零戦と携帯電話

大戦中の無線機器についてのお話 零戦、九六式艦戦…この辺のワードにビビっとくる方、最近多いんじゃないかなーと思ってまとめました。(私もです)
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チハ(バトタン公式) @type97chihakai

…┃‥)  この写真は、いまも動作する大戦中に使用された電探(レーダー)の指示装置の画面です。 pic.twitter.com/GYNwVQbUCr

2014-08-09 12:05:01
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チハ(バトタン公式) @type97chihakai

…┃‥)  というのはウソです。 