秋本音楽事務所『安芸門徒楽団vol.1』全曲解説①

秋本音楽事務所 @akimotonari

本日、遂にアルバム『安芸門徒楽団Vol.1』(AMO-9894)リリース！10人中、絶対2~3人は気に入るはずの会心の一枚ですので、1,500円ですがよろしければ。 pic.twitter.com/dFlp6IzEX2

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さてわたくしがエンジニアを務めたAL「安芸門徒楽団vol.1」聞いて下さっていますか？これから思い出したように制作秘話をトラック毎に綴って行こうと思います。わけのわからない人はお好きにリムーブしてくださいね。

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①「AMOファンクラブ」 トラックダウンの時に、ほとんど津田さんは寝てたんだけど、この曲のミックスの時だけむくりと起き上がって真剣に確認してる姿が愛らしかった。トウサンが一言ファンクラブっていうアイディアも津田さんからでしたね。

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②「シャイニングスター☆き・ら・ら」 コンポーザーは久保さんですが、最初から「◯ガシカオみたいな曲を演ります」と言ってました。で、本人以外レコーディングの時までどんな曲をするのか知らず、スタジオでここは強く！ここは弱く！とか指示を出しながら録音。それで出来るんだからすげえやね。

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③「Good music good life」 この曲はベースが聞き所。なにせ、トウサンが唯一ベースを弾いている曲だからです。だいぶ後に入れた久保さんのアコギもいい味出てます。ドゲは広島にいる間は声が出なかったので、結局ボーカルは東京からデータをもらいました。

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④「不正疑惑」 サトシと社長によるコント。８月で惜しまれつつ閉店となるフリップミュージックでの録音。録音はこうへいさんで、編集はこうへいさんと僕です。現場にいなかったので、間のみを大事にして15分ぐらいでサトシ邸でサクッと編集。仕事柄、得意です。

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⑤「ダイナマイト」 他人を介してのレコーディングがほぼ初体験だったサトシ。自分の中の頭で鳴っているものを表現するのに適当な言葉が見当たらないらしく、言わないので正直どうしていいかわかりませんでした。だけど、この曲にインスパイアされてくみちゃんのクロワッサンが完成。影響を与える男。

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⑥「阿呆祭り」 社長のボーカルはフランジャーかけて本人の声をゆらゆらさせてます。デモからはくみちゃんのラッパとコーラスが増えてます。最初のあほあほは、飛脚をイメージしているので、ヘッドホンで聞くと左から右に走り抜ける仕様。最後の最後の一言は当然ドウゲンのアドリブです。俺じゃない！

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⑦「うぃーくえんど」 週末に辿り着くまでの怠惰さに入り交じる多幸感を三種三様の目線から歌った１曲。テーマは社会に対する反抗＝ロック的でもあり、素人音楽の回答にもなるのかも。こうへいさんに白眉。ホリケン並怪傑の爆発力。そして個人的にはサトシ、あの夜を歌にしてくれてありがとうね。

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⑧「隣の人」 タケウチの処女作にして初めてのパフォーマンス作品。このまま朗読で行くのか新たな表現方法を捜すのか。どうするんだろうね・・・。

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⑨「クロワッサン」 せっかくならくみちゃんも一曲書いてみようよ！で生まれた曲はレコーディング直前でボツとなり、映えある渾身の２曲目が誕生。みんななんだかレコーディングが進む度に「これいい曲だよね」と頷きあう不思議な展開に。うちの娘が「隣の人」を飛ばしてこの曲をリピートしたがる。

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⑩「I wanna be your Saturday night」 当初は衝動的だった一曲がドウゲンのギターで一気に洗練。しかしサトシの「パンクバンドの３枚目のような曲でありたい」という意志のもと、結局はトラックを削るという英断。この時のサトシはもうレコーディング慣れしていた。

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⑪「グラジオラス」 かなり最初の録音だったわけですが、実は久保さんの楽曲に触れたのはこの時がはじめて。やわらかくやさしく、しかしどこか狂気に満ち満ちた端々のフレーズにしばらくこの楽曲の虜になり、シビれました。アルバムを真面目に作ればいいものになるなと確信した１曲。モリソン真骨頂。

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⑫「女性問題」 こちらもフリップミュージックでの録音。こちらの方が長かったのですが最終的に④と同じ要領でコンパクトに。ちなみにですが、結婚の話題を社長にふれとサトシに指示したのはわたしです。

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⑬「女子好」 すべてが一発録りの録音。社長は完成形が頭の中に描けているので判断が早い。最後の「指がぷるっぷるになった」発言は、１人でビートルズ♪ヘルタースケルターのリンゴスター、最後の絶叫を思い出していました。その日の午前中、社長は草野球していて体力が限界だったそうな。

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⑭「グッドバイ」 続けることは辛く険しい。そう感じることもある。すべてを終わらせることは簡単だ。だけど精一杯後ろを振り向きながら前向いてやろうぜという人間賛歌。ドウゲンとはたくさん話もしたしいっぱい曲も知ってるけど、彼の歌詞世界の根っこはこの曲に凝縮されてるのではないだろうか。

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⑮「AMO音頭」 お祭り感を出すために幾重にも音を重ね作り上げたAMO流ウォール・オブ・サウンド。集大成にすべく録音も最後の最後に。録音が終わり、仮のラフミックスを作ろうと再生したらしばらく涙がとまらず作業中断。終わりが近づく最後のばか騒ぎが、どこか物悲しく聞こえはしないか？

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というわけで、これで「安芸門徒楽団Vol.1」すべての製作解説レビュー終了です。途中から大いに主観が入り混じってしまいましたが、あなたも一度聞いて読み返せば味わい深いものになるはずです。こんなものに必死になってたなんてと、好きなだけアホと言えばいい。その代わり、聞いてからな。