@saitom11さんと@django88628676 さんによる会話型RPGの語りや描写についてのお話

某氏に読んでもらうためにまとめました。 時間順なのでちと読みづらいかもです。
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django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

『The Fading of the Land』 drive.google.com/file/d/0Bz3uYr… は、ジャングル部族の若者が“戦士”となるべく、獣と闘う姿を描く。この世の果てに住む、架空の部族の物語である #TFotL

2014-07-13 22:48:30
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最初に、プレイヤーキャラを設定する。これは表から1語選択し、それを用いて説明しなくてはならない。…「追放」を使う #TFotL

2014-07-13 22:54:58
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“オガの息子”アトゥは十四。 十四で、他の数人の若者たちとともにスターラ――ジャングルの端――へと徒歩を進める。日差しの強さは、すでに過ぎた季節となんら変わらない。矢のように注ぐ陽光は、人列の最後尾につく少年をうつむかせるには十分なほどである #TFotL

2014-07-13 23:17:03
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若者がスターラに挑むのは“枯れ”の季節カリーフと古来定められているが、アゾネの言う“枯れ”とは、昼の日の弱まりを指さない。それは夜間に急激に落ちる気温、身に堪える寒暖差に現れるのみ #TFotL

2014-07-13 23:26:01
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しかし“オガの息子”アトゥがうつむきがちになるのは、その日差しのためばかりではなかった。それに、スターラにぎりぎりの年齢で、今季最年少のティリーミンとして、他の者とジャングルへの道を行くのも理由が――彼だけの理由がある #TFotL

2014-07-13 23:38:53
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アトゥは“オガの息子”だから! オガはスターラに挑む前に隠れて伴侶を得た。アゾネは彼と、彼の子を身ごもった妻を村から追放した。ティリーアにならず伴侶を持つことは禁忌である。アトゥが生まれ、オガはあらためて、スターラに挑んだ。そして帰って来なかった #TFotL

2014-07-13 23:53:36
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オガが帰らず、母もまもなく死に、アトゥは物心つく前から村で育てられた。仮に母がすぐには死ななかったとしても、おそらくアトゥは村の誰かの手に預けられただろう。その時はきっと母が村に戻ろうとスターラに挑み、体が強くなかったという彼女では、帰ってこれはしなかっただろうから #TFotL

2014-07-14 00:17:04
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アトゥは、ずっと“オガの息子”だった。追放された、不名誉な“オガの息子”! だから彼は誰よりも早くティリーアに――“蝶の戦士”になりたかったし、アゾネの誰もがそれを知っていた。今、彼を後ろにスターラを目指している年長の若者たちも、知っている #TFotL

2014-07-14 01:38:13
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集会で名乗りを上げた時、異を唱えるものはいなかった。他の志願者に遅れることなく立ち上がったアトゥを見て、少しばかりの哀れみを、その目に浮かべる者はいたかもしれない。彼らは自身がティリーアであるか、それに選ばれた伴侶であるか、その子供たちである。族長は黙って頷いた #TFotL

2014-07-14 01:48:38
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「日没までに着く。寝て、夜明けが来たら」 と前を歩く誰かが言う。一睡して目覚めるとスターラが始まる。アゾネの若者の健脚でも、スターラまで三昼夜。その場でさらに一夜を過ごし、その後はすべてが終わるまで、試練を続ける。すべてが終わるまで #TFotL

2014-07-14 02:01:33
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顔を上げると、黒々としたジャングルが目の前に近づいていた。そのとば口の空き地にスターラはある。アトゥは手の甲で額の汗を拭い、儀式の場に掛けられた真鍮の大銅鑼を見る。銅鑼のそばの草の上に、木を削って作られた桴[ばち]となる棒もあった #TFotL

2014-07-14 02:36:54
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銅鑼から少し離れた樹の下に若者たちは腰を落ち着け、寝床にする。明日には試練を迎え、そして皆がティリーアに――“蝶”になるはずだ。彼ら、ティリーミンとは“蛹”という意味である #TFotL

2014-07-14 03:05:01
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…これで、ゲームの手順は【試練】に入る。闘いの準備をして、d20を振り、表を参照して召喚される獣を確定する。そして闘いとその帰結を描くことになる。それは明日、というか今日の阿戸の時間でいいだろう #TFotL

