東京陰陽師 公式SSまとめ

穂波@ho_73 さんツイを並べ直したもの 6/30-7/26
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穂波| @ho_73

【東京陰陽師】宣伝や販促として、一日一回SSSを暫くやろうかなーって考えてます! もし、こんなのが読みたいってあれば穂波(@ho_73)にご連絡下さい。絶対とは言えませんが、意見を汲み取ったものを書くように致します。その代わり皆様もRTして下さい、ね……エヘ

2014-06-30 17:59:36

1日目

穂波| @ho_73

【東京陰陽師SSS】「慎みて五陽霊神に願い奉る。――急急如律令!!」 天現寺橋はせーマントドーマンに唇を落とすと、術を解放する。眼前の妖の動きを咎め、そのまま封印をした。 「…よし完了したぞ」 隣にいる上大崎とバサラに向かって、巻物を掲げて見せた。

2014-06-30 21:23:58
穂波| @ho_73

「わぁ、お疲れ様ですセンセイ!」 「上大崎、この依頼料はたっぷり請求するからな」 「……」 だが、どうしてか。上大崎だけは、どこか前屈みで、俯いたまま黙っている。 「おい、上大崎聞いてるのか?」 一体なんだと、天現寺橋は問い掛けた。 すると、震える声で上大崎が呟いた。

2014-06-30 21:24:15
穂波| @ho_73

「…何できみ、術を解放する時に手首にキス何かするんだよ…」 「いや、別に気合を入れてるだけなんだが…」 「えっ、それだけの理由!?」 「…悪いのか?」 「…いや、そうじゃないけど…何だか、その…」 上大崎の言葉は徐々にしどろもどろになっていく。 最後の方はほぼ聞き取れない。

2014-06-30 21:24:23
穂波| @ho_73

「何だい? はっきり言いなよ」 「いや、何だかエッチだなって…」 「ッ…! 何を言って…!」 天現寺橋は思わず上大崎の脛を強く蹴った。

2014-06-30 21:24:40
穂波| @ho_73

「きみは莫迦か!?」 「ま、まさか! その前屈みの姿勢って、キスするセンセイに興奮してなんじゃ…」 「そうなのか?」 「ち、違うよっ!」 「えー本当ですかぁ…」 じとっと見つめるバサラに、上大崎は更に慌てる。喧々囂々とした言い合いが始まった。

2014-06-30 21:25:05
穂波| @ho_73

「……はぁ」 そんな二人を横目に、天現寺橋は息をつく。 (何だ、違うのか…) それは、どこかがっかりしている己の心に、まるで蓋をするような溜息だった。 【了】

2014-06-30 21:26:14

2日目

穂波| @ho_73

【東京陰陽師SSS】天現寺橋事務所で偶然鉢合わせた二人の陰陽師と、一人の羽織役が互いに視線を交わす。此所にいるのは一体誰なのか、と。 「どうしたの、皆。座ってよ」 そう花のような笑みを綻ばせながら、人数分の湯呑みを置くのは天現寺橋だ。自ら茶を出す姿など、初めて見た。

2014-07-01 22:35:23
穂波| @ho_73

「これって…どういうことなの?」 「昨日の依頼で『呪』にあてられたらしく、性格が真反対になっちゃったんです」 「えー!!」 上大崎は慌てたように声を張り上げた。しかし、焦っているのは上大崎だけで…、

2014-07-01 22:35:57
穂波| @ho_73

「くく、いいじゃねぇか。…物珍しいが、結構可愛いぜ」 「この程度の残滓…暫し為れば消えるだろうさ。ふふ、その前に一夜共に過ごしてみたいねぇ」 「確かに…ボクもおぼこっぽいセンセイに悪戯したいです」 どうやら他の三人は、いつもとは違う天現寺橋を楽しむことを決めたようだ。

2014-07-01 22:36:27
穂波| @ho_73

「言ってんだよっ! 今すぐ僕が元に戻してっ…」 上大崎は天現寺橋に詰め寄ると、手首を強く掴んだ。それが痛かったのか、小さい声が上がる。 「上大崎…」 そして潤んだ眸を向けた。 「う…、か、…可愛い…って、あっ」 その瞬間、上大崎は体勢を崩し、そのまま天現寺橋ごと床に倒れ込んだ。

