【アナ雪】アナとチビ九尾エルサ(1-5)【パロ】

万屋和風愉菓子店@絶滅種のポンデ @yorozuya753

【アナとチビ九尾エルサ ～2.0日目】 お久しぶりになっちまったぉ。 そいじゃいつも通りテケトーに始まるぉー(・∀・)！

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意識がふと覚醒して、パチリと目が覚めた。アラームの音もなく目が覚めるなんてあたしにしては珍しい。 のろのろと打退き出す思考回路。それが本格的に運転を始めるのを待ちながら、枕元で充電をしていたケータイ２台に手を伸ばす。一個はフューチャーフォン（いわゆるガラゲー）で、一個はスマトホ。

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二台持ちするのには色々わけがあるんだけど……そんなこと今はどうでも良くて、とりあえず時間を確認した。 「んー……９：３８？」 しょぼしょぼする目で液晶を眺めて、少し寝過ぎたと後悔して。でもなんで後悔したんだろうと疑問を持って、それは今日やることとか行く所がいっぱいあるからだと

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緩い自問自答を繰り返しながら、視線を自分の隣に移した。そこには誰もいなくて、あたしの腕の中には枕が一つ。 「……」 緩慢な動きをする思考回路が緊急停止。その刹那に全ての記憶が繋がって、あたしは毛布を跳ね飛ばした。 「エルサ……！！」 勢いを付けすぎてベッドから転げ落ちそうになる。

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バランスをなんとか保って立ち上がる。太陽に透けて融解しそうな髪とか、薄氷色の瞳とか、髪とおんなじ色の大きな耳と、九本のもふもふ尻尾だとか。特徴あり過ぎる小さな女の子。それらを目印にして部屋を見渡す。 探し物をする時は、探しているものを頭の中で強くイメージしながら全体を見渡すと

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見付け易い。 そう幼い頃に教えてくれたのはお父さん。実は四葉のクローバーの探し方なんだっていうけれど、あたしはこれでいつも探したい物、特に大切なものを見付ける時はなんかはクセになっちゃってて。 だって、そんなことしなくても直ぐに見付けたから。ソファーの隅に水色の塊があった。

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それは昨日あたしがエルサに着せてたパーカーの色。水色とか寒色系はあんまり好んで買わないんだけど、そのパーカーはなんかたまたま持ってたのよね。 「はぁ……」 なんか一気に安心して、思わず小さく溜息が口から零れた。あたし、この数瞬でどんだけ焦ってたのよ。 （でも……だってねぇ？）

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逃げちゃった……って、ちょっと思っちゃったのよ。仕方ないでしょ。 「……エルサ」 囁くように名前を呼んで、小さな塊の隣にそっと腰掛ける。エルサは自分の尻尾をきゅっと抱き締めて、体を小さく丸めて眠ってた。 パーカーのフードで顔が半分隠れてる。起こさないように慎重な手付きでフードを

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退かすと、ちっちゃな口が尻尾を食んでいて。あたしは思わず声を上げそうになった。 （ヤバい！なにこれ可愛い！！） 自分の口に慌てて手を当てて唐突に湧き上がったシャウトを押さえ込む。ぐっと飲み込んだら空気が詰まって喉の奥がちょっとだけ痛んだ。 垂れた耳の片方が半分くらい立って、

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ピルピルと微かに震える。けれどもう片方の耳は垂れたままペタンとして、おでことこめかみにくっ付いていた。九尾は狐がベースのよーかいだから、やっぱりこうしてみるとこの子の耳って大きい。 そんなことはさておいて、あたしは取り敢えずポケットからスマホを取り出してカメラを起動。

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いつのクセで自然とシャッター音を消してたけど、今はそれで正解。ピントを合わせて、ついでにモードで背景ぼかしもしてピッと撮影……っと。 （あ、まちがえたー。連射しちゃったわー） なんとなく胸中で棒読み気味にいいわけ。十枚くらい連射してほくほくしながら撮った写真を確認。

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痩せ気味、というかガリガリのカラダは心配になるばっかりで頼りなさ過ぎだし、血行も良くないし、怪我もしてるし、ついでに目の下にクマもあるけど。でも、それでも可愛いって思えるんだから、この子ってば相当容姿整ってるわよね。その辺の子役とか子供モデルさんよりも実はすごい可愛い子じゃない？

