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  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:20:06
    この歌詞は「ミス」とかではなくて、極めて緻密な計算に基づくプロの仕事だと思う。詳しくは僕の授業で。 / “アナと雪の女王の主題歌『ありのままで』の歌詞がトンデモ訳だったことが判明wwwwwこれはひどいwwwww” htn.to/mVZdEL
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:22:59
    そもそも根本的な大前提として、英語と日本語の音節構造の違いがあるんだよね。英語の"let it go"は音三つに乗るわけだけど、同じ三音に日本語では「ありの」とか「ままの」とか「たらこ」とかしか乗らない。日本語として自然な歌にするなら、情報量は絶対に英語版より減ってしまうわけです
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:24:56
    だから、いわゆる「翻訳」は不可能なんですよね。英語版が持つ情報の何かを削ぎ落としつつ、「ローカライズ」された日本語版をつくるしかない。で、問題は何を削ぎ落とすかということで。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:28:52
    英語版でのエルサの苦悩というのは、全て"they"を通して語られるんですよね。彼女は魔法の力を、妹のアナ含む王国の人々から隠そうとしてきたが、それが表に出てしまった。そして彼女は王国を離れることを決意する。あれは家族や身の回りの人々と「決別」することで「開放」される歌なのです
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:35:26
    でその、「決別とセットになった開放」っていうモチーフが、アメリカ人にごっつい響いたわけですよね。例の「あれは同性愛を肯定する映画だ」という騒ぎも、現代アメリカ文化では「同性愛者が成長の過程で、家族と決別することで開放される」というモチーフが頻繁に利用されてるからなのです
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:37:31
    で、日本語版が何をやっているかというと、「決別+開放」の「決別」を完全に削ぎ落としてるんですよね。最初に英語と日本語の歌詞を並べた時驚いた。「ここまでやるのか!」と思ったのです。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:39:53
    エルサがクレパスの上に氷の橋を掛けて、それを渡って向こう岸についた時、英語版ではYou'll never see me cryといいます。ここまでくればもう涙を見られることもない、と、他者との関係性が語られている。英語版でのエルサの苦悩は常に他者との関係を元に語られるのです
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:41:23
    しかし対応する日本語は「二度と涙は流さないわ」なのです。その他どこを見ても、日本語版の歌詞の世界にはエルサしかいないんですよね。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:44:33
    日本語では「少しも寒くないわ」は、英語版ではThe cold never bothered me anywayです。エルサは体質的に寒いのなんて平気なわけですよ、でも今までそうは言えなかった。「寒さなんて、どのみち私にはどうでもよかった」と、他者の存在が暗に含められてるわけ
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:46:17
    ということで、日本語版を見れば見るほど、極めてシステマティックに「"they"との決別」という要素が排除されていて、これが意図的でないはずがないと思うんですよね。ミストかではなくて、絶対に狙ってやっている。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:49:57
    じゃあなんでそうしたのか、ということで、もうあとは想像するしかないんだけど、やっぱり「ローカライズ」ってことじゃないかと思うんだよね。日本語版の観客は、英語版の観客ほど「決別+開放」というモチーフに慣れていない。では観客にピンと来ない部分は削り落とそう、という。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:51:41
    でもそれ、理屈はわかっても、実際やるのは滅茶苦茶勇気がいることだと思うんよ。やっぱりなるべく原作を変えない方が楽なわけ、変えた上で失敗したら自分の責任になるから。でも結果として、あの日本語版は大成功だったわけですよね。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:56:25
    どうしたって日本語版では情報量が減ってしまう、というのが動かし難い前提。で、日本語版制作者は、何となく全体的に情報量を減らすのではなく、特定の内容を狙って削り落とし、残った部分で100点を取ろうとした。「引き算」をした。すごい勇気で、プロの仕事だと思うのよね
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 02:59:51
    そして結果として、あの日本語版はあれだけたくさんの人の心に響き、これからも愛されていくであろうことを見れば、あれはプロの仕事として「大成功」以外のなにものでもないんですね
  • Tomoko @kumamonhikonyan 2014-08-05 03:03:14
    @gorotaku 英語版と日本語版を比較すると、プロの仕事であり、よくこんなに音にのせる日本語をみつけたな、と思います。ただ、子ども達が「ありのままでー」とか「これでいいのー」と歌っているのを聴くと、ただのわがままな人で「もう知ーらない」みたいな意味にならないといいな、と。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 03:06:14
    @kumamonhikonyan そこまで心配しなくていいんじゃないでしょうか。
  • Tomoko @kumamonhikonyan 2014-08-05 03:13:21
    @gorotaku 子どもはそこまで深く考えないのかなぁ。私自身が歌うと、日本語版だったら「もう好きにするぞー!知ーらない!」って気分になり、英語版だと「もうくよくよしないで、自分ひとりで生きていくの」という気分になるけど、そこは私の性格かもしれませんね(笑)
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 03:14:45
    というわけで、わたくしの結論としましては、あの日本語版をもって「英語版と内容が違う!」とか言うのはお門違いである、ということですね。あれは同じ内容にしようとして作られたものではそもそもない。日本の観客の心に響くものをつくることが目的で、その目的をとても上手に果たしているのです
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 03:17:59
    @kumamonhikonyan 歌の歌詞ひとつに合わせて行動様式を決めてしまうこどもなんていないと思います。アンパンマンマーチを聞いて「そうか、愛と勇気だけが友達なんだ、人間の友達なんていらないんだ!」などと考え、その通りに生きる子なんていないですよね。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 03:21:16
    クッキーモンスターは非標準的な英語を話します。一人称が常にmeでbe動詞が脱落する。Me monster, me not pickyとか言うわけ。こういう話を授業ですると、「こんな間違った英語を聞かせてこどもの教育に悪くないんですか?」みたいな反応が出るんよね
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 03:23:47
    で、それはたかだかテレビの1キャラクターの影響を過大評価しすぎだと思うんですよ。一般的な日本語環境でも、こどもは非標準的な日本語に囲まれて育ちます。タラちゃんだって、おじゃる丸だって、ハム太郎だって、あれを実際にやったらおかしい言葉遣いだよね。でも別に問題はない。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 03:26:47
    「タラちゃんの話す日本語は間違っている、家族向けアニメに登場するこどもがあんな話し方をしていたら、それを見ているこどもに悪影響だ」とか言い出す人がいたとしても、今までの何十年という歴史が、そんな悪影響は存在しないか、あったとしても無視できるレベルであることを示しているわけで
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 15:17:05
    RT数がある閾値を超えると、なんかてんでお門違いなリプライが飛んで来るようになるツイッターランドへようこそ。僕の意図は「日本語版ショボwwww」じゃないですよ。むしろ、あんな困難な課題をあのようにやり遂げた翻訳者及びその周りのスタッフに畏敬の念すら抱いている。
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 15:19:37
    基本的に音符は増やせないし、日本語として美しい歌詞にならなければならない。英語版は英語版で偏執狂的な完成度で、歌詞の中に映画中の他のシーンに繋がる言葉を散りばめている。「これの日本語版を作ってください」と言われたら、「ごめんなさいできるかボケ」と答えますね僕だったら
  • アニ @gorotaku 2014-08-05 15:21:12
    つうか、戸田なっちとかの訳を取り上げて誤訳だ誤訳だと騒ぐ人は多いですけど、「これはなんて素晴らしい訳だ」とかいうのが同じぐらい話題にならないのはどうしてでしょうね。
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