アンダー・ザ・ブラック・サン #4

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆ランチハンドはすぐさま五匹の魔犬を召喚した。「無駄だ、ドラゴン・ニンジャ=サン!この私が包囲の手を緩めることは決して無いぞ!」ユカノはランチハンドを睨み返す。この数秒があればディプロマットには十分だった。彼は両手を高く翳した。ポータルが口を開けた。 ◆

2014-06-28 22:19:58
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◆攻めあぐねていたボロゴーヴは、己の推察が正しかったことを知った。離れた地点で、ディプロマットの弟が……アンバサダーがポータルを繋げたのだ。アンバサダーの側からポータルをくぐって……おお……現れた……内なる炎に明るく光り輝く女が、ユカノとディプロマットの傍らに着地した。◆

2014-06-28 22:20:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「あれはイグナイト」ランチハンドは訝しんだ。「……ではないのか?しかし、クソッ!来たれ!イヤーッ!」更に五匹の魔犬をあらたに呼び出す!「かかれッ!」「イヤーッ!」ポータルから現れた赤毛の女は両手をひろげ、胸を反らせた。一瞬後、彼女の眼前に巨大な火球が生じ、魔犬を飲み込んだ!◆

2014-06-28 22:20:38
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【アンダー・ザ・ブラック・サン】#4

2014-06-28 22:20:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウム……」ディプロマットは瞬間的な気絶状態から復帰し、熱と炎の中を見渡した。エーリアスの燃える目がディプロマットを見返した。否。エーリアスではない。まばゆく赤い髪の女は両手をぶらぶらと振って、腕先の炎を払い飛ばした。そしてアイサツした。「ヘル・オー。ブレイズです」 1

2014-06-28 22:23:54
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魔犬は爆発に呑まれ、くすぶる炎と化していた。「ドーモ。ランチハンドです。やはりお前はイグナイト=サンだな」「ハ!似たようなもん。気にすンなよ。ランチハンドのおっさん」ブレイズが首を鳴らした。ランチハンドは鞭を鳴らした。「おめおめと生きておったか」「そりゃアタシのセリフでもある」2

2014-06-28 22:33:08
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ボロゴーヴは火の粉を払い、カラテを構え直した。「ギルドに今再び仇なす貴様ら下郎……」「うッせえ!黙れ」ブレイズはボロゴーヴを気迫で黙らせ、ランチハンドと睨み合った。「おッさん、昔のよしみで命だけは助けてやってもいいぜ」ブレイズの掌に火の輪が生じ、消えた。「縛るけどさ」 3

2014-06-28 22:38:56
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「貴様が、この俺を?」ランチハンドは身をそらして笑った。「やれやれだ、全くやれやれだぞイグナイト=サン。しばらく会わんうちに、すっかり己の恥に蓋をして顧みぬ厚顔ぶりに磨きをかけたと見える!」「よかったろ?成長を喜びなよ」「身の程知らずのバカとなって現れた事、素直に喜べんな」4

2014-06-28 22:48:31
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「アタシみたいな前途有望な若者は、三日会わなきゃ別人だ。マサシも言ってる」ブレイズはカラテを構えた。「アタシはイクサの中、ずっと改善を繰り返してきた!インプルーヴド・カトン・ジツだぞ。ジツであり、カラテ!」両肘が赤熱し、熱蒸気を噴いた。「昔のアタシじゃない」 5

2014-06-28 22:55:07
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「ブレイズ=サン」ユカノがブレイズを見た。ブレイズは頷いた。「とりあえず、アタシがこいつをやっちまうからさ。こっからのプランは?漢字サークルとかいうのを、どうにかすンだろ?探しといてよ。アタシにとってもメチャクチャ大事なんだ」「わかりました!」ユカノは迷わなかった。身を翻す。6

2014-06-28 23:01:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「待てッ!ドラゴン・ニンジャ=サン!」ボロゴーヴはディプロマットとともに走り出したユカノめがけ、回転ジャンプで襲いかかった。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ブレイズのインタラプト飛び蹴りがボロゴーヴの脇腹に叩き込まれた。転がるボロゴーヴを飛び石に、ランチハンドを襲撃!7

2014-06-28 23:09:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ランチハンドはブレイズめがけ鞭攻撃を繰り出す。ブレイズは空中で突如加速!背面からのジェット噴射だ!「イヤーッ!」「ヌウーッ!」ランチハンドは咄嗟に両腕をクロスし、ジャンプパンチを防御した。「イヤーッ!」更に回し蹴りだ!「イヤーッ!」ランチハンドはガード!よろめく!8

