不知火一人なだけです」 #不知火に落ち度はない