第一回瓶詰語り「エセレンボー」「ヌレオナゴについて」

瓶詰語りのまとめ。 ◎参考文献 那須晴次『伝説の熊野』 『愛媛県史 民俗上』
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  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:03:24
    こんばんは、皆。瓶詰語りの第一回が始まるよ。進行は、あたしこと火焚がやっていくから、よろしくネ。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:05:37
    このアカウントのプロフィール欄に、瓶詰語りについての概要を記した記事があるから、そっちも確認しておくといいかもネ。それじゃあ、ボチボチ始めよう!
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:07:50
    那須晴次『伝説の熊野』より、「エセレンボー」(お話)
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:10:27
    和歌山県の周参見の海には、稲積島という島がある。今は昔、ここには「エセレンボー」という、鳥とも獣とも判らないものが住んでいた。木深い奥の祠に巣を作り、漁夫が釣りをしている間に色々な悪戯をするのだそうだ。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:13:23
    ある日、二人の漁夫が朝早くから稲積島の絲巻という所に腰掛けて釣りをしていた。黄昏時までつくねんと座っていたら、今日に限って魚が沢山釣れた。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:15:33
    釣れた獲物を樹の枝に吊り下げ、再び釣りを始めたが、二、三時間もしたら後方から奇妙な叫び声が聞こえてきた。と思うと、さっき吊り下げたはずの魚が消えていた。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:18:16
    「オイ魚がないぞ」「またエセレンボーにやられたんだな、けどあいつのことだからまあほっとけよ」と漁夫たちは話し合った。だが、その後も山の方から例の声と共に石を転がしてきたり、木を投げてきたりする。果てはキイキイと人を笑うような声まで出してきた。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:21:47
    こんな事が続き、結局最後は一匹も釣ることが出来なかった。漁夫たちはあまりの忌々しさに「エセレンボーてなんだ、ありゃ狸じゃないか、四足者(獣の意)だよ、それが恐くて人間様といえるものか」とさんざ不平を言いながら家に帰っていった。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:23:47
    さて、この稲積島には弁財天様が祀られているのだが、この弁財天様は四足者が嫌いで、この島には四足者が住めないということになっているのである。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:27:02
    ところが、今まで「エセレンボー」の正体は一体何者なのか判らない、ということでこの島に住むことが出来ていたのだが、はからずも漁夫の口から「狸だ」とされてしまったため、お怒りに触れたのか、翌朝には十数匹の狸が死体となって波間に浮かんでいたという。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:28:41
    それを口走った漁夫もあまり幸福でもなく暮らしたということである。今も稲積島に弁財天がある為か、島中には一匹も獣はいないのだという。(終わり)
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:30:56
    ◎ううむ、弁財天は怒らせると怖いネェ。一晩で狸を殺しまくったんだから、相当な怒りだネ。◎
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:32:54
    ◎でもこの話、エセレンボーの正体は狸だとはっきりしてないのが面白いネ。本当に悪戯の犯人が狸だったのか、また別の何かがやっていたのか。後者なら、狸たちは酷いとばっちりを受けたって事になるから、かわいそうな話でもあるよネ。◎
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:34:05
    ◎さあ、次の話に行こうか◎
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:36:15
    『愛媛県史 民俗上』より、「ヌレオナゴについて」(報告)
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:38:01
    夜、赤ん坊を抱いて、髪を乱した女が出会った赤ん坊を抱かせるという伝承は、ウブメのほか、南予にヌレオナゴの話として多い。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:40:38
    東宇和郡野村町冨野川の駄場川という所にヌレオナゴがいた。千眼寺の修験、徳善院が夜、この駄場川の飛び石を渡ろうとしたら、そこでヌレオナゴが洗濯をしていた。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:42:47
    ヌレオナゴは赤子をしばらく抱いてくれ、と徳善院に預けた。徳善院が赤子を抱くと、まるで石のように重かった。洗濯を終えたヌレオナゴは、お礼として徳善院に大力を与えたので、徳善院は松竹を握り砕くほどになったという。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:47:03
    大洲市菅田の天貢から蔵川へ出る途中の踊庭という駄場にも、夜、ヌレオナゴが現れて踊りをしたという。色青ざめた顔に眼光鋭く、木の葉をまとった全身はびしょ濡れであったという。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:48:50
    北宇和郡の広見町や三間町では、道を通る男に、にたりと笑いかける女のことをヌレオナゴという。ヌレオナゴに出会った時に笑顔を示す事は禁物で、もしそうすると一生執念深くつきまとうとされる。「やかましい」と一口大声で怒鳴れば、消えてしまうという。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:52:37
    南宇和郡御荘町長洲の越の尻の山沿いに道で、昔、飛脚がヌレオナゴに出会った。飛脚は重い石に変じる赤ん坊を抱かされたが、その石を投げ捨てて逃げたため、追い掛けられた。ヌレオナゴの髪の先は全て釣針のようになっており、飛脚が飛び込んだ家の板戸に、その髪の毛で引っ掻いた痕が付いたという。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:55:49
    同郡城辺町桜岡にも、若い男がヌレオナゴに苦しめられた話がある。ある夜、青年が一人で桜岡を通った時、美しい娘に会った。その美貌につりこまれ、つい笑い返した所、長い髪を振り乱して襲いかかってきた。
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 21:57:50
    青年は一目散に我が家へと逃げ帰り、板戸の大戸を閉ざしてやっと難をまぬがれた。障子戸なら髪の先で引っかかれて開けられてしまうので、ヌレオナゴに追われた時は必ず、板の大戸を閉めることになっているのだという。(終わり)
  • 瓶詰語り @bottle_gatari 2014-07-15 22:00:07
    ◎ヌレオナゴは濡れ女と似たような系統の妖怪で、あちこちに伝承があるネ。赤ん坊を抱かせるのはウブメ系だし、髪の毛が釣針みたいになってる、というのも類型があるらしいよ。◎

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