2014-07-14 03:12:02
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昨晩に続き #TFotL のプレイを続けよう。ツール見ながら。【試練】では、各戦いの前に、まずティリーミンの「美しさ」と「殺傷力」に計10点を割り振らなくてはならない…アトゥに「美しさ」6、「殺傷力」4点を振り分ける

2014-07-14 23:41:25
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次に、出現する獣をランダムに決める。これはbotを使おう。 @dicerobot 1d20 #TFotL

2014-07-14 23:45:08
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おっと、ダイスボットはd10までか。…仕方ない、自分でリアルに振るか。出目は2…強さは「4」、説明には「赤」の語を用いる #TFotL

2014-07-14 23:56:55
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スターラに挑むティリーミンは季毎に多い時もあれば、少ない時もある。今回は四人。多くも少なくもない。 「試練は一人ずつ。助けてはいけない。空き地の外まで下がって、木の影で、見ている」 最年長のエベが厚い唇を震わせる。全員が頷いた #TFotL

2014-07-15 00:05:40
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一人ずつ、年齢順に、がスターラの決まりである。エベが最初でアトゥは最後。銅鑼が鳴り、獣が現れる。闘う。これを三度。そして生き残り村に帰るか、力尽きるか。オガのように。獣は強い時もあれば、弱い時もある。銅鑼の音に喚ばれるのはどんな獣か。それはその時までわからない #TFotL

2014-07-15 00:21:19
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たとえどの獣が現れようと、闘いはごく短時間に決する。ジャングルの申し子はアゾネが長く戦い続けられる相手ではない。勝機があるなら速やかに倒す。獣もまた、ティリーミンが容易ならぬ相手と知れば、無駄な傷を避けジャングルへと退却する。どちらにしても、長くはかからない #TFotL

2014-07-15 00:41:47
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獣と対峙して、取れるのは二動作、あるいは三動作か。銅鑼が鳴り、闘う。その様子を見つつ、アトゥは自身の武具を、炎で黒く打ち延ばした鋼の短刀と、木と骨で組まれた弓を手で探る。銅鑼の音と、咆哮と、流れる血――獣の、そしてティリーミンの。ある者は勝ち、ある者は打ち倒される #TFotL

2014-07-15 01:14:16
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自分の番になったアトゥは場に進み出て、銅鑼を叩く。大音声が鳴り響く。樹の葉どころか、枝まで揺らすほどだ。奥の奥まで届こうかというその振動も、次第にかき消え、アトゥが再び銅鑼を打とうとしたその時、高い口笛のような叫びと、重い羽ばたきの音が聞こえた。アトゥは見上げる #TFotL

2014-07-15 02:08:38
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猛禽――大きな、赤い目をした。幸いにも逆光にはなっていない。もう少し遅い時間であったなら、飛翔し滑降できるこの獣を捕らえることは難しかったかもしれない。アトゥは弓に矢をつがえた。ジャングルのとば口の樹に舞い降りたそれは、その赤い目ですでにこちらを凝視している #TFotL

2014-07-15 02:39:18
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弓弦を引き絞り、襲い来る敵めがけて放つ。矢は、わずかに逸れ、猛禽の広げた左の翼をかすめた。アトゥは狼狽した。違う! 逸れたのではない。この大鳥類の狙いは真っ直ぐに自分ではなく――左耳に下がる、磨かれた青石の耳飾り。それを狙ったのだ。痛みとともに鮮血が飛び散った #TFotL

2014-07-15 02:57:00
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予測より頭半分のずれが手痛い失態となった。羽を打ち振るい、弧を描いて空へと舞い上がった猛禽は、またこちらに向かって急降下する。今度は、まともに殺しに来る。アトゥが側頭に打撃を受けていなければ、舞い上がったその頂点で静止した時、過たず撃ち抜けた。が、できなかった #TFotL

2014-07-15 03:10:11
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風を切り裂く速さで嘴と鉤爪が滑降してくる。アトゥが振り向きざまに放った二の矢は、虚しく何もない空間を飛び外れた。が、予測は――今度の予測は外れではなかった。猛禽は次こそまっすぐ。衝撃を、鋭い嘴が額に当たる感触とともに顔で受ける。鳥とアゾネの若者は重なって一瞬停止した #TFotL

2014-07-15 03:25:54
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