地獄鎮守府の日常 #37~46

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幕間

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

金剛「しっかし私たちも結構な大所帯になったデース」 霧島「そうですね、まぁ、私達は二軍ですが」 扶桑「この前久しぶりの実戦でしたからその、腰が引けましたね」 榛名「はい!榛名は殺し足りなかったです!」 山城「そういえば、長門さんは?」 金剛「あれは駆逐艦だろ」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:35:35
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

長門「背が小さいからって戦艦グループからハブられた……はぁ……」 日向「……グループからハブられた、か」 長門「あ、日向さん」 日向「やぁ」 長門「まぁ、金剛さん達の輪に入れなかったのが……」 日向「あんなのはゴクツブシだよ、関わらなくてもいい」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:37:57
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

長門「……そこまで言いますか」 日向「少なくともここではね、鎮守府の運営の一部を任されてる叢雲さんだって駆逐艦だ。暗殺部隊の主力だって駆逐艦、戦艦なんて砲撃支援ぐらいしか仕事の無い日陰者だよ」 長門「まぁ、そうですけど、加減が無いのですね」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:39:53
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

日向「私は彼らとは派閥が違うからね、運営からも遠ざかって海戦が出来ればいいみたいな猪侍とは違うんだ」 長門「私からすれば、あの人たちにも借りがあるし、前はその派閥で権限をある程度持ててたのですけどね」 日向「権威の失墜、か」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:42:53
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

長門「最初はビッグセブンと持て囃されてましたが、この通り背も小さく、戦闘では微妙な立ち位置でしたからね。実戦に出れる、だけど強い訳ではない、そんな扱いですので」 日向「……丁度上と下、どっちからも睨まれる位置になった、か」 長門「そういうことです」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:45:15
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

日向「……まぁ、君にも友達は残ってるんだろう?」 長門「ええ、六駆の人達が」 日向「なら笑われても笑わせておけばいい、友達を大切にすればいい、喩え小柄で電より背が低いからと駆逐艦と言うのなら、お前等ゴクツブシの戦艦よりはマシと言えばいいのさ」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:46:59
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

長門「……少し、気が楽になりました、ありがとうございます」 日向「どういたしまして」 暁「あれ、長門に日向じゃない、どうしたの?」 長門「あ、暁か……いや、ちょっと、ね」 暁「そう、遊戯場で電さん達がまたボードゲーム始めたから、呼ぼうと思ったのだけど」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:49:02
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

日向「ボードゲームか、何をやるのかな?」 暁「汝は人狼なりや、提督や不知火さんも一緒にやるみたいよ?」 長門「人狼、ああ、推理ゲームか……提督が参加となると、あの人無茶苦茶強いからな……いやでも、ジュースは出るのか?」 暁「当然、ケーキもあるわよ?」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:50:47
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

長門「誰が造った?」 暁「提督と不知火さんの二人で作った見たい、本当、レディって感じがしていいわね、あの人」 長門「味は問題なしか」 日向「行くのかい?」 長門「提督の造るお菓子は好きですから」 日向「奇遇だな、私もだよ」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:52:22
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

提督「つかれた」 不知火「疲れました」 叢雲「……二人ともケーキ少し気合い入れ過ぎじゃないの?ちょっとでかすぎよ」 黒潮「ウチも手伝ったんやで……」 大和「大和も頑張りました」 不知火「司令官、人狼できますか?」 提督「ああうん、大丈夫さ」 #九龍鎮守府

2014-07-14 13:55:30

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

区画内の射撃場で、私と不知火は射撃練習を行う。私の銃はHK・G3、昔からの付き合いの、7.62mm弾を使うモスグリーンの小銃だ。 私は構え、アイアンサイトで的の中央に向け狙いをつけ、引き金を引く。 乾いた音が鳴り、衝撃がストックから右肩に伝わった。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:36:50
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

中心から少し右にズレた所に弾丸が命中する。 続いて二発目、今度は上手く、中心に当たる。 三発、四発、五発。何度も狙い、そして撃つ。 そしてカートリッジ分の弾丸を撃ち終えると、不知火の方を見る。 彼女は拳銃で、的を撃っていた。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:40:46
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

右手に拳銃、左手にも拳銃、所謂二挺拳銃。 適当な構えで、左右にスライドする的を撃つ。 銃声が鳴るたびに的に着弾し、一発も外すことなく、不知火は自分が設定した射撃練習コースを終了させる。 「司令官、結果の確認お願いします」 私の方を向いて、彼女が言う。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:47:05
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

私は不知火の先にあるぶら下がった的を確認する。銃弾は全部、頭に当たっており、同じ場所に当て続けてたのか、拳銃弾が当たったにしては大きく感じるぐらいの穴が開いていた。 「どうでしたか?」 「ああ……凄いな、私より銃は得意かもしれない」 素直な感想を私は言う。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:49:27
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

その感想を聞くと、不知火は私に向かって笑顔を浮かべる。 「嬉しいです。拳銃の腕、あなたのために鍛えましたから」 楽しげに語る不知火。 私は彼女の所に戻り、そして練習場のベンチに戻る。 射撃練習が終わったら的の交換に妖精がやってくる。 「不思議な光景ですね」 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:52:33
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

妖精……正体不明の、小人サイズの鎮守府内の整備や配給を行う存在が的を交換する作業を見ながら、不知火は呟く。 「妖精、か」 「ええ、あの子達がこの鎮守府を、どんどんと成長させている。崩れそうな所があったら、治してる」 「足を向けて寝られないね」 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:55:08
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「不知火にとっては、あなたも同じぐらい感謝する存在ですけどね」 そう言いながら、私の左手に、不知火は自分の右手を絡めてくる。 私も手を絡め、ぎゅっと握り合う。 「ありがとう」 彼女は私に色々なものを与えてくれた、その感情を、不器用だけど私は伝える。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 03:58:07
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「どういたしまして、不知火にとって、あなたの、その言葉は嬉しいものです。なによりも」 不知火は私に、そっと体を預けてくる。 私はそれに応えるように、彼女を抱きしめる。 「司令官、あなたは幸せですか?」 不知火は、私に意地悪そうな笑みを浮かべる。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 04:01:07
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

『市民、私は降伏ですか?』という、パラノイアと呼ばれる頭の狂ったコンピュータに支配された街を題材にしたTRPGの、狂ったコンピュータの台詞のパロディだからだ。当然、不幸と言ったら殺される。 一見恐ろしい台詞だけど、私は意外と気に入ってた。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 04:03:06
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

何故ならそのコンピュータにとって、市民に喜ばれるのは幸せだから、不幸と言われると、自分がいままでした事が否定されて悲しいと感じてるのだと、自分の中で解釈してたからだ。 その手の話は不知火とはよく、一緒に話している、彼女もまた、TRPGが好きだ。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 04:04:35
白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「私は幸せ者さ」 そう、少し力強く不知火を抱きしめて答える。 「なら、不知火も幸せです、とても、とても……」 嬉しげに、不知火は私に語りかける。 そうしてベンチで抱き合いながらの二人だけの時間は、その後鈴谷に発見され茶菓されるまで続いたのであった。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 04:06:25

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白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

執務室にて、不知火と視界や各種の感覚を受信しながら、私は艤装を着こみ、森を進む不知火の指揮を行う。 <少し、艤装が重く感じますね> 不知火が雑多な情報が表示されてる自分の視界に文字列を表示させ、私に伝える。 #地獄鎮守府の日常

2014-07-15 14:13:26
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