茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1298回「すき家とフェアトレード」

脳科学者・茂木健一郎さんの8月7日の連続ツイート。 本日は、牛丼にかける思い。
1
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1298回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、牛丼にかける思い。

2014-08-07 08:44:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

牛丼が好きだ! 最近は、ヨミドクターで連載中の「ダイエット企画」(一向に体重が減らないヴァージョン)もあるので、行く回数が少ないけれども、ひとりで街を歩いていて、牛丼屋さんがあると、ついふらふら入ってしまう。外国に旅行しての一番の不満は、牛丼屋さんが少ないことである。

2014-08-07 08:45:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

牛丼とのつき合いは長い。大学院生の頃は、根津交差点の吉野家にお世話になっていた(今でもあるはず)。思い出は、ある日の深夜。当時はコンビニもなく、お酒が買えなかったので、研究室の先輩と吉野家に行って、「ぼくたち真面目な学生なのですが、ビールを2本だけ売ってくれませんか」と頼んで、

2014-08-07 08:47:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

断られた。マジメな、立派な店員さんだった。牛丼は、日本が誇る文化。早い、やすい、うまい(だっけ? 順番わからない)。卵と、味噌汁と、おしんこもつけちゃうぞ! そんな牛丼が、店員さんの見事な働きぶりによって支えられているということは、みんなが知るところである。

2014-08-07 08:49:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

すき家が、深夜時間帯の勤務態勢を見直し、原則2人とすることにしたという。また、これに伴い、人件費が上がるから、並盛りで20円程度値上げするという。正しい判断だと思う。牛丼は安いのがありがたいが、だからと言って、現場で働く人たちにしわ寄せが行くことは、多くの人が望むことではない。

2014-08-07 08:51:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

「フェアトレード」という概念がある。私たちが手にする、たとえばコーヒーやバナナが、途上国のかたがたの過酷な労働や低い賃金に支えられているとしたら、そのような状態は望ましくない。むしろ、適切な労働環境や、十分な賃金を確保した上で、適正価格でこれらのものを消費したい。

2014-08-07 08:52:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

「フェアトレード」のマークがついた商品も見かけるようになったが、そのために必要なのは、「可視化」である。目の前のコーヒーが、途上国の過酷な労働に支えられているとしても、それが見えなければ気付かない。可視化されることで、初めて、世論が動き、運動の機運が高まっていく。

2014-08-07 08:53:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

身近な牛丼だが、それが働く人たちの過酷な労働で支えられているということを、社会の側が十分に知らなかった。似たような状況は、至るところにあるだろう。フェアな社会システムをみんなで工夫するためには「可視化」のプロセスが、どうしても必要である。

2014-08-07 08:54:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

牛丼は、まだ、多くの人が体感できる範囲だったからよかった。社会のさまざまな場所で、外部経済性を無視して単純なる効率を追求することによるひずみは蓄積していることだろう。すき家のケースは、おそらく「氷山の一角」に過ぎない。これを機会に、フェアトレードの概念を国内でも適用したい。

2014-08-07 08:56:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1298回「すき家とフェアトレード」のテーマで、8つのツイートをお届けしました。

2014-08-07 08:58:40