佐世保同級生殺人事件／関係性と地域の問題として考えてみる

今一生＠新刊『子ども虐待は、なくせる』 @conisshow

佐世保の事件で、加害生徒が裕福な家庭だから事件を起こしたという報道が一部にある。あまり関係ないだろう。母親の死後すぐに父親がべつの女と付き合い始めたことも、殺人の動機を説明するには無理がある。異常心理でもっともらしい説明を加えるより、彼女の暮らしたまちに関する感覚地理が気になる。

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家族や学校以外に居心地の良い場所やコミュ二ティがどれだけあるか？ そうした問いが、自分らしく生きたい人たちが自尊心を失わずに済む担保になる。カウンセラーがいれば、若者の殺人や自殺が減るわけじゃない。佐世保では、小学生女児殺害事件から何も学んでいなかったのだ。

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親や教師というのは、機能にすぎない。血がつながっている必要はないし、免許も必要ない。若者は家や学校以外に自分に必要な機能を探すことで大人になる。だから、まちが若者にとって機能的に付き合える人との出会いにわくわくできる場所を持たなければ、殺人や自殺などの脱社会的な行動を防げない。

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学校や行政に期待しても、退屈で閉塞感を与えるまちは変わらない。若い起業家がソーシャルデザイン的な発想で地元を面白い場所に変えていく民間の動きに市民の多くが関心を持つ必要があるの。治安を良くするためにもね。

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田舎の良いところは、誰かがさみしそうだったら、声をかけてくれる人がいるってことだったはず。だからこそ、まちの中に老若男女が気軽に交流し合える場所が必要なの。属性によって分断されてタコツボ化しないで済む場所がね。

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未成年の女性にとっての危険は学校の中だけにあるわけじゃない。先週まで女児誘拐が話題だったよね。スクールカウンセラーがいれば何かが解決するなんていう安い期待は罪深い。多様な市民が行きかうまち自体を若者にとって安全で安心の場所にしないと、まずいのよ。

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日本はいま特定の人にとっては精神的にも経済的にも生き残るための戦争状態。だから人を殺さないと自我が保てない。戦争はみんなシラフで人を殺す。異常心理ではない。だって、その人にとっては生き残るために戦ってるんだから。サカキバラ少年も自分が人殺しをした理由がわからないまま少年院を出た。

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殺人や自殺を語る際、その当事者個人の属性に問題を帰属させて納得しようという構えは、結果的に解決に導かないばかりか、今後も問題を温存することになる。殺人や自殺は自分と誰かとの「関係」を失った結果だと考えれば、関係を再構築できる仕組みが社会になかったことを問題視することが解決への道。

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@Exiarepair 個別の事情を包括するのが、社会の仕組みというものなんですよ。関係の再構築のチャンスは、当事者自身の問題というより、社会インフラの問題ですから。

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犯罪の加害者になるのは個人ばかりではなく、ヤクザ組織や狂信的な宗教団体などたくさんある。それを考えれば、そうした組織や個人を非合法の行為に向かわせてしまうのが、社会の側に「関係の再構築」のチャンスやインフラが乏しいことにあることに思い当たるだろう。