政党政治の現状をどう理解するか
授業準備の関係で、比較政治学会での中田瑞穂さんの報告を再読。政党の現状についての理解は、自分がここのところ話したり(少しは)書いたりしていることと大きく異なっているわけではなく(と思ってますが)、よかった。
2014-07-05 23:39:13ただ、これは『模索する政治』の時の研究会の時から思っているのだけど、ヨーロッパ-の政党政治を「競争的」と(その意味で「リベラル」といっても酔いが)特徴づけるべきではない、という考えは、もちろんわかるのだけれども、何というか何と比較するかという問題ではないかという気もしているのだな
2014-07-05 23:41:35最広義の「自由民主主義体制」の中での差異を見るということであれば、その中の競争的/多数決型の政党政治と、そうではないものとの違いは重要、ということになるだろう。しかし、「自由民主主義体制」以外との(実際的/理念的)比較を念頭に置くと、先の区別は相対的なものになるのではないか、と。
2014-07-05 23:42:58@ttya70 『模索』の主語は私でしょうか(笑).もちろんおっしゃるとおりです.ただ「競争というべきではない」というだけではなく,もう一つの別の軸が現存民主主義の正統性の根幹にはあったのではないか,という問題提起のつもりでした.
2014-07-06 10:16:33@ttya70 直接には2007年のECPRでP. Mairの話を聞いて,インスパイアされました(と勝手に思っています).「競争とは異なる軸」を明確化はしていませんでしたが,一,二回口にしていたintegrationでしょうか.今風に言えばinclusionかもしれません.
2014-07-06 10:24:42@ttya70 ただ,inclusion(特に社会政策でいうところの)よりは,もう少し具体的で組織/社会的ネットワークに埋め込まれていくイメージだろうと思います.
2014-07-06 10:26:17@ttya70 なおもう一つ,いわゆる競争的権威主義とよばれるようなものとの関係をどう考えるか,という論点はあると思いますし,重要性はどんどん増すと思いますが,こちらについてはまだ頭が整理できません.
2014-07-06 10:30:00@ttya70 こちらに関連して,坂本義和が『世界政治の構造変動』の論文で,大意「世界平和の問題に比べれば,資本主義類型論(M. Albert)なんて何の意味があるのかわからない」(デフォルメあり)と書いていたのを思い出しました.要は目的にあった概念化を,ということですが.
2014-07-06 10:43:20@ttya70 ただ「平和の人」は福祉とか働き方に関心ないんだな,と強く感じた瞬間でした.デモクラシーでも資本主義でも,少なくとも当座は,「よりまし」であるかどうかを考えることも重要だと思うのですが,そうは思わない人もいるということで.
2014-07-06 10:46:49@RyosukeAmiya リプライありがとうございます。はい、恐らく網谷さんのご指摘が印象に残ったのだと思います(エアリプっぽくてすみません)。網谷さんたちの問題意識は、統合/包摂という軸のことも含めて、よく理解できているつもりです。
2014-07-06 15:53:46@RyosukeAmiya 私の場合は、シュンペーター本人よりは(『模索』の序章もそうですが)マクファーソンとオッフェあたりに影響を受けているので、「そうはいっても、民主主義の中で見ると、普通選挙+複数(競争)政党制+代表制ですよね」という話に目が向いてしまうのだと思います。
2014-07-06 15:56:26@RyosukeAmiya ただ、私のような話をやっていると、いわゆる代表制民主主義をそうではない民主主義との関係で見る、という話になり、よく言えばラディカルですが、悪く言えば、経験的な分析や理解を捨象してしまうことになりかねません。
2014-07-06 15:58:29@RyosukeAmiya そして、今回の共通論題の趣旨に反して、「政党」を軽視したまま民主主義を語ることにもなりかねません。政治理論の水準でやっている者のメリットかつデメリットで、そこをどう扱うかは自分の課題です。
2014-07-06 16:02:39@RyosukeAmiya なお、福祉の方で私の念頭にあったのは、Bob Goodinの三つのレジームともproductivistだったという2001年の論文です。オッフェ的に脱商品化概念を用いれば、どこも脱商品化に限度があった、という話になります。
2014-07-06 16:05:02@RyosukeAmiya 大雑把にはなりますが、そうであるがゆえに問題の土俵自体を見直すことができるとも言えます。もちろん、大雑把になりすぎないように気を付けてゆくつもりですので、これからもどうかお付き合いください!長文リプライ失礼しました。
2014-07-06 16:07:06まあ、私としては、capitalist-welfare- democracy内部の差異・類型と、それ以外のものとの差異(あるいは可能性)と、両方見据えてやっていきたいと思っている。それが自分のスタイルだろうと思うので。
2014-07-06 16:35:12そういやもうすぐ、早川誠さんの『代表制という思想』(風行社)、が出るのでした。「選書 風のビブリオ」という風行社の新シリーズの第一弾ということらしい。amazon.co.jp/%E4%BB%A3%E8%A…
2014-07-06 17:56:35早川さんはこの間、「あえての代表制擁護論」(というのは、僕の勝手な特徴づけですが)を展開されてきたわけで、それがまとめられたものと推測しております。どんな形になっているか、楽しみです。
2014-07-06 18:01:29『代表制という思想』風行社
http://www.amazon.co.jp/dp/486258084X/
@ttya70 こちらこそつき合わせてすみません.議論の水準は違って当然だと思います.ただ「政党の代表機能」への「驚き!」が,もっとあっていいとは感じます.現にそれは存立しえなくなっている可能性があるので,今こそ「そうではない民主主義」を軸に組み立てられたものを読んでみたい気が.
2014-07-06 18:30:47@ttya70 選挙や議会という器はそのままでもいいのですが,そこから「固定的政治家の結合」「安定した政党組織」を引き算して,さらに労組みたいな大規模社会組織もムリである,という条件を設定したら,どのような仕掛け下でどんなデモクラシーが可能なのだろうか,ということです.
2014-07-06 18:35:52@ttya70 もしかしたら日本の地方自治体とかは場所によってそうなのかもしれません.また教科書的に言えば,第3共和制のフランスでは「政治家の流動性が高いため選挙時の政党連合と議会での連合が一致せず,『民意』への不感応が不満を生んだ」といった話になります。
2014-07-06 18:41:42@ttya70 その場合でも政治家個人レヴェルでは継続性がありアカウンタビリティが問えるだけマシで,「とにかく一期でも議員なりペイパー政党なりをやって,その間に政党補助金や政府とのコネなどの利権を集めて撤収する」という,現象も中・東欧ではあるとか(伊東先生,林先生のうけうり).
2014-07-06 18:45:12