- Eric_Ridel
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テレビ有名人はチューインガムに似ている。最初はきれいな包装紙に包まれていい香りがする。が、噛まれて汁を吸われ、あっと言う間に始末の悪いゴミとして吐き捨てられる。
2010-11-17 05:42:26140字という字数制限があるツイッターは恐ろしい。制約があればあるほど、文章を操る力の差がそこに誰の目にもわかるように出てしまうからだ。
2010-11-17 14:46:38誰もが「個性的でありたい」(=ほかの誰にも似てない自分でありたい)と願いながら、そうではない結果に終わるのは、多くの場合、人と違うことを恐れる恐怖が人間にはあるからだ。
2010-11-17 15:01:05ツイッターが厄介なのは、あなたがいかに服や靴、髪型やメイク、小物で「個性的」になったつもりでも「ツイッターでは誰にも見えない」という単純な事実なのだ。
2010-11-17 15:02:35つまりツイッターがきわめて繊細な表現の場である理由は、ただ言葉のみによって、この140文字の言葉だけで、あなたは自分を表現しなくてはいけない、という事実なのだ。
2010-11-17 15:03:53いかにあなたが「個性的」あるいは「はなやかに」身を装うとも、ツイッターにそんなものは表れない。ただむき出しの言葉だけがここにある。
2010-11-17 15:07:00ぼくたちはここで、内面と内面がじかにつながるというつながりを体験しているのだ。それはまるでハードディスクの共有のような行為であり、また純粋に精神的ないとなみなのだ。
2010-11-17 15:09:10文章を職業とする人間が意外に凡庸なツイートを放ち、文書など無縁の暮らしをする人々が万人の胸を揺るがす言葉を放つ、という予想を裏切る現象が起きるからツイッターはおもしろいのだ。そして恐ろしいのだ。
2010-11-17 15:11:03この青い枠線に囲まれた140文字の言葉に化身するという点で、ここは痛々しいほど平等な空間だ。それは原理主義的、あるいはラディカルなほどに平等だ。
2010-11-17 15:13:08教師、大学教授、官僚、裁判官、弁護士、ジャーナリストなど、非サイバーな権威によって生きている人ほど、ツイッターは恐ろしい。「平等な言葉」に化身した自分が「まったく凡庸でたいした知恵も個性もない俗物」であることがばれる可能性があるからだ。
2010-11-17 15:16:25自分が思ったほど「個性的」ではないことがわかるのも、ツイッターの効用としてある。誰でも話す凡庸な話題、凡庸な発想、凡庸な言葉。ぼくもあなたも、自分で思うよりはるかに凡庸な人間なのだ。
2010-11-17 15:20:33「つぶやきのメディア」「ゆるくつながる」などというのんびりしたキャッチフレーズをツイッターがまとっているのは、この「140字の言葉に化身する」ことの苛烈さを何とか中和しようとしているのかもしれない。
2010-11-17 15:22:19「あなたは誰なのか」ということほど、公的空間における個性はない。あなたの生活する場所、年齢、性別、性別、すべてが「あなたが他者と違うことをもっとも雄弁に語るもっとも反論の余地のない事実」はない。それを敢えて放棄するのだから、何と崇高なハードルに挑戦する人たちだろうか。
2010-11-17 19:28:38「あなた自身」というあなたが持ち得る最大の個性を放棄したうえ、このむき出しの140字の文字だけの世界で「他者とはちがう、あなたでないと放てない言葉」によって「他者とは違うあなた」を表現できる人はそうそういない。
2010-11-17 19:30:38ゆえに匿名とは無名であり、無個性であることをいかんともしがたい。本人が何とかしたくでも、これは読み手の認識の問題なので、どうしようもない。他者の認識ほど制御不可能なものはないからだ。
2010-11-17 19:31:43あなたの最大の個性は「あなた自身」なのに、それを過小評価して捨ててしまうのは、何とももったいない。もっと自分を大切にしてほしい。
2010-11-17 19:32:21「匿名」と「実名」と両方試してみたが、実名はXだった。匿名はYだった。Y>Xなので、匿名にしている。そんな人はどしどし匿名にされたい。そしてあなたの最大の個性を放棄するというリスクを飛び越え、あなたでなければ放てない言葉を放ってほしい。
2010-11-17 19:35:10