役割は人を自由にする

medtoolz @medtoolz

役割は人を自由にする。沼地に家を建てようにも、大工さんを沼に放り込んだところで、溺れないようにばたつくのが精いっぱいになる。「俺こそが棟梁だ」と大喧嘩に打ち勝ってみせたところで疲れてしまう。敬語一つ、体育会的フレームワーク一つあれば最初から建築を始められる

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コテハンの人たちって、語尾や語調、周囲との関係が固定したんじゃないかと思う。ならばコテハンが不自由だったのかと言えば、むしろ発言量が増えたのだろうし。

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病院に招かれたコンサルタントが、「私は医師ではありませんが、部長の手術は最低ですね」なんて口を開けば叩き出される。「過去10年の記録を拝見しました。今年に入ってから手術の成績は有意に下がり、売り上げも落ちているようです」と進言すれば、誰もが聞き入る。記録の力ってそういうの

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レコーダーそれ自体に場や役割を設定する効果があるというよりも、記録されることに対する想像が、想像したその人に役割を押し付けることになる。ログが残ることはだから、想像力の乏しい人には何の効果もない。

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大きな画用紙を与えられて「好きなものを描いてごらん」と言われても、たいていの人は身動きができなくなってしまう。レゴの山ならずっと多くの人が、少なくとも何かの物体に到達することができる。役割という制約があって、初めて人は自由になれる。

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交渉人とリーダーと記録者みたいな役割分担にしても、職種ごとにできることとできないこと、やってはいけないことを明示しないと、役割が意味を持たないのだろうと思う。一番やってほしくないことは、とにかく隠さないことで。

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震災直後の頃、政府は議事録を残さないことを決定したりしていたけれど、あれをやって良かった側面、悪かった側面をぜひとも残してほしい。公式の記録係がいなくなった結果として、役割が意味を失いチームが迷走したりしなかったんだろうか？