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Ninja Slayer / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
◆雷鳴が轟き、禍々しきニンジャの影を映し出す。「ドーモ、メフィストフェレス=サン。ニンジャスレイヤーです」◆
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【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100209:デス・オブ・アキレス】#2
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「珍しい客人もあったものだな」メフィストフェレスは抑揚のない声で言った。悪魔は赤黒の死神と向かい合う。「ドーモ。ようこそニンジャスレイヤー=サン。メフィストフェレスです。何故この場所がわかった?つまり、この私の……ダイザキ・トウゴの正体を、という事だが」「今更その段階の話か?」1
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再び雷鳴。ニンジャスレイヤーが照らされる。窓の外ではない。既に室内にいるのだ。「カナリーヴィルの非道は一人のロケット工学博士の足跡に私を導く。彼はいかにして日本を訪れ、研究を再開させたか。それを可能としたのは誰か」「成る程、シンプルだ」メフィストフェレスは肩を揺すって笑った。2
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「君、よくまあ、丘のナリコ地雷源を踏み越えて」「臆病者め」「うむ。しかも君、邸内に既に在るとは、つまりオルトロスを殺ったな。彼は善良かつ信頼の置ける執事だった」「イクサには向かなかったな」「当然だ。彼は善良なニンジャだ……私とは70年の付き合いだよ。弔いの時間をくれないかね?」3
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「よかろう」ニンジャスレイヤーは答え、そして眉根を寄せた。メフィストフェレスは首を傾げて念を押した。「いいね?」「ハイクでも詠む気か」「成る程、それもいい。だが、やはりサケがよかろう」彼は手にしたボトルを黒檀のテーブルに置き、空のグラスを二つ並べた。「付き合いたまえ」 4
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ニンジャスレイヤーは肩透かしを食った。山羊髭の初老の男は無防備だった。ニンジャスレイヤーはニューロン内でメフィストフェレスの首を刎ねた。何の抵抗にも遭うことはない。「……」ニンジャスレイヤーは繰り返しメフィストフェレスを殺害しながら、彼がボトルを丁寧に傾けるさまを見守った。5
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「君は警戒している。当然だ。私はニンジャだ。君が殺すべきニンジャだよ。アマクダリ・セクトの十二人とは即ち、ネオサイタマ政財界に深く根を下ろした社会インフラそのものだ。尤も、私は単なる投資家に過ぎず、インフラなどと自称するのも多少おこがましい。さて……」グラスの氷が音を立てた。6
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彼は己のグラスを取り、そしてニンジャスレイヤーを見て片眉を上げた。「何をしている。君の分じゃないか」「……」「まさかと思うが、毒殺を警戒しているのか?」メフィストフェレスは心底おかしそうに笑った。「この私がかね?私がニンジャソウルと邂逅したのは……スターリングラードだ」7
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ニンジャスレイヤーのニンジャ嗅覚は、目の前のサケに毒がないことを確かに伝えている。「見損なってくれるなよ、ニンジャスレイヤー=サン。私にも私なりの矜持がある。君よりも多くのものを見てきた。多少はな。悪あがきなど……君は既に私に勝利している。ここへ現れた時点で。私の負けだ」8
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メフィストフェレスは促した。「……」ニンジャスレイヤーはグラスを取った。このブルシットを早々に終わらせ、一刻も早く首を刎ねねばならぬ。この者が最後ではないのだ。影の中で一瞬メンポを開くと、ニンジャスレイヤーはサケを口にした。毒はない。メフィストフェレスは頷く。「よい夜だ」9
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「オヌシが死ぬには、だ」ニンジャスレイヤーはジゴクめいて言った。「天もそう言っているようだぞ」呼応するかのように雷が光った。ZGGGTTTT……「おお、おお」メフィストフェレスは驚いて見せた。「近くに落ちたぞ、これは。山火事は……」「数分もせぬうちに死ぬ者には無縁の心配だ」10
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「雷か……雷はどうもいかんな。彼を考えてしまう。アガメムノンを」メフィストフェレスは不意に言った。「彼はゼウス・ニンジャの憑依者だ。ゼウスとは即ちオリンポスの主神であり、天を司っている。君にとって、あまり気持ちのいい喩えとはなるまい。その……先程の喩えではな」再び雷が落ちた。11
