ヤンデル先生の感染症行政周りのお話
- syangurira
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承りました。こちらについては先日も質問をいただいております。 RT @syangurira: @Dr_yandel 最近巷で騒がしいエボラ出血熱について一言お願いします
2014-07-31 11:09:25感染を引き起こす原因には「ウイルス性」「細菌性」「その他菌的なアレ」などがありますが、基本的にウイルスというのは「自分だけでは増えることができない」ので、ヒトや動物などに感染していないと生きていけません。そんなものをそもそも「生きている(≒生命)」と呼んでいいのかという問題も。
2014-07-31 11:12:17何かに感染していないと生きていけないわけですから、「感染した相手を殺してしまう」ことは、ウイルスにとってあまり喜ばしいことではないのです。だって、自分が生きる家を壊してしまうのと同じですから。
2014-07-31 11:12:55エボラ出血熱のように、「致死率が非常に高いウイルス」などというのは、そもそも「論理的ではない」のです。感染するなりその宿主(家としているいきもの)を殺してしまっては、ウイルス自体どうやって生きていくのかという話になります。
2014-07-31 11:13:47ここでポイントとなるのは、「対象となる相手を殺してもすぐ次の生命にとびうつれる」という能力、さらには「すぐに殺してしまう動物以外にも、わりと長生きさせながら中でひそむ動物をほかに『定宿』として用意している」という能力です。
2014-07-31 11:14:34インフルエンザでもブタや鳥などへの感染がしばしば騒がれます。こと、「ウイルス」については、「人獣共通感染」をきちんと解析するのが非常に大切です。獣医学部にも感染症学講座などと同じように病理学講座がありますが、そこに勤める方の一部は「人獣共通感染症の解析」を行っています。
2014-07-31 11:15:53これが実は「ヒト医学を勉強する以上にはんぱなくむずかしい」のです。獣医学で研究してる人達ってのは天才が努力しまくってるようなひとばっかり。
2014-07-31 11:16:21話を一般事項にもどしますが、ウイルスや細菌などは種類によって「感染」の仕方がまったくことなりますし、「家」である人間をどのようにこわすか、こわさないかも千差万別。これを非医療者が完全に理解するのは不可能に近いと思います。
2014-07-31 11:17:07そのため活躍するのは行政です。事実、日本では感染症の一部はうまいこと駆逐されていますし、検疫などもわりとワークしていますね。
2014-07-31 11:17:28でも時に感染症は日本でも蔓延し社会現象となり、行政や医療機関が叩かれます。そのたびに思うのは、「生命と生命がガチバトルしている中で多少の痂皮はやむをえないけど、叩かれ続けることで天才がそこに集まってなんとかすることも、なくはないなあ」ということ……。
2014-07-31 11:18:17ぶっちゃけ感染症を扱う医療者や研究者って、すさまじいストレスと日々闘っています。エボラ出血熱に感染して亡くなってしまった医師の話もありましたが、猛烈な勉強と知識のアップデート、さらには社会への啓蒙もきちんとやっていかなければいけませんからね。
2014-07-31 11:18:56本日のお話の最後にわたくしが申し上げたいこととしては、日本はそれなりに感染対策をがんばっている国ではありますが、今のお話に出てきた「感染症専門医」の数が非常に少ないのです。大変な仕事ですが、多くの医学生にぜひ目指して頂きたい仕事です。ぜひ目を向けてみてください。
2014-07-31 11:19:59