2014-06-28 23:15:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ブレイズが殴りかかる!ランチハンドはカラテ腕さばきでガード!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ブレイズが押す!押してゆく!じりじりと後退するランチハンド!二者のミニマル木人拳応酬の周囲に、ボンボリじみた炎が複数生ずる。ランチハンドのジツだ! 9

2014-06-28 23:19:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「確かに成長著しいな、イグナイト=サン」「今はブレイズ」「ブレイズ=サン。だが悲しいかな、あまりに直線的なそのカラテ」「イヤーッ!」ブレイズのショートフック!その手首にランチハンドの鞭が巻きついた。素手のカラテからイアイじみて瞬時に繰り出した拘束鞭だ! 10

2014-06-28 23:23:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ブレイズが逆の手で殴りつけにゆく。ランチハンドは上体をそらして回避!「イヤーッ!」鞭が伸び、余剰の部分がそちらの手首に巻きつく。両手首を八の字拘束だ!「グワーッ!」更に周囲の鬼火が魔犬の形を取り、着地!「さて、お前に避けられるか」ランチハンドは顔を近づけ凄む! 11

2014-06-28 23:27:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「AAARGH!」ブレイズは吠えた。拘束鞭が赤熱を始める。「イヤーッ!」ランチハンドはバック転で飛び離れる。入れ違いに包囲の魔犬がブレイズめがけ一斉に飛びかかった!「「「アウオオオーン!」」」KRA-TOOOOOOOM! 12

2014-06-28 23:33:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ブレイズ=サン!」ユカノとディプロマットが背後の爆発を振り返った。だが、ナムサン!戻る暇などありはしない。爆発を背に、高速前転で追跡してきたボロゴーヴが跳ね、フライング・カラテクロスチョップで襲いかかったのだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」ディプロマットが打ち倒される! 13

2014-06-28 23:38:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」更にケリ・キック追撃!「グワーッ!」「イヤーッ!」そしてカイシャク・ストンピング!「イヤーッ!」ディプロマットは横へ転がった。ボロゴーヴはストンピングを留まった。一瞬前までディプロマットがいた位置に危険なポータルが口を開けていた。「策士!腐ってもマスターか!」14

2014-06-28 23:42:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「然り。本来わたしは貴様ごときアデプト風情が畏れ多い口をきけるニンジャではないぞ、ボロゴーヴ=サン」ディプロマットがカラテを構えた。「なにが本来か!破門者めが。そもそもギルドはもはやかつてのギルドではない」吐き捨てるボロゴーヴの声には一言で説明し得ぬ複雑な感情がこもっていた。15

2014-06-28 23:48:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ユカノ=サン。目指す場所はわかりますか」「おそらくは」「ならば、見出したのち、我々を呼んでください。必ず駆けつけます。追加の増援が無い事を見ると、少なくとも現時点でこのキャンプに他のニンジャは無し」ディプロマットはボロゴーヴを遮る。「後ほど!」「わかりました!」「貴様!」16

2014-06-29 00:02:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者のカラテ応酬を背後に、ユカノは白砂の上を駆け、松の木とドラゴン・ウォーリアー彫像の横を抜けた。第二の塀のアーチ門をくぐった先はゼンめいた枯山水の広場であった。 17

2014-06-29 00:08:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

水無き人工の湖の向こう岸には懸念のドラゴン・シュラインがある。しかしながら今はそれを詳しくあらためる時間がない。ユカノは最悪の可能性を想定する……ザイバツ・シャドーギルドのキャンプがシュライン攻略を目的としたものならば、場合によっては中から戻った者らと鉢合わせするやもしれぬ。18

2014-06-29 00:13:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

KABOOOOM!再び遠くで爆発音がした。ブレイズとランチハンドのイクサが続いているのだ。ユカノは水無き湖に踏み出す。湖の中ほどにある、島を模した隆起に向かう。本来は石の舟を使って渡ることが作法だが、緊急時である。ユカノは胸を痛め、ギルドへの怒りを新たにした。 19

2014-06-29 00:18:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

隆起に辿り着いたユカノは、前回の来訪時と同様、そこに不穏な漢字サークルを発見した。まっさらにした筈の地面に、再び「綱」の漢字が刺青めいて刻み込まれている!サークルの中心には、ユカノが抜いた筈の鉄釘が、新たに埋め直されている。やはりだ!このポイントは龍脈の通う要所だ。確信犯! 20

2014-06-29 00:32:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ユカノは怒りを抑えた。前回と今回とでは状況が違う。彼女はあの後再び世界を巡り、不穏なジツに関する推測と知識を積み重ねてきたのだ。この漢字サークルこそ、アノヨを司る門にほかならない。門の向こうには罪罰罪罰罪罰ョート罪罰の向こう罪罰罪罰罪罰罪罰向こうには、キョート城がある筈!21

2014-06-29 00:41:17
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