ポストロック、音響派について

深夜に行われた濃厚なポストロック談義。ポストロックの意志と背景について語られています。
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m i y a 🌼 🌸 @camiroi

音響系とかポストロックと呼ばれる、ジャンル(?)みたいなものがある。もともとは、渋谷にあったパリペキンレコードの出鱈目な「コーナー」のひとつだったらしい(全然記憶にない)んですけど、トータスとかオヴァルとか、ジム・オルークとか。

2010-11-14 00:28:24
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

たしかに94年頃に、彼らの決定的なレコードがいくつもリリースされて、それはすごい衝撃だった。トータスの2ndも、オヴァルの1stも、ガスター・デル・ソルの2ndも、みんなそう。

2010-11-14 00:33:27
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

たしかに94年頃に、彼らの決定的なレコードがいくつもリリースされて、それはすごい衝撃だった。トータスの2ndも、オヴァルの1stも、ガスター・デル・ソルの2ndも、みんなそう。

2010-11-14 00:33:27
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

まず最初に音がある。その音が別の音と繋がってメロディになって、さらにそれにどういうコードが当たるかで、ある空間なり、ある感情なりが造形される。しかし、彼らの音はそういうふうには作られていなかった。「音が鳴る瞬間」にひたすら迫っていくような、そういう感覚があった。

2010-11-14 00:36:10
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

「音響系」とか「ポストロック」というレッテルやジャンルは、たしかにハイプだった一面はあるし、いまでもきっとそうなんだろう。でも、彼らの「音の鳴り方」へのアプローチは、確実にわたしたちの耳を刷新したのだ、とも思う。

2010-11-14 00:37:59
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

あと、トータスもオヴァルも、あとジム・オルークのソロデビュー作も、みんな長い曲が1曲あって、それはどれも、彼らのベストワークのひとつでもある。「音が鳴る」という瞬間を――というか、その「持続」を表現するには、それだけの長さが必要とされた、ということ。

2010-11-14 00:40:41
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

なんてことを、今日のねとらじ用のセットリストを作ってて考えてた。

2010-11-14 00:42:14
極東極楽 @babylonkey

@camiroi 面白く拝聴しました。「ポストロック」という名称に関しては同時多発的発生(Bark Psychosisの初作(94年)に宛てられたレビューが初出という説もあり)みたいですね。あとジム・オルークのデビューってどれを指してそう仰ってます?

2010-11-14 00:46:12
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

.@babylonkey ああ、そっか。ジムのデビューって、油断しまくりの発言だ(汗『バッド・タイミング』のことです。97年くらい?

2010-11-14 00:50:39
極東極楽 @babylonkey

@camiroi フェイヒー・マナーを押し出した『バッド・タイミング』はいわゆる「実質的デビュー作」と評されたりもするので、そんなに間違いというわけでもないのですが(少し失礼な話だとも思いますが)、オルーク・ワークで耳を育てた人間なのでついw ドイツ音響派も含めて青春ですね(続

2010-11-14 00:56:48
極東極楽 @babylonkey

@camiroi 続)オルーク先生は『バッド・タイミング』以前、Skin Graft(メルトバナナやルインズもリリースするノイズ名門レーベル)でプロデュース業に精を出していたのですが、 その諸作を聴いても「音が鳴る瞬間」を追い求める感覚は感じられるように思います。

2010-11-14 01:02:16
極東極楽 @babylonkey

「Jimmy O'Rouke」名義のオルークの仕事とかの話ができる人にいつか出会えると未だに信じてる。

2010-11-14 01:06:37
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey そうですね。ニューウェーブの一部(TGとか)やレコメンの人たちは、すでにそうした実験をやっていたし、音響派はそれをアップ・トゥ・デートしたアーティストたち、というのが正確でしょうね。ジムは、そのなかでも音のあり方に意識的なアーティストだと思います。

2010-11-14 01:40:59
極東極楽 @babylonkey

@camiroi 正に仰る通りで、たとえばトータスを語る際にディス・ヒートが引き合いに出されることが多いのもそういう文脈で理解しています。ぼくのこれまでの音楽受容はその「プログレ~ビーフハート以降のノイズ~音響派」に線を引くようなものでしたから、体感として理解できるものがあります

2010-11-14 01:52:27
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey たぶん彼らの音楽を考えるときに、録音環境が変わったことは重要だと思います。デモを作って、スタジオに入って録って、ミックスして完成。という手順を取らずに、自宅でそのまま録音ができるようになった(あるいはスタジオを自分で持つようになった)。

2010-11-14 01:56:09
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey マッケンタイアのSOMAもそうだし、そういうふうに制作過程にアーティストが関与するようになった状況が(機材が安くなったこともあって)、90年代の半ばに進行した。

2010-11-14 01:58:22
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey いわゆる「宅録」というヤツですが、音と長い時間(スタジオの経費を考えずに)向き合えるようになったことが、彼らの音楽に大きく寄与しているように、個人的には思うのです。

2010-11-14 01:59:23
極東極楽 @babylonkey

@camiroi なるほど。録音機材のコストダウンで、それまでテクノなどの形態で表出していたベッドルーム・ミュージックがバンド化するようになり、その一連のムーヴメントが「音響派」と括られたという理解で大丈夫でしょうか?

2010-11-14 02:02:06
極東極楽 @babylonkey

そしてその流れを考えるとアルビニの特異性がむしろ浮かび上がるな。

2010-11-14 02:03:46
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey あと、録音スタジオの経費を考えなくてよくなったのは、すごく大きいと思います。実質、タイムリミットがなくなったことで、「完成形に向けて音を録る」ことから「音を作っていくなかで、できたものを録音する」というふうにシフトチェンジが起こった。

2010-11-14 02:13:15
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey Protoolsの導入とか、すごく大きかったと思います。まだまだ抵抗は大きかったですけど、コンピューターがスタジオに入って、ポストプロダクションとか音のトリートメントが重視されるようになった感じが(当時、いろいろと取材していて)ありました。

2010-11-14 02:10:49
極東極楽 @babylonkey

@camiroi ミュージック・マガジンやロッキンオンで何度も聴き馴染んだ話ではあるのですが、実際インタビューした方の話を聞くと説得力も一入ですね(失礼な物言いで申し訳ないです……)。そのパラダイムシフトと同時代的に発生したジャムバンド文化を絡めて語るのも面白そうだなーとぼんやり

2010-11-14 02:17:06
m i y a 🌼 🌸 @camiroi

@babylonkey そうか、Phishとかも、ほぼ同時期ですね(リンクして考えたことがなかった)。ジャムバンドというと「1回性」に結びつけられがちですが、録音技術の発達によって音の作り方が変わった……と考えると、モダン・ジャズの進化と似ているのかもしれません。

2010-11-14 02:21:36
極東極楽 @babylonkey

@camiroi ジャムバンドはそのライブでの「一回性」の表現に存在意義が求められがちで、たとえばMedeski, Martin & WoodやCritters Bugginみたいなポスト・プロダクションにも積極的な人たちの動きが無視されがちだったかなと最近よく考えていまして。

2010-11-14 02:25:39
極東極楽 @babylonkey

@camiroi ジャムバンド文化は、ポストプロダクションに対する反発として理解することも、ライブという空間で「音を作っていくなかで、できたものを録音する」文化としても理解できる特異なもので面白いなーとか。

2010-11-14 02:30:07