- Il2_Ilyushin
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前回からかなり間が空きましたが…そろそろ始めましょうか、ソ連機ツイート第八回、今回はラヴォーチキンの戦闘機についてです。
2014-08-02 19:02:33ソ連はスペイン内戦で遭遇した高速液冷機 Bf109の様な機体の配備が急務であるとし、各設計局にそれの開発を指示した…というのは、もう何度かお話ししましたね?
2014-08-02 19:04:34またソ連は、兵器(今回は航空機…戦闘機)は消耗品であり、アルミなどの資源は将来不足するであろうと考えていました。それもあり新型戦闘機は金属のみでなく、木金混合にするものとしました。Yak、MiGの機体も木や金属、そして羽布で作られていましたね。
2014-08-02 19:07:48…さて、新型機の開発指示などの話の前の事、リャジュコフと言う人物がデルタ材という強化木材を発明しました。それを航空機開発に利用できると考えたゴルブノフは、部下であったラヴォーチキン、賛同したグドコフと共にOKB-301設計局を設立。木製戦闘機の設計を開始しました。
2014-08-02 19:09:38そして開発されたのがI-301、後のLaGG-1/3となる機体です。Yakと同じく、仏イスパノスイザエンジンの血をひくM-105Pエンジンを搭載。武装は同軸にMP-6 23mm機銃、機首にUB 12.7mm機銃2丁を装備していました。
2014-08-02 19:12:14先に言った通り、金属の不足が懸念されていたので、木製機は軍が最も望んでいるものでした。また木製機は表面を滑らかにすることで金属機より抵抗を減らし、高速にできるだろうとも考えられていましたから…期待できるとされたのでしょうね。
2014-08-02 19:14:33I-301は木製な事により多少重かったものの、当時としては高速と言える速度、605km/hを記録し、LaGG-1として量産されることとなりました。 p.twipple.jp/xRXOv
2014-08-02 19:19:36LaGG-1となったのは40年初めに新しくなった命名法則によるものですね。設計者の名前の最初2文字と数字を組み合わせ付けられます。ヤコヴレフならЯк、共同開発だと頭文字だけ付くので…ミコヤンとグレヴィッチでМи+Г=МиГ、今回は先の3名が合わさりЛа+Г+Гとなります。
2014-08-02 19:23:36…話を戻しましょう、量産決定したLaGG-1は急遽燃料を増やす事となり、いくつかの変更も加えられました。改良された機体はナンバリングが変わりLaGG-3となりました。元々木製機で重かったのですが、燃料などにより重量が増加…速度や運動性、空戦に影響が出る性能が低下しています。
2014-08-02 19:25:17量産が遅々として進まない中に独ソ戦が勃発…最初LaGG-3は極東や後方に配備されていたので交戦はYakやMiGより後からでしたが…先述の通り、やはり重い機体では軽快なBf109に太刀打ちできませんでした。あまりにも鈍重であり、激しく動き回る空戦が出来なかったのです。
2014-08-02 19:30:23LaGG-3の最初期型の武装は、同軸にUB 12.7mm、機首にUB 12.7mmx2+ShKAS 7.62mmx2というものでした。I-301で搭載されていた23mmは反動が大きく、機体に影響を与えるとされUBに置き換え、代わりの火力強化として機銃が増設されています。
2014-08-02 19:32:21後の型で同軸が20mmのShVAKに換装されていますね。20mm+12.7mmx2+7.62mmx2です。…この機銃の多さも重くなった原因では……
2014-08-02 19:34:14…LaGG-3の初期型は高火力でしたが、Bf109と空戦するにはやはり重量が重すぎました。運動性に長けるBf109のF型に追従できず、また工作精度が悪く、試作機よりさらに性能が低下していた事によりほぼ太刀打ちできない状況でした。
2014-08-02 19:35:37勿論このような機体を作っていると、主力として役に立たない為生産中止されるでしょうし、…下手をすると粛清されかねません…設計者達はLaGGを生産しつつ改良する事になります。
2014-08-02 19:36:31同じエンジンを装備する、新型戦闘機3機種の中で最も身軽、かつ操縦も容易であったYakシリーズが居た事もあり、この鈍重な機体は名前をもじり”Ла”кированный ”Г”арантированный ”Г”роб…「保証付きの塗装済み棺桶」と呼ばれる始末でした…。
2014-08-02 19:41:58どうやら有名なこの呼び名は戦後に作られたものらしいです…。
性能を上げるのに一番手っ取り早いのは更なる高出力エンジンへの換装ですが、すぐには行えません。となると空力的洗練や軽量化しか手段がありませんね。度重なる細かい改良により、LaGG-3は1943年までに66ものロットが生まれました。
2014-08-02 19:43:39空力的洗練と軽量化。冷却器や各部のちょっとした形状変更による抵抗の減少…。そして武装や燃料を減らす事による軽量化ですね。初期型では機首に多数装備されていた機銃が、最終的には20mmと12.7mmのみになっています。
2014-08-02 19:45:2520mmと12.7mmの構成はYakでも見られますから、これがソ連における最低限の武装なのでしょうね。……超長距離型など重量がかさむ型では20mm一門など見られますけど…。
2014-08-02 19:46:50シリーズ1は先に述べた最初期型です。液冷機としては異例の計5つの火器が機首に搭載されていました。最高速度575km/h(5000m)で、当時の液冷機としては妥当な数値かと。 p.twipple.jp/0ANgX
2014-08-02 19:52:48次にシリーズ4。エンジンをM-105PAに換装、同軸を20mmに換装し、軽量化の為に12.7mm1門を降ろしています。M-105PAはM-105Pと離床出力は同じですが、低高度での出力が向上しているモデルです。この為最高速度は下がりましたが、低高度での機動性は向上しています。
2014-08-02 19:54:55シリーズ11はある程度大規模な改修が行われています。まず機首のShKAS 7.62mm2丁を丸々廃止、これにより格納していた機首のコブが無くなってスッキリしています。もう一つは、翼下に増槽や爆弾を搭載可能なラックが追加されました。 p.twipple.jp/K1HPS
2014-08-02 19:56:06シリーズ28でエンジンがM-105PF(1150hp)に換装、ロット29でプロペラ換装と排気管形状の変更が行われました。1本に繋がっていた物が3本に分かれています。これにより排気管出口にあった胴体の耐熱パネルが廃止されています。
2014-08-02 19:59:28