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第二次大戦英海軍の護衛空母、その運用

第二次大戦中にイギリス海軍が運用した護衛空母と船団護衛任務の関係について、こんぱすろーず氏の解説です。
軍事
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こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:08:38
以前連合軍陸上機による潜水艦撃沈が281隻に対して艦載機によるものは52.5隻にとどまっていることから、護衛空母は対潜航空護衛の主力とは言えないと指摘したところ、護衛空母搭載機の役割は敵潜水艦の充電妨害などであるから単純に撃沈数を比較しても意味がないと反論を受けた。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:09:08
しかし、船団に関する統計を精査していくとそもそも英海軍の護衛空母は船団護衛、特に北米-英本土間をつなぐもっとも重要な幹線航路の護衛にはあまり用いられていない、という事実が浮かび上がってくる。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:10:08
護衛空母が本格的に実戦投入された1943年初めから終戦までの約2年間に運航された北米-英本土間航路の船団585個のうち、護衛空母による直接間接の護衛・支援を受けた船団はわずかに33個、率にして5.6%にとどまっている。しかも大半は43年に集中している(43年27個・44年6個)。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:11:08
他の航路ではもう少し比率が高い。英本土-ジブラルタル/西アフリカ航路では同時期の289船団の内57船団(19.7%、北大西洋と違い44年に入ってから機会が増加する)、さらにソ連へ向かう北極海船団では40船団のうち24船団(60%)という高率に達する。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:11:48
北大西洋とこの二つの航路との違いは、陸上基地から発進する大型哨戒機の足が届かない遠隔の海域を通過すること、ドイツ支配下の陸地近くを通過するためドイツ空軍機による攻撃の危険があるということ。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:12:22
また北大西洋航路での護衛空母の活動が1943年下半期から急低下するのは、同時期にニューファウンドランドおよびアゾレス諸島に哨戒機基地が開設され、船団の全航程にわたって陸上哨戒機による船団直衛が可能になったことと対応している。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:12:58
つまり海上交通保護において、対潜護衛のための船団上空直衛は基本的に陸上から発進する空軍の対潜哨戒機の役割であって、護衛空母は陸上機の足が届かない海域や潜水艦以外の脅威が存在する海域で補完的に使用されるものとして英海軍は運用していたということがわかる。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:13:35
なお英海軍は海上交通保護以外にも幅広い任務に護衛空母を投入した。1944年に英海軍の護衛空母がこなした任務は延べ176回。うち船団護衛64・対潜掃討17に対して航空機輸送42・対地支援23・艦船攻撃20・攻勢機雷戦9・封鎖突破船捜索1。実に6割は護衛・対潜任務以外で占められる。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:14:04
英海軍は主に船団護衛への投入を想定して護衛空母を計画したが、実際に要求された任務は予想を超えて多岐にわたったし、主任務と考えられた船団護衛にはあえて投入しなくてもよい情勢が生じていたのである。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:14:19
有用な兵器システムであり一定の戦果を残し、さらには将来的なASW戦術の発展の基礎を作りもしたが、大西洋の戦いに与えた影響、という文脈で考えればやはり護衛空母が果たした役割は限定的なものだととらえるべきだろう。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:26:00
船団と護衛空母に関する統計については主にHague, Allied Convoy System 1939-1945およびHobbs, Ship-borne Air Anti-Submarine Warfare, in Howarth&Law,1994から引用しました。
ityou @ityou 2014-07-15 21:31:52
けっきょく島は魚雷くらって沈まないし、陸から届くなら圧倒的に陸からでいいわけなんですね… @flowerclass: 船団の全航程にわたって陸上哨戒機による船団直衛が可能になったことと対応している。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-15 21:36:12
@ityou 海域の気象条件が少しでも悪いと艦載機は飛べないけど陸上機は普通に飛んでこられますしね。ただ戦術的な柔軟性・即応性という点では空母の方が優位で米海軍の護衛空母はそれを最大限に生かして大きな戦果を上げました。英海軍は必要性を感じなかったのでそこらへんは乗り気ではなく。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-17 22:54:36
先日の護衛空母のまとめに「英国海軍は護衛空母が余ったから護衛任務以外に投入した」と反応している方がいましたが違います。対潜水艦戦を念頭に計画したけれど、造ってみたら「普通の小型空母」としての需要のほうが想定より遥かに多く、対潜任務に専念させる余裕がなくなってしまったのです。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-17 22:57:58
1942年後半にはイギリスはアヴェンジャー級護衛空母3隻(アヴェンジャー・ダッシャー・バイター)がすでに実戦投入可能な状態でしたが、激しい戦いが繰り広げられていた大西洋航路の船団護衛ではなく、北アフリカ沖で上陸支援任務に優先的に投入されました。「空母」でないと務まらない任務です。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-17 23:02:30
それから「就役数」のグラフを見ると護衛空母が余っているように見えるかもしれませんが、43年後半から怒涛の勢いでアメリカから引き渡されたルーラー級護衛空母は、実は艦載機と搭乗員の不足のためしばらく戦力化できずに遊んでいる状態でした。実戦投入可能になったのは44年も末くらいになって。
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-17 23:05:32
そのころにはヨーロッパはほぼ先が見えてきたのでほとんどの護衛空母は対日戦を見据えてインド洋方面に移動させられています。
迅鯨 @jingey 2014-07-17 22:59:41
@flowerclass  対潜任務はMACシップで一応なんとかなっているということなんでしょうか?
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-17 23:10:22
@jingey そういうことです。あと陸上対潜哨戒機。MACシップは「護衛空母の数がそろうまでのつなぎ」と紹介されることも多いですが、実際には反対に「潜水艦しか脅威が無い海域ではぜいたくすぎる護衛空母の代役」として「護衛空母より後に」計画されたものです。
迅鯨 @jingey 2014-07-17 23:15:13
@flowerclass  なるほど。すると護衛空母のつなぎはどちらかというとCAMシップのほうなんでしょうか?
こんぱすろーず @flowerclass 2014-07-17 23:20:19
@jingey うーんこのころの英海軍は全力で泥縄というか間に合わせに間に合わせを重ねて突っ走っていたのでどれがどのつなぎであるのかはっきりさせるのは難しいですね。まず潜水艦以上に航空偵察と爆撃に対応する必要があって生まれた、という点ではそういえるかも知れませんが。

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