2014-07-01 22:36:54
穂波| @ho_73

「痛たたた」 「っ、何だ一体…おい、何で僕の上に乗ってるんだ、下りろよ」 そして、起き上がった時には天現寺橋は元に戻っていた。 「……」 全員の溜息が響く。 「最悪、だな…」 「莫迦が」 「このヘタレー」 冷たい視線と容赦ない言葉が上大崎に突き刺さった。

2014-07-01 22:37:19
穂波| @ho_73

「うう…」 そして何とはなし、上大崎もガッカリしている。 「な、何だよ一体っ…僕にもちゃんと説明しろッ、おい!」 ひとり、意味が分からない天現寺橋だけが苛々して地団駄を踏んだ。 【了】

2014-07-01 22:38:41

3日目 「半夏生」

穂波| @ho_73

【東京陰陽師】皆様も、こんなSSSが読みたいってあれば穂波(@ho_73)にご連絡下さいませー(◜▿‾ ≡‾▿◝) ❤.。*

2014-07-02 20:41:13
穂波| @ho_73

【東京陰陽師SSS】―凛、と。静謐な空気を纏い、四谷が天現寺橋の寝所に現れる。まさに天現寺橋が床に就いた折のことだった。 「…これはこれは。どうしたんだい?」 徒に嗤い、天現寺橋はベッドに腰を下ろす四谷を見つめる。来たばかりだというのに、四谷の眸には情欲の色が浮かんでいた。

2014-07-02 21:30:58
穂波| @ho_73

「なに、今日は半夏生だろう。物忌でもしようと、ね」 「…それで何で僕の寝室になるんだい」 「ふふ、私にとって此処が…そしてお前が神聖な存在だからだよ」 「ッ、……ん…」 途端、頤を掬われ、四谷の長い舌が唇を割って侵入してくる。熱く濁った息が漏れた。

2014-07-02 21:31:31
穂波| @ho_73

「ん…、ぁ…」 舌を甘噛みされ、上顎を嬲られる。なめらかに動く蛇の舌は、天現寺橋の内部を好きに掻き回していく。人とは異なる四谷の冷たい舌と唾液が、天現寺橋の熱と溶け合って生温い。 「ふ、ぁ……」 脳裏を焦がすような行為に痺れを感じた時、ふいに唇が離された。

2014-07-02 21:32:57
穂波| @ho_73

四谷はふふ、と愉悦げに微笑うと、寝衣の上から腿を撫でた。 「さあ、私の不浄を祓ってくれるだろう…天現寺橋」 「ふ、仰せのままに四谷様。その代わり、僕も楽しませてくれよ…」 甘い囁きに天現寺橋は口角を上げると、四谷の首に腕を絡める。そして、共にその身をベッドに沈めた。

2014-07-02 21:33:40

4日目 お題「黒猫化」

穂波| @ho_73

【東京陰陽師SSS】「は…くしゅん!」 上大崎は、眼前の猫を見てくしゃみをした。 「大丈夫ですか、上大崎様。というか、本物の猫じゃなくてもアレルギーが出るんですね」 バサラは鼻水をすする相手に嘆息すると、視点を下にする。そこには、黒い猫耳と尻尾が生えた天現寺橋が座っていた。

2014-07-03 21:04:25
穂波| @ho_73

「これ、どうし…くしゅん!」 「見た通り猫になっちゃったんですよ。骨董屋の店主さんが、センセイにふざけて付けた『猫又』が宿るネックレスのせいで…」 バサラの言うとおり、確かに天現寺橋の首には、緑の石が光るネックレスが掛けられていた。

2014-07-03 21:05:05
穂波| @ho_73

「あれ、三日月の夜しか外れないんです」 「え、そんな…くしゅ!」 「上大崎様…さっさと帰ったらどうですか?」 「で、でも…」 みゃあ、と小首を傾げる愛くるしい姿を目の前に、上大崎は帰ることを躊躇われる。普段ならば猫など御免だが、猫耳の天現寺橋を放っておくなど勿体なくて出来ない。

2014-07-03 21:05:40
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