ウィアード・ワンダラー・アンド・ワイアード・ウィッチ #2

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【ウィアード・ワンダラー・アンド・ワイアード・ウィッチ】#2
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(あらすじ:女コードロジストのホリイ・ムラカミは、アマクダリ・セクトの陰謀を知り追われる身となる。暗黒管理社会化してゆくネオサイタマで、彼女は故郷ナカニ・ストリートへ逃れた。なおも迫るアマクダリの追跡者!彼らからホリイを救ったのは、流れのゾンビーニンジャ、ジェノサイドであった!)
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「大変ですぜ、 厄介な事になりやした!」薄暗いヤクザクラン事務所に、邪悪な蟹刺繍の革ジャンを着たレッサーヤクザが息を切らして入ってきた。その右目はサイバネ。加えて左手のケジメが二本。髪型は逆立てた赤毛。「報告せい」革張りチェアに座る頭目がイクラスシを摘みながら低い声で問うた。 1
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赤毛ヤクザは、頭目の鋭い眼光と、事務所内にいた他のグレーターヤクザ数名の剣呑な視線を浴びることになった。「ハクイ!テメッコラー!ブラックハンド=サンが御食事中だろうがコラー!」案の定、礼儀作法にうるさいグレーターヤクザが怒声を浴びせた。「す、すいやせん!でも一大事なんです!」2
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「おい」ブラックハンドと呼ばれた頭目が、そのグレーターヤクザを手招きした。事務所の中でも、ブラックハンドの周囲だけは照明が当たらずに暗く、不気味なアトモスフィアだ。手元のイクラスシだけが、鮮烈に、赤い。「ハ、ハイ……」グレーターヤクザが近づく。直後「イヤーッ!」「グワーッ!」 3
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ナムサン!何たる早業か!?グレーターヤクザは一瞬のうちに後頭部を掴まれ、その顔面を強化ガラス張りヤクザデスクに叩き付けられ鼻を砕かれ、床に転がされていたのだ!鮮血の飛沫が、イクラスシの盛られた大きな黒漆オボンに線を引いていた。「ア……アバッ……」「俺は、報告しろと言ったのだ」 4
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「へい!解りやした!」赤毛のヤクザ、ハクイは、乱れた息を整え報告を始めた。伝統あるヤクザクラン、カットスロート・カニ・ヤクザクランを乗っ取って久しい極悪非道の簒奪者、ブラックハンドに対して。「テクノギャング団の連中が、あのゾンビー野郎をヨージンボーに雇おうとしているんです!」 5
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「何ィ……?それは確かな話か?」スシを摘むブラックハンドの手が止まる。「へい、MASUDAのサルーンに、テクノギャング団の交渉人が来て、あのゾンビー野郎のテーブルに行ったと」「それで……詳細は?」「調べてやす。交渉人は何か話して、生きて出てきやした。殺されると思ったんですが」 6
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「そもそもあのゾンビーニンジャは、交渉が通じるのか?」ブラックハンドは訝しんだ。「酒場に居着いてるくれえですから、そりゃあ、出来るんじゃねえんですかね」ハクイの報告は全くもって不確かだ。だが場末のヤクザクラン構成員の能力などたかが知れている。ブラックハンドはそれを知っている。 7
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「噂が本当なら、厄介ですぜ。あの日のこと覚えてると思いやすが。あの野郎が来るまでは、うちが優位に立ってたんです」ハクイが言った。「あの日も、うちのクランとDシズムIIIファミリーは、ストリートの覇権をかけて、そりゃもう血みどろの争いで、酒場の前であっちの幹部を殺そうとしてた」 8
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「それをあの野郎、おっかねえ鎖付バズソーを振り回して、酒場の前で抗争してた若いモン、あっちもこっちも、合わせて10人くれえと、それからクローンヤクザと、関係ねえペケロッパ・カルトの巡礼者5人くれえ、あっという間に、ネギトロに変えちまったんです」ハクイは左手を振った。「俺の指も」9
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「もしあの野郎が雇われたら、そりゃあもう、厄介ですぜ。なにしろ、向こうはこれで……ニンジャが……二人になっちまうんです」ハクイが言った。ブラックハンドは返さず、何事か思案しながらスシを咀嚼した。室内に重い緊張感。「俺何か、まずい事……言いましたかね」ハクイが恐る恐る問うた。 10