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「雷をふるって宇宙を融かす神……恐れの中で生きた人類の、奔放な想像力?だが今や我々は、あるいは火を吐き、あるいは氷を用い、あるいは毒を、あるいは多腕を……モータルには神話夢物語にすぎない力を実際に自在に操る存在を経験している。ニンジャは実在するだろう?」悪魔は話し続ける。 12
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「ゼウスは無数の子孫を遺した!その……フフ……つまり好色だったのだな。否!彼の話ではない。ゼウスだ。しかしこうも考えられないか?ゼウス・ニンジャが実在する事を、我々はソウルを通して知っている。つまり、ゼウスの神話には何らかの真実の側面があった。真実が歪んだ形で伝わった」13
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ニンジャスレイヤーは拳を握り、開いた。メフィストフェレスはグラスを傾け、上目遣いに見る。「時間がないか?残念だ。今、殺しても構わんぞ。私は話しきれていないが、それは所詮私の都合に過ぎんからな。"それはお前の都合"、私がもっとも忌み嫌う言葉だ……愚鈍で低劣な人間ほど好む言葉だ」14
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ニンジャスレイヤーはニューロン内で百度以上メフィストフェレスを殺害している。実際やればできるだろう。そう決めれば一瞬で命を奪う事ができる。メフィストフェレスはそれを知った上で、ニンジャスレイヤーに仕掛けてきている。何らかの動揺を誘うつもりか。メフィストフェレスには慢心がある。15
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その慢心に、付け入る隙がある。ニンジャスレイヤーはメフィストフェレスの慢心を突き、アマクダリの更なる情報を引き出す……アマクダリ・セクトが宇宙に何を求めているか。その答えに繋がる、何らかの手掛かりを。メフィストフェレスは拷問には屈しまい。そうしたタイプではない。時間も少ない。16
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「つまり、要はゼウス・ニンジャのミーミーの継承拡散が、あのような神話に姿を変えたと、私は見る。クラン・ドージョー・インストラクションの概念を、後世のモータルは理解できなかったのだろう。ギリシア神話というやつは、恐らく君らが考えている程には古くない。自論だが」雷鳴が轟く。17
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「時間稼ぎのつもりか」ニンジャスレイヤーはグラスを握り潰した。「バカな」悪魔は笑った。「君はシツレイを犯してすぐにでも私を殺す事ができる。はじめから言っているだろう?君に邸内に踏み込まれた時点で私のウカツ、私の負けなのだ」彼は不意にTVを付けた。「天候情報が気になってね」18
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10100215……画面の左上に時刻表示が点滅し、映し出されたスタジオでは目つきの悪い男がウロウロと歩き回り、芝居がかった調子で語りかける。メフィストフェレスは頷いた。「やはりだ。見たまえ。さほど時間も経っておらん。先の二人を殺すのに何分かかった?もっとかかったろう?」19
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『ナンシー・リーに関して、我々は独自のコネクションから情報を得ています……いいですか視聴者の皆さん』男は息を吸い込んだ。そして、区切りながら言った。『私は、悪を、許さない』「フハッ」メフィストフェレスが笑った。「この男はミチグラ・キトミと言う。実にいい薄っぺらさをしている」 20
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『コマーシャル・フィルムも見ていてくださいましたね?広告は世界の潤滑油だ。さて、ナンシー・リー。いよいよです。いよいよ明かします。この美女!知りたいでしょう。いいですか皆さん』10100216……『彼女は元諜報員です!。どこから?ロシア?メキシコ?いえ違います。アメリカだ!』21
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「君達二人は実際、パブリック・エナミーになってしまった」メフィストフェレスはソファーに深く背中を沈めた。「それも覚悟の上での行動だろう。是非はともかく、敬意を表する……ナンシー・リーはアメリカ出身か」『彼女はかつて、磁気嵐下の日本の内情を探りに来たスパイ・エージェントでした』22
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「真実か?」メフィストフェレスはニンジャスレイヤーを見た。「素晴らしい美女だ。滴るようだ。手配写真の悪相がレタッチの産物だという事はさすがに私にもわかる。私とてニンジャだからな。実物は美女だ」10100218。「この番組が述べている彼女の過去は……真実かね?」 23
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2014年7月27日
ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100209:デス・オブ・アキレス #1 http://togetter.com/li/696436
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