裁判員裁判と高機能発達障害

臨床心理士・長谷川博一氏による裁判員制度と、一般人の発達障害による「パニック」に関する理解不足に関する考察。症状が理解されないため、刑が重くなることが多い。
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長谷川博一 @hanycafe

「最高裁が主要8罪名に絞って調査したところ計4217件の判決のうち1%(43件)が求刑超えで、罪名別に見ると傷害致死が12件、殺人が8件、準強姦致傷が7件だった」→大阪・女児虐待死で最高裁判決 裁判員の求刑超え判断、覆るか(産経新聞) headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140721-…

2014-07-21 13:02:34
長谷川博一 @hanycafe

裁判員裁判では「市民感情の反映」現象が生じ、殺人や性犯罪に対しては従来の相場よりも重い判決となりがちで「求刑超え」も起こる。裁判員裁判で鑑定人として証言したこともあるが、正直「やりたくない」が本音。全くの素人に専門的な解説をわかり平易にしても、ついてきてもらえない感が強く漂う。

2014-07-21 13:06:53
長谷川博一 @hanycafe

残念ながら裁判員裁判には最初から期待していない。控訴審が勝負。特に高機能発達障害がい圏の人たちが被告になった事例の場合、「パニック」を理解してもらえない。この制度に反対。司法のプロが各分野の専門家の意見を聴いて司法判断するのがよいと思う。それに、裁判員のストレスの問題も未解消…。

2014-07-21 13:11:29
長谷川博一 @hanycafe

思春期以降の自閉症スペクトラムの本人とその家族には、パニックが起きると「行動制御能力」が著しく低下することが身に染みてわかっているはず。家族は、パニックが生じないよう突発的なことを極力避けるよう努めてきたが、家庭外の出来事は容赦ない。そのパニックの中で事件が起きることもある。

2014-07-21 15:14:43
長谷川博一 @hanycafe

中には、パニック中に自分のしたことの記憶が定かでないケースも。心の専門家から見れば、刑法でいう心神喪失・心神耗弱に該当するのだが、安定時の状態から「ふつうに喋れる」「記憶できる」などと捉えられ、完全責任能力を認め「本人の意図」とみなされる。不条理だと思う。

2014-07-21 15:18:27
長谷川博一 @hanycafe

もちろん自閉症スペクトラムの人が事件を起こすわけではない。私が見てきたケースでは、それをベースにもち、幼少期から暴力を受けたり、見たり(両親のDV)、しつけ・教育と称して強いコントロールを受け、負の感情が抑圧されてきた人たちが多い。彼らに刑罰を施しても更生しない。いやむしろ助長。

2014-07-21 15:21:49
長谷川博一 @hanycafe

精神科医の中には自閉症スペクトラムに詳しくない人がいる。こういう医師が鑑定人になると、「……性パーソナリティ障害」とされ、「性格の問題」であり「本人の責任」とされる。一般に日本では心理士よりも医師の発言が重視される。すべての精神科医が優れているわけではないのだよ、と愚痴をこぼす。

2014-07-21 15:31:43