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（ってか……もしかしなくても、もう少し体重増えて健康体になるだけで可愛さが３～５割は増すんじゃ……そうなったらこの子の写真だけでスマホのデータ容量いっぱいになるわね。SDカード128GBの買っとかないとヤバいかも……） 買い物リスト後で更新しとこ。なんて下らない事を考えながら、

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エルサの頭へ静かに手を伸ばす。 グルーミング中に寝てしまったのか。それとも寝る時は尻尾を噛んでしまう癖があるのか。分からないけど、いてくれ良かったと、ふわふわの髪を撫でながら心底思う。 （置いてっていい、か……） 昨日エルサが眠り半分で言った言葉を反芻する。

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そんなこと言われた所為だと思うけど、さっきはやけに過敏に反応しちゃってた。 あたしは研究所に来た時からこの子の事を知ってるけれど、それはあくまで実験場での姿とデータでだけ。きちんと出逢ってからまだ二日。この子があたしのことを心のどこかでまだ警戒しているように、

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あたしもまだこの子の事を完全には信用できていないと思う。 （まだ、絶対に逃げないとか信じられないし……勝手にどっか行っちゃいそうだもの） 大丈夫だよって、手をしっかり繋いでおかないと危うい。離したらきっと、あっとう間に見失ってしまう気がして。 （あー、なんかあたしらしくないわ）

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でも何でも初めは不安いっぱいなものだし、これからよねこれから。 あたしはそんな風に思考を切り替えて、エルサに意識を向けて。そこでようやく、小さな口が咥える尻尾に僅かな違和感を覚えた。 （あれ？　なんか色……） 口許近くの尻尾の毛並がほんの一部だけ違う色が混ざっている気がする。

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目を凝らして指先で触れる。ふわりとしていると思ったそこは、僅かにざらりとしていた。毛並を掻き分けると赤黒い瘡蓋のような見え隠れ。あたしは思わず心の中で唸った。 （もしかして、ストレス……？） グルーミングではなく、強いストレスの所為で尻尾を噛んでた……っていう感じ？ （あちゃー）

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片手で顔を覆って項垂れるあたし。なんも考えずに写メ取っちゃった数分前の自分を腹パンしたくなった。だけど手の中の写メをもっかい見ると、それも出来なくなる。だってやっぱ可愛いもんは可愛いのよ。仕方ないじゃない。 （でも……噛むくらいのストレス感じてたの？）

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昼間はそんな素振りはなかった……ようなそうじゃないような。隠していたのか、あまり顔に出ないタイプなのか。 （でも、そりゃそうよね。いきなり実験施設放り込まれたと思ったら、今度はあたしみたいな女に誘拐されたんだもんね） あれ？そういえば行先とかこれからの事とか説明したっけ？

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（あぁぁぁ……そういえば何も話さずに連れ回してんじゃない！これ不安感じない方がおかしいでしょ！？前途多難過ぎるのは分かってたけど、幾らなんでも配慮とか色々足りてないじゃない！） 裏での根回しとかでいっぱいいっぱいで、周り警戒し過ぎたりとかして、一番肝心なこの子への配慮がががが！！

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（うわぁぁダメな大人だわ、これ……） 思わず頭を抱えて俯いちゃう。あんまりにもダメ過ぎる自分に自己嫌悪を抱生き始めたところで、床を見詰めていた視界に白い小さな塊を発見した。 （これ、雪？） 床に小さな雪の塊が何個か。肘掛の上にも数個。ローテーブルの上にも何個か。溶けかけていて

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形が崩れ始めちゃってるから、それが何を模していたのか分かんない。けど、雪や氷でなんか遊んでいたらしい……みたいな空気は感じ取れた。 （眠れなかったから遊んでたとか？あ、もしかして夜行性とか？） ま、後者は可能性として低いけど。でも前者なら充分有り得る。 （見たかったな……）

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雪と氷で何かを作って遊んでるの、たぶん、ううん。絶対に可愛いかったに違いないもの。 （もうっ、こういう時は一回寝ちゃうと朝まで起きない自分の体質が恨めしいわ！） すぴすぴと眠るエルサの寝顔を眺める。 息を殺して見守らないと感じ取れないくらいに静かな寝息に少しの安堵とかなりの不安。