数学ガールの著者が公立はこだて未来大学で講演したときの裏話
昨年『数学ガールの誕生』という書籍を刊行しました。結城の初めての《講演集》です。その話を少し連ツイ。 『数学ガールの誕生 理想の数学対話を求めて』(結城 浩) amazon.co.jp/exec/obidos/AS…
2014-07-23 15:14:50もともと結城は「顔出しNG」という形でお仕事をしています。まあ主な理由はセキュリティですね。結城は自分の信仰のことやなんやらネットに書いていますので、家族のことも考えてプライベートな情報は出さないようにしています。
2014-07-23 15:16:05「顔出しNG」ということですと、活動範囲は非常に限られてきます。たとえば講演会などは行えないですよね。書店でのサイン会も無理です(お化け坊やのかぶりものをすれば別ですけれど)。
2014-07-23 15:17:18ところがなぜかたまたま2013年には、公立はこだて未来大学で講演会を行うことができました。これはひとえに未来大の高村先生のご尽力とご配慮あってのことです。現在も深く感謝しています。
2014-07-23 15:19:362013年というと『数学ガール/ガロア理論』が出たタイミングでした。コミック版の数学ガールをお読みになった高村先生が結城の活動にご興味を持たれて、結城にメールを送りました。そして何通かのやりとりのすえに未来大での講演が実現しました。いま思い返してもすばらしいキャンパス、すばらしい
2014-07-23 15:21:47機会でした。詳しくは結城の本 『数学ガールの誕生』 amazon.co.jp/exec/obidos/AS… に書きましたのでここでは繰り返しませんが、教授・准教授・研究員・大学院生の方々と非常に楽しい時をすごすことができました。高村先生に感謝です。
2014-07-23 15:23:21結城は(申し訳ないですが)公立はこだて未来大学という大学を知りませんでした。すっごく失礼なことなんですが、北海道にANAで飛んで、高村先生のワゴンで大学に着いて、驚愕しました。「おお!確かにこれは《未来大学》だ」って。
2014-07-23 15:25:12もちろん大学の本質はキャンパスではなく、そこにつどう知的活動を行う人々です。です。ですが、いやあ、そうはいうものの、こんな大学キャンパスが日本にあるんだなあと思いましたよ。実際、オープンキャンパスなどで未来大を訪れた高校生にはほれこんだ方も多いらしいですね。よくわかります。
2014-07-23 15:27:15何しろ潤沢にスペースがある。そしてすみずみまでオープンな感覚がある。これはすごいや。そんな子供みたいな感想を公立はこだて未来大学に対して抱きました。
2014-07-23 15:28:21結城が講演(というかプライベートなお話)をさせていただいたのは、未来大の《図書館》でした。アゴラ的な空間。ライブラリーの奥にあるスペースです。聴衆のみなさんは重い思いに席を占め、リラックスした雰囲気で自由に数学・教育・執筆について話し合える。そんな至福の時間を過ごしました。
2014-07-23 15:31:27そして、高村先生はじめ、角先生や南部先生、美馬先生などからこの上ない歓待を受けました。あらためて感謝します。
2014-07-23 15:33:50議論の内容は『誕生』に書きましたので省略。裏話を少しリークして連ツイを終わりますね。 『数学ガールの誕生 理想の数学対話を求めて』(結城 浩) amazon.co.jp/exec/obidos/AS…
2014-07-23 15:34:47講演会後に未来大の先生方は懇親会を設けてくださって、すっごく歓待してくださいました。感謝です。何しろ北海道。海の幸!めちゃおいしかった〜。
2014-07-23 15:36:02…だけではなく、そこに集われた多くの先生方が、「研究」だけではなく「教育」という大学の側面について熱く語っていたのが印象的でした。大学生はもちろん力量はまだまだ足りないのですが、その学生さんをどうサポートし、応援すればいいのか……そういうことを(とても偉い)先生方が真剣に議論。
2014-07-23 15:39:06結城を講演に招聘してくださった高村先生は偏微分方程式の専門家です。のゆり先生は日本科学未来館副館長をなさった方ですし……などと言い出したら140字に収まらないのでやめましょう。結城が言いたいのは、
2014-07-23 15:42:44結城が言いたいのは…「数学ガール」という数学青春物語を通して、さらにいうなら《数学》という共通なインタフェースを通して、結城は多くのすばらしい先生方と知り合うことができたということ。《数学は時を越える》というのは『数学ガール』のテーマでしたが、時以外にも多くのものを越える。
2014-07-23 15:44:55いつも言っているけれど、結城は数学者ではない。カリスマ経営者でもない。大学教授でもない。一介の物書きに過ぎません。数学とプログラムと文章が好きな物書き。でもたまたま「数学ガール」シリーズでミルカさんやテトラちゃんや「僕」に出会えて、そして、《数学》を通じて多くの人に出会えた。
2014-07-23 15:46:38この連ツイの始めに書いたように結城は「顔出しNG」で仕事をしているから、リアル空間で会った人は限られているけれど、リアルかネットかは重要ではない。それよりも、
2014-07-23 15:47:41リアルかネットかというような些末なことではなく、結城は多くのすばらしい方と《数学》を通じて出会うことができたということ。それは結城にとってとても大きな喜びです。
2014-07-23 15:49:10念のために書いておきますが、偉い人とコネができたというような低レベルなことを言っているのではない。先ほど言及した先生も、全員が自分の知名度なんて誰も気にしていない。結城に話しかけるときみんな目をきらきらさせて「あのね、こんなおもしろい話があるんだよ」という。
2014-07-23 15:50:58美馬のゆり先生はすてきな(数学をモチーフにした)ペンダントを掛けていらっしゃった。結城がそれは素敵なペンダントですねというと、「気づいていただいてうれしいです」とのお答え。そんなお答えに結城の方がうれしくなります。
2014-07-23 15:53:27つまり、そういうことです。プログラムにしろ、数学にしろ、なにかしらおもしろい分野がある。知的興味をそそる何かがある。そしてそこにひかれる人たちがいる。それがコミュニティ。個人ですから、能力の違いはあるし、チャンスの違いはある。でも、「これがおもしろいよね」というのはセンスですね。
2014-07-23 15:55:23これは多くの《理系》的な感覚だと思うんだけど(まちがったらごめん)、有名かどうかとか、偉いかどうかとか、儲かるかどうかなんてかんけいないんですよ。
2014-07-23 15:56:39