宮島達男 連続ツイート 抜粋

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宮島達男 @tatsuomiyajima

3. この幻想「プロのアーテイスト=絵で飯を喰う人」という図式は誤解ではないか。アートは職業になじまない。むしろ、アーテイストは生き方である。自分の生活は別途、自分で支え、自らの想いを納得のゆくまでカタチにし他者へ伝えようとする人間。生き方。それは素晴らしい生き方だと思う。

2010-10-31 10:09:58
宮島達男 @tatsuomiyajima

4. そうした生き方と思い定めれば、自由になれる。うまいへた。評価されたされない。売れた売れない。人と比べない。楽しいから描いていた頃。そして見てくれた人に喜んでもらえたことが幸せだったあの頃。人の評価でなく、自分が良いと本当に思えるものができたときの喜び。それが本当の自由

2010-11-01 14:09:19
宮島達男 @tatsuomiyajima

6. この生き方、絵描きに限らない。評価されるされないに関わらず、自分が良いと思える事を人と比べず追求する。そんな人はもうすでに本物のアーテイスト。そう、実は、アートは絵描きだけの専売特許ではない。誰もがアーテイストに成れる。Art in You

2010-11-04 19:12:12
宮島達男 @tatsuomiyajima

うん、アーテイストな銀行員とか、アーテイストな魚屋とかね。@shaba63 「アーティスト」を「建築家」とか「左官屋」とか「歯医者」と同列にするからわけわかんなくなる。「アーティスト」は「愛妻家」とか「気分屋」とか「変り者」と同列の存在で、歯医者とアーティストは両立する。

2010-11-06 22:14:30
宮島達男 @tatsuomiyajima

7.そもそも職業とは誰かのニーズがあり、そのニーズに応えて成立するもの。アートには、もともとニーズがない。自発的に想いをカタチしているだけ。だから職業となじまない。しかし、ごくまれに職業として成立してしまう者が現れる。ここが、幻想を生む原因だ。では、これを、どう考えれば良いか。

2010-11-11 13:52:14
宮島達男 @tatsuomiyajima

9. 偶然に作品が売れてしまうのは、時代や環境、流行など外的要因が大きい。だから、時代によって評価も変動する。たとえば、最近になって評価が高くなったフェルメール、逆にビュッフェのようなケースも。現在たまたま喰えているアーテイストもどうなるか。喰えることと質とは別次元である。

2010-11-12 13:30:17
宮島達男 @tatsuomiyajima

10. この「と向き合うことは、自分と向き合うこと。外的要因ではなく自分の努力で報われる世界。ここは裏切らない。「喰えることは偶然」と腹を決められれば、何も怖いものはなくなる。悲しいのは喰えないことではなく、アーテイストとしての目的を失うこと。

2010-11-12 15:11:12
宮島達男 @tatsuomiyajima

13.むしろ、ア-テイストな生き方をする人が増えてくれば日本の構造も変わる。なぜなら、アートには人を思いやる想像力と、出口の見えない問題を突破する創造力の2つが獲得できるから。自分と向き合う感性を持った人がたくさん出れば、日本のカタチはすぐに変わるのは当然。

2010-11-17 14:52:59
宮島達男 @tatsuomiyajima

14.だから、すべての人にアーテイストな生き方が必要。「アーテイスト=絵で飯を喰う」という幻想が、すべての人のアート教育の機会を奪う。音楽、踊り、建築、書、どんな分野でも、人間を人間たらしめる根本の教育。それがアート教育。矮小な幻想を常識と勘違いしてはならない。

2010-11-17 16:10:55
宮島達男 @tatsuomiyajima

15.Art in You. こうしてアーテイストは、たかだか150年の小さな「名詞」の殻から解放され、悠久の大きな「形容詞」に変容する。そして、アーテイストは幻想でなく、リアルな「生きざま」として刻印される。連ツイを読んで下さってありがとう! 了。11/18 を記念し

2010-11-17 19:31:11