アサイラムVSマイアミ鎮守府 わくわく!合同演習! Part1
電車から降りてまず目についたのは、その単語だった。 娯楽施設の立ち並ぶ道を抜けるとき、艦娘達は声を上げて景色を見渡し、まだ園内に一歩も踏み入れていないというのにはしゃいでいた。 その中にも、確かに文字はあった。 ネオンサイン。 プレート。 歓迎されている。 #加賀さん観察日記
2014-07-08 20:52:35「始まったか」 「ね、ね、どうなるかな」 「ちょっち不安やで」 「みなぎってきたわ」 「私はもよおしてきました、センズリしてもよろしいか」 「…」 #艦これ航海日誌
2014-07-08 20:54:15この施設のゲート前には門がある。白くて細長く、地球のエンブレムがアーチにあしらわれた門。現実から非現実、ケからハレへと移行するための結界だ。 ある人はをれを走ってくぐり、ある人はゆっくりと下を通り過ぎていく。それを門はただ見つめ、通行人を飲み込むだけだ。 #加賀さん観察日記
2014-07-08 20:58:53先に行く艦娘達から一歩遅れて、私は立ち止まる。見上げる門は急かすことなく私を見下ろし、雄大に口を開けて待っていた。WELCOME。遠く頭上には歓迎の文字。だが暖かな歓迎の句も、今は地獄の門の詩にも似て、冷ややかな金属の目でこちらを見下ろしている。 #加賀さん観察日記
2014-07-08 21:11:12永遠の物の他、物として我より先に造られしは無し。 而して我永遠に立つ。 汝等此処に入るもの、一切の望みを棄てよ。 くそったれ。 #加賀さん観察日記
2014-07-08 21:14:35第一戦が開幕する。 我らが先方は妙高流分家、刺突術の達人こと足柄、通称「マスター・アシガラ」だ。 対するは瑞雲に瑞雲を重ねた瑞雲の中の瑞雲。瑞雲拳の王者、伊勢。通称「瑞雲キチ」。 艦隊拳法を代表する二大流派の戦い、期待せざるを得まい。ま、勝つのはうちだがな! #艦これ航海日誌
2014-07-08 21:26:58『あー、でちでち。本日も晴天でち』 マイクハウリングと共に間の抜けた声が響く。ここは園内、ハリウッド・エリア。チケットを通してすぐに目にする区画だ。大陸の洒落た街路を模して作られた道は今、観客とコーンと警備の人間でごった返し、敷かれたタイルも見えないほどだ。 #加賀さん観察日記
2014-07-08 21:27:48『開会式とかめんどくさいからいいよね?』 『ゴーヤさん、物には手順というものがあるのをご存知ですか』 落ち着いた声が割り込み、たしなめる。 『不知火ちゃんは深海相手にやあやあわれこそはとかやっちゃうほう?』 『それとこれとは別です』 『ちぇー』 #加賀さん観察日記
2014-07-08 21:31:00馬の中の人とか正体不明のレ級、参加しないのについてきてる赤城さんとか血祭り降臨要素が多すぎる。 ところで対決カットインは全裸二人の時どうなるんでしょうか。 #加賀観
2014-07-08 21:38:58『ではゴーヤさんに代わって不知火がご説明致します。お集まりの皆様、遠いところからご足労様でした』 地元民でーす、という野次がどこからか飛ぶが、すぐに銃声と硝煙でかき消された。コワイ! 『只今より、”わくわく合同演習!マイアミVSアサイラム”を開催いたします』 #加賀さん観察日記
2014-07-08 21:39:21VIP席に座りながら、あちらの不知火の開会宣言を聞く。眼下の虫ケラ…もとい金づる…ああ失礼、観客たちは大いに喝采する。やはり、不知火の口から「わくわく」という言葉を聞くと大きいお兄さんの心のなかもわくわくするんだろうか。理解はできる、納得はしたくないが。#艦これ航海日誌
2014-07-08 21:42:51『まずは発案者のゴーヤさんからの御挨』 『そんなのいいから早く試合しよ?』 『では続いて代表取締役の由良さ』 『早く試合をですね』 『……チッ、では、第一試合の前に、ルール説明をさせていただきます』 不知火の舌打ちに群集に失笑が生まれ、そして銃声で消えていく。 #加賀さん観察日記
2014-07-08 21:45:18