研究紹介18 オキシトシンの投与は社会的嘘の検出を阻害する Psychological Science, 2014

英文は"Oxytocin decrease accuracy in the perception of social deception"です。他にオキシトシンに関する研究をいくつか紹介しています。
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欺瞞的コミュニケーション研究会(考え中) @D_research_team

オキシトシンの投与は社会的嘘の検出を阻害する 【Oxytocin decrease accuracy in the perception of social deception】 goo.gl/3kG2tT

2014-07-13 14:04:18
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この研究では囚人のジレンマゲームのコンテストに関するテレビの映像を見せて、対象者が協力者か裏切り者(嘘つき)かを判断させています。 判断を行う前にオキシトシンを投与された人は、投与されなかった人に比べて、嘘つきを検出する精度が低下していました。

2014-07-13 14:04:31
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オキシトシンはホルモンの1つです。神経伝達物質としても機能します。愛や幸福と関連するといった先行研究が多く、幸せホルモンなどと呼ばれることもあります。 抱擁したり、されたりしても分泌されるそうです。

2014-07-13 14:06:08
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これまでの研究ではオキシトシンの投与は他者への信頼性を高めたり、自閉症患者が社会的手がかりを正しく判断できるようになったりすることが報告されています。 したがって、オキシトシンは社会的に有用なホルモンと考えられています。

2014-07-13 14:06:19
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オキシトシンが他者への信頼性を高めるといった先行研究はこちらです。 「オキシトシンはヒトの信頼性を増加する」 【Oxytocin increases trust in humans】 goo.gl/6pp0Yb

2014-07-13 14:06:36
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自閉症患者への長期的なオキシトシン投与の研究はこちらです。 【ニュースリリース】 goo.gl/V3cosX 【論文】 goo.gl/FY8zvg

2014-07-13 14:06:57
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その一方で、オキシトシンの投与によるネガティブな効果も報告されています。 たとえば、オキシトシンの投与した後に暴走列車問題(1人を助けるか、5人を助けるか)のような道徳的ジレンマ課題を行わせると、自国民を優先的に助けるようになることが報告されています。

2014-07-13 14:07:09
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文献はこちらです。 「オキシトシンはヒトの自文化中心主義を促進する」 【Oxytocin promotes human ethnocentrism】 goo.gl/8JZ2MY

2014-07-13 14:07:28
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今回の研究もオキシトシン投与によるネガティブな効果に着目した研究です。実験参加者は囚人のジレンマゲームのコンテストに関するテレビ映像を見て、対象者が協力者か嘘つきかを判断します。判断する人は全部で8人でした。

2014-07-13 14:08:11
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オキシトシンの投与に関しては、偽薬群を設けて、実際に投与していない群にも投与群と同じ行動をさせていました。ただし、二重盲検法だったかの記述は見当たりませんでした。

2014-07-13 14:08:25
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実験の結果、オキシトシン投与群の正答率(48.25%)は、非投与群の正答率(58.38%)よりも有意に低下していました。 また、非投与群のみチャンスレベルの50%よりも有意に高くなっていました。

2014-07-13 14:08:37
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オキシトシン投与群の正答率の低下が、協力者であるという判断に偏った可能性についても検討されており、こちらに有意な差は見られませんでした(投与群:53%、非投与群:54.75%)。

2014-07-13 14:08:49
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最近のレビュー論文によると、嘘を検出できる確率は約54%ですので、オキシトシンの投与によって通常よりも検出率が低下した可能性があります。そして、検出率が低下したのが、相手を過剰に信頼するバイアスの影響ではありませんでした。興味深い結果ですね。

2014-07-13 14:10:02
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嘘に関するレビュー論文はこちら。 「嘘を判断する正確性」 【Accuracy of deception judgments】 goo.gl/FvMiFo

2014-07-13 14:12:22
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オキシトシンに関して最近の研究では、ネガティブな社会的手がかりや刺激に注目することを抑制する効果があり、その結果として社会的な警戒能力が低下してしまうことが報告されています。 嘘の検出率が低下するのもこの影響だろうと著者達は考察しています。

2014-07-13 14:12:36
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文献は2つあります。まずはこちらです。 「オキシトシンはマカクザルにおける社会的警戒をにぶらせる」 【Oxytocin blunts social vigilance in the rhesus macaque】 goo.gl/8YDnGp

2014-07-13 14:12:53
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もう一つはこちらです。 「社会的刺激の評価的処理におけるオキシトシンの選択的影響」 goo.gl/Q5FHvS

2014-07-13 14:13:15
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英文は" Selective influences of oxytocin on the evaluative processing of social stimuli"です。

2014-07-13 14:13:56
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以前、テストテロンを投与すると男性は嘘をつかなくなる研究を紹介しました。 まとめはこちらです。 togetter.com/li/678967

2014-07-13 14:14:13
欺瞞的コミュニケーション研究会(考え中) @D_research_team

オキシトシンの分泌の機序はまだよくわかっていないらしいですが、抱擁されると分泌されるみたいなので、恋人同士で抱擁しながら嘘を見抜かせると検出率が落ちるのかなーといった・・・な研究を思いつきました。この場合は関係性の質も影響してきそうですね。

2014-07-13 14:20:02
欺瞞的コミュニケーション研究会(考え中) @D_research_team

何にせよホルモンと嘘に関する研究はおもしろいです。また何かみつけたら紹介させていただきます。

2014-07-13 14:20:26