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チャを呑み終え、ブラックハンドが言った。「……貴様はイディオットだが、運がいい。見所がある」「ド、ドーモ」ハクイは震え上がった。卓上ボンボリに蛾が飛び込み、革張りチェアに深々と腰掛ける頭目の顔と、秘密めいた紋章を照らした。アマクダリ・ニンジャだ……!右目には醜い傷痕がある。 11
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「貴様が交渉人になり、あのゾンビーニンジャの所に行ってこい。奴らがどんな条件を提示したのか調べろ」ブラックハンドが言った。「アイエエエエエエ!そ……そんな!?俺が交渉人に……!?」ハクイは怖じ気づいた。壁際のグレーターヤクザたちは、有無を言わさぬ目つきで彼を睨んでいた。 12
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ナカニ・ストリート、地下採掘施設内。テクノギャング団「DシズムIIIファミリー」のUNIXアジトにて。 14
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「ボス、ジェノサイド=サンとの交渉は、失敗に終わったとのこと」黒いハッカーギャングスーツを着たGNマサルVIが、幹部のDシズムVIIにそう報告した。両者の目元は、テクノギャング団特有の、特徴的なサイバーサングラスによって覆われている。「失敗に終わった?交渉人は殺されたか?」 15
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「ノープ。非好戦的アプローチにより、同じテーブルにつくことに成功。しかし十分経過しても何ら反応が無かったとのこと」GNマサルVIが淡々と報告した。「彼はついに死んだのでは?」DシズムVIIが訝しんだ。「いえ、呻き声はあったとのこと」GNマサルVIが言った。「眠っていたのやも」16
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「銃で頭をブチ抜いてみれば、確かめられただろうによ」DシズムVIIが事も無げに言った。GNマサルVIは肩をすくめた。「生きていたら、怒り狂ったゾンビーニンジャが殴り込んでくるんですよ?」「…で、死臭に耐えきれず、交渉人は泣いて帰ってきたか?」「メッセージ素子を遺させました」 17
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「で、もうひとつの報告は」「我々の動きを察したヤクザが、逆にジェノサイド=サンを雇うべく、MASUDAに交渉人を送ったとのこと」「ハーン……」DシズムVIIはしばし葉巻を燻らせた。それから突然、チャカ・ガンの引き金を引いた。BLAM!「アバーッ!」GNマサルVIの膝を貫通! 18
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「ファック野郎が!それであの腐れニューロン野郎がヤクザ側のヨージンボーについたら、どうなると思ってんだファック野郎が!」DシズムVIIは激高し、床にへたりこむGNマサルVIの腹を蹴り付けた!「アバーッ!」「てめえの生体LAN端子をファックしてやろうか!このファック野郎が!」 19
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「アイエエエエ!」GNマサルVIは首の後ろの生体LAN端子周辺をチャカガンの硬い銃口でねぶられ失禁!テクノギャング団は、ハッカーカルトと典型的マフィアの配合存在のようなものだ。彼らの本性は結局の所ゴロツキのヨタモノであり、暴威がハッカースーツを着込んだだけの犯罪集団なのだ! 20
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「DシズムVII=サン、その辺にしておけ」金網ドアを開け、突然ニンジャ装束の男が現れた。身体の一部に武骨なサイバネ化が見られる。そしてアマクダリ紋も。おお、何たる事!この男もまたアマクダリ・ニンジャか!「そいつをもう一回交渉人として送り込めばいい。死んでも構わん奴だからな」 21
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「ドレッドノート=サン、流石はうちのファミリーの参謀だ!」DシズムVIIが両手を広げて笑う。ドレッドノートと呼ばれたニンジャも机の葉巻を取り、吸った。「あいつを雇えるなら、一気に戦争だ。あのゾンビーニンジャのせいで、ずいぶんと無駄な時間を食った。その分も一気に巻き返す」 22
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「だが、仮にあいつらがヨージンボーを雇ったら……向こうはニンジャが……2人」DシズムVIIが言う。「仮にそうなったとしても、奴らは急には攻め込めんだろう。強引に攻め込めば、クラタ・メイジンとロービットマインを失う事になる。ストリートの価値は無に帰す」ドレッドノートが言った。 23
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2014年8月13日
ウィアード・ワンダラー・アンド・ワイアード・ウィッチ #1 http://togetter.com/li/697013 ウィアード・ワンダラー・アンド・ワイアード・ウィッチ #3 http://togetter.com/li/705828