PRRSV対策において日本を問わず海外でもまことしやかに伝えられているデータは何かと考えた場合次の2点になるのではないか。①株の多様性(強毒株の出現)②空気伝搬の危険性
2010-11-15 22:55:29昨今のウイルス疾病で遺伝学的なバリアントと表現型を区別していない風潮があり、多くの管理獣医師の方からもシークエンスを求められることが多くなってきました。ただしPRRSVに限って言えば塩基配列が10個程度置換していたからと言って病原性まで区別できることは出来ません。
2010-11-15 22:57:37遺伝的置換でコンピューターを用いた分子系統樹を作成することが出来、株の多様性と仰る方も多いのですが、実際に病原性を比較した場合、そんなものはなにも意味をなしていないのが現状です。事故率が上昇した→シークエンスを行う→前とは違う配列だ→新規の株出現!
2010-11-15 22:59:41この悪しきフローが専門家にも広まっていることに危険性を感じます。そもそも病原性を司る配列すらわかっていない中で、15000塩基対からなるPRRSVのごくごく一部分を用いたシークエンスでは事象を説明することが出来ないのは今の時代にメンデルさんがいても納得でしょう。
2010-11-15 23:01:04遺伝子系統樹を用いて説明する方に是非問うてみたいのは、それをアミノ酸置換した際に同じ系統樹になりますかと言うことです。答えは明白でなるわけがないのです。それでは時々現れる病原性の強い株はなんなのさ?と言うことですが、残念ながら答えは出ていません。
2010-11-15 23:03:09今言えるのは生ワクチンの効果がいまいちと言うことからわかるようにPRRSVという病気はそもそも従来のワクチン学で対応できるものではないと言うことです。個人的にはPRRSVに強毒株なんてものはないと考えています。だって実験感染で再現性を取ることすら難しい疾病ですから。
2010-11-15 23:05:45それでは対策の仕様がないかというとそんなことはなく、ここでAll Japan思想だと思うんです。国内の養豚場は非常に密接した地域で展開されています。ここをうまく使えばPRRSVの馴致は可能ではないでしょうか?
2010-11-15 23:07:47各農場で行っている馴致システムから地域一帯となった馴致システムに切り替えることによって防疫サークルが拡がっていくと考えています。独自の対策を練らずに大きく言えば近隣20-30 kmでの馴致システムを構築し、あらたなPRRSVの侵入を防ぐことが出来ます。
2010-11-15 23:11:19これは自家ワクチンに近い考えだと思います。そこで役に立つのが冒頭で批判してしまった遺伝子型別になります。遺伝子診断を株の発見だけに使用するのではなく、地域で一番浸潤している株を見つけ出し、地域ワクチン候補株とする。
2010-11-15 23:13:36昔ながらの地域ですと他の農場システムを取り入れることは抵抗があるかもしれませんが、この病気に絞っては地域の連携こそが最も重要な対策になってくると思います。それをやってしまえば冒頭に問題点として掲げた北米型のフィルターなんていらないですし。そもそも本当に空気伝搬が重要ならば
2010-11-15 23:16:44日本の養豚地帯は全てPRRSVが広まってきてますよね。話がそれますが個人主義主体のアメリカ型から日本人が昔から持ち合わせていた隣組制度で疾病対策をしていくべきだと思います。それを実現させるには小さい地区からモデルケースを行わなければならないのですが・・・・
2010-11-15 23:19:09