『春原未来のすべて』感想まとめ(18禁)
『春原未来のすべて』を見終えた。色々と思うところを書きたいが、とんでもなく長くなりそうな悪寒。興味の無いフォロワーの方にはご迷惑をおかけすることになると思いますが、ご容赦ください。この作品のことを語る前に、春原未来という女優さんに対する、俺の見方の変化について書かないといけない。
2014-08-03 10:08:30春原未来ちゃんの作品を初めて見たのは、kawaiiの専属時代ではなく、フリーになった後に出演した、オーロラプロジェクト・葵刀樹監督の作品だった。まずこれが衝撃だった。葵刀樹監督の作品は、良くも悪くも「型」が決まっている。まるで歌舞伎のようだ。密室で美女・美少女を蹂躙する感じ。
2014-08-03 10:10:21ところが、春原未来ちゃんの出演作品は、その「型」が壊れていた。カメラが部屋に入っていくと、未来ちゃんはいきなりオナニーをしているのだ。自分の中に指を入れ、グチョグチョにかき回した挙げ句、その指をカメラ目線で自ら舐める。こんな葵監督作品は見たことが無く、驚きと戸惑いがあった。
2014-08-03 10:12:42率直に言って、その時の未来ちゃんの印象は、「なんてスケベな女優さんが出てきたんだ。」というものだった。ところが、彼女は元々、美少女作品をリリースするkawaiiの専属だったということを知り、二度ビックリ。さらにオレを混乱に陥れたのが、h.m.pの告知映像での未来ちゃんだった。
2014-08-03 10:14:44ファンへのメッセージを語る未来ちゃんは、カメラの向こうにいるであろうファンに向けて、泣きながら語りかけるのだ。オーロラプロジェクトの作品で痴態をさらけ出していた女性と、儚げな表情で切々と語る女の子。どうにも結びつかない。だけど、どちらの表情にも嘘があるとは思えなかった。
2014-08-03 10:17:12以前、未来ちゃんはオレ宛にリプをくれたことがある。その時書かれていた言葉、「作品に散らばっている、私の断片を探してください」というフレーズが頭から離れなかった。確かに、作品事に表情を変え、どんなハードなことにも挑んでいく彼女の作品には、別々の断片が織り込まれていた。
2014-08-03 10:19:14で、『春原未来のすべて』である。『すべて』と銘打たれているが、やはりこの作品も、彼女の断片なんだろう。だけど、その断片の中でも、彼女のど真ん中に近い、大きな断片が作中にどっかりと存在している気がした。それを引き出したのはタートル今田監督に他ならない。不思議な信頼関係だ。
2014-08-03 10:22:08この作品冒頭に挿入されている、『輝け!日本ハメ撮り大賞』については、すでにTweetしたことがある。その時、オレは春原未来ちゃんが相当な部分をさらけ出しているのに対して、今田監督がさらけ出していないことがアンフェアに感じられたと書いた。『春原未来のすべて』を見て、誤解に気付いた。
2014-08-03 10:24:39別に今田監督は「さらけ出させよう、掘り下げよう」などとはしていなかった。何となくの流れの中で、相手の人物像を掴もうとしたら、思ったより深い深淵がそこにあって、ズブズブと足を取られてしまった、というのが本当のところかもしれない。ある意味、巻き込まれてしまっただけ。
2014-08-03 10:27:15未来ちゃんとしては、(タイミングとか環境とかいろんな要素はあるんだろうけど)さらけ出すことが出来た相手として、今田監督への信頼度は相当なものがあったのではないか。フィニッシュを撮り損なうという「大ポカ」も、もっとしっかりと時間を取って作品を作りたい、という運命的な伏線だった。
2014-08-03 10:29:36で、本編。気が向いたときにセックスするというAVにあるまじきルール(^^;)を決め、二人旅は進む。インタビュー(というか語り合い)を通して立ち現れる、春原未来という女優の人物像。『ハメ撮り大賞』の時に語られていたものよりも、さらに重い部分が含まれていたりする。
2014-08-03 10:39:59春原未来ちゃんという異彩を放つ女優さんの根っこにあるもの、それは、家庭環境だったり、出会った人々だったり、色々なモノが積み重なって出来ているわけだが、どうにもこうにも、頑なに凝り固まってしまっている。「そうに違いない」という思いがエネルギーになり、力になっているんだろうけど。
2014-08-03 10:41:59その思いが、自らを傷つけ、周りを戸惑わせても来た気がする。ベクトルが強すぎるが故に、いささかの「ズレ」が他の人とかけ離れた地平に彼女を引っ張ってしまっているのではないか。特に彼女の特異な死生観は、20代の女の子が持つものとは到底思えないものだった。
2014-08-03 10:44:20そして、その死生観こそが、AV女優としての春原未来を成り立たせる「エロス」の核になっている。死と対極にある生、生の発露としてのセックス。セックスを全うすることによって命が輝く。未来ちゃん本人がどこまでどう考えているのか分からないけど、なんとなく、そんなものを感じた。
2014-08-03 10:49:39などと思っていたら、ラスト、タイトルが出た後に「Eros Thanatos Travelling」の文字が出てきた。あまりにもオレが思っていた事がそのままズバリとそこに書かれていて、思わず笑ってしまった。ああ、今田監督が感じたことと通じていたんだな、と。
2014-08-03 10:51:24正直言って、普通の男だったら、未来ちゃんの話に上手く付き合えないだろう。下手したら論破にかかって衝突したり、ゲンナリして匙を投げてしまう。でも、今田監督はそのどちらもしなかった。ニュートラルに話を聞く。童貞諸君よ。モテる男ってのは聞き上手なんだって事を、今田監督から学ぶがいい。
2014-08-03 10:53:48未来ちゃん自身、こんな深い話を話す相手はなかなかいなかったんじゃないか。人格形成の原因である親御さんにはもちろん話せない。友達や恋人にすれば「重い」といわれるかもしれない。かといって女優さん仲間に話したところで共感してもらえそうもない。今田監督は話し相手にうってつけだった。
2014-08-03 10:55:51そういう相手だったからこそ、ひたすら「素」でセックスが出来たのではないか。途中で酷いシーンもいくつかあるけど(^^;)それもまた、信頼の証。「お仕事」でもない、「恋愛」でもない、だけど「信頼」が存在するセックス。まあ、ちょっとあり得ないシチュエーションではあるけど。
2014-08-03 10:57:24とりあえず、ドキュメントAVとしても、ハメ撮り作品としても、一風変わった本作ではありますが、春原未来ファンはマストバイであると断言いたします。今まで春原未来ちゃん作品未見の人は、いきなりこれを見ると面食らってしまうかもしれないので、kawaii時代の作品あたりから慣らしましょう。
2014-08-03 11:04:01