「本格ミステリ」と「新本格ミステリ」の違い

主に@ogawab さんによるものをリスト化しました。 「幻影城」関連に及んだ話題については、こちらも参照のこと。 http://togetter.com/li/6946
新本格 ミステリ 読書
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ogawab @ogawab
昭和60年代の流行である「新本格」と昭和30年代の流行である「社会派」を対比する文章を時折、見かけるけど、その間に昭和50年代の「本格ミステリ」ブームが確実にある。新本格はそうした本格ブームに対するカウンターじゃなかったの?
ogawab @ogawab
そして、昭和50年代のもうひとつの流行であるトラベルミステリーブームが忘れられていく……。
日詰明嘉 @AKIYOSHI00
@ogawab このジャンル、全く疎くて恥ずかしいのですが「本格」と「新本格」はどう違うのでしょうか? 昭和50年代と60年代って地続きではなく?
イソムラ☆ベイベー(魔法のスター♪) @donadona_No5
@AKIYOSHI00 個人的には、昭和50年代のそれは角川が仕掛けた横溝ブームが軸にあり、昭和60年代のそれは、エラリークイーンの流れをくむ「読者への挑戦」と銘打った、ある種のゲーム感覚に近い作品群で、その多くは島田荘司がフォローした若い作家のブームだったかと感じておりました。
ogawab @ogawab
@AKIYOSHI00 詳しくは新保博久「世紀末日本推理小説事情」や「法月綸太郎ミステリー塾 国内編」に当たっていただきたいのですが、笠井潔や赤川次郎、島田荘司、幻影城出身者によるパズラー勃興期が昭和50年代にあるのです。新本格との関係はかなり微妙で、僕は「別もの」と捉えてます
ogawab @ogawab
なぜ「別もの」と捉えるかというと、読者としての実感が大きいのですが、それに加え、実作者の世代の問題もあります。あと、昭和50年代、昭和60年代、昭和70年代と分けると、アニメやマンガ等の文化や日本経済との照応の点で、見通しがいろいろよくなるのです。
ogawab @ogawab
ミステリにおける「本格」というのは、「本格的な」という意味より、パズラー(謎解きに重きを置く)というジャンルを指す言葉に近いので、その点は誤解なきよう! ただ、「新本格」以降、「本格」という言葉が変容したのでは、という点は大いに議論になるところでもあります。
ogawab @ogawab
原義的には従来の探偵小説に収まらないもの(幻想とかSFとか)を「変格」と呼んだことから始まっているので、ミステリはすべて「本格」だという立場をとる人もおります。と書いておかないと(^^;
ogawab @ogawab
50年代本格ムーブメントは赤川次郎から岡嶋二人、平石貴樹、橋本治まで多士済々、というのは法月綸太郎が指摘しているとおり。もちろん作家として食えなくて、伝奇バイオレンスブームへ行った笠井潔、トラベルミステリーブームに向かった島田荘司といった方々もいたわけですが。
ogawab @ogawab
食えなくてというのは正確じゃないな、食うために、のほうが正しい。
ogawab @ogawab
そして、この裏側では「冒険小説の時代」も進行しているわけだ。
ogawab @ogawab
というわけで、昭和50年代本格ミステリ語りはいったん終了。逢坂剛「裏切りの日々」とかもっと語りたいぞ(笑)。
ogawab @ogawab
ちょっとだけ追加すると、新本格の初期の作品は、実際にはパズラーじゃなくてショッカーだったんだなあ、と今になって思う。謎解きや犯人当てを重視している作家・作品は実際には少ない。むしろ50年代のほうがパズラーというのが自分の立場。それでは!
ogawab @ogawab
ブームとか勃興期とかいう言い方をしていたけど、正確を期せば、昭和50年代本格ミステリ黄金期というべきか。この黄金期はたしかにあったのだった。
ogawab @ogawab
例えば、昭和50年代の乱歩賞をたどると、梶龍雄『透明な季節』、栗本薫 『ぼくらの時代』、井沢元彦 『猿丸幻視行』、岡嶋二人 『焦茶色のパステル』、高橋克彦 『写楽殺人事件』、東野圭吾 『放課後』とずらり本格の傑作がならぶ。
ogawab @ogawab
@donadona_No5 とまあ、このあたりは半分、前に触れた新保博久さんの「世紀末日本推理小説事情」 http://bit.ly/dxi3GF の受け売りです(苦笑)。図書館などで、お目通しいただければ幸いです。
ogawab @ogawab
あとはまあ、「鮎川哲也の密室探求」、渡辺剣次「13の**」シリーズなどのアンソロジームーブメントが昭和50年代前半にあって、それがさらに50年代後半には文庫化されてます。
ogawab @ogawab
歴史的には昭和30年代で社会派推理って終わっちゃっているんですよ。乱歩賞の受賞作をみるとわかるのですが、昭和40年代はトリック派の方々ばかり。森村誠一の「高層の死角」(S44)なんか「新本格推理」と呼ばれてる。RT @camiroi 「社会派推理」が徐々に退潮して
ogawab @ogawab
ミステリガイドでは、間羊太郎「ミステリ百科事典」文庫化が56年、渡辺剣次「ミステリイ・カクテル」文庫化が60年、「東西ミステリー100」文庫化が61年。前2著はトリックの本ですからね。このあたり昭和50年代の(本格も含めた)ミステリ人気を受けているわけです。
ogawab @ogawab
すごく大ざっぱに描くと昭和30年代社会派、昭和40年代新本格推理・風俗推理、昭和50年代本格黄金期・冒険小説、昭和60年代新本格、昭和70年代脱格? ……というのが日本ミステリの歴史。ホントか?

コメント

氷川透 @toru_hikawa 2011年9月27日
RT @ogawab: ミステリにおける「本格」というのは、「本格的な」という意味より、パズラー(謎解きに重きを置く)というジャンルを指す言葉に近いので、その点は誤解なきよう! ただ、「新本格」以降、「本格」という言葉が変容したのでは、という点は大いに議論になるところでもあります。
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