二階堂奥歯と北村薫『夜の蝉』

二階堂奥歯と北村薫『夜の蝉』
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icchan @icchan0000

二階堂奥歯と北村薫『夜の蝉』。 http://j.mp/cUlzqC 当然、作中の「私」の性倫理への違和感が綴られている。「私」と奥歯さん、まったく対極の二人。しかし、「小説が書かれ、また読まれるのは、人生がただ一度きりであることへの抗議」という認識では共通もしているのだ。

2010-05-07 00:46:36
icchan @icchan0000

「八本脚の蝶」を時系列に読むと、一人の知的で聡明な女性がいかに自死へと至ったのかが、行間から滲み出ていて戦慄する。自死を狂気と解してよければ、狂気と知性は同居し得るという実例。狂うとはどういうことか?彼女ほど聡明でも知的でもない僕は、自分が狂っていないと何故思い込めるのだろう。

2010-05-07 00:57:12
icchan @icchan0000

二階堂奥歯の狂気とは違う種類の狂気がネットに溢れている。他人の尊厳を蹂躙し他国の文化を蔑み、他者を貶めることによって優越感に浸る。彼らもまた、人生の意味を、世界そのものを、喪失した悲しき精神の持ち主なのだろう。それでも、奥歯さんの狂気と、彼らのそれとを同列に思いたくない僕がいる。

2010-05-07 01:04:05
icchan @icchan0000

「眠るたびに決まって目が覚めるのはなぜなのでしょう。夢の材料を探しに行くため?」( http://j.mp/cP45Dg )彼女にとっては現実が虚であり夢がリアルだった。現実世界に恐怖し怯え、夢や物語に救いを見出した。彼女が見ていたものが僕には見えない。それが僕を怯えさせる。

2010-05-07 01:14:37
icchan @icchan0000

今自分が立っている、この安定した大地、それがある人にとっては深い深い陥穽であるかもしれないという事実。むしろ、自分が今立ち続けていられることは単なる僥倖でしかなく、些細な仕合わせで、深い穴へと堕ちるかもしれないのに、それに気付いていないだけかもという恐怖。それらが僕を怯えさせる。

2010-05-07 01:57:09
icchan @icchan0000

同じ世界に存在しながら、世界の歪みに怯え自死を選んだ二階堂奥歯が狂っていたのか。歪みに気づかない僕が狂っているのか。この世界が夢で、夢だと思っているものがリアルなのか。その愛は人を救うものなのか、救済という名のテロルなのか。全ては不可知?

2010-05-07 02:12:16
icchan @icchan0000

@kaen_s こんばんは。奥歯さんとは直接の面識はなかったのですが、知人の知人だったこともあり、後になって知ったことですが僕が在仙していた頃、奥歯さんも仙台で中学・高校生で、丸善によく通っていたとなどもあって、彼女の自死は衝撃でした。

2010-05-07 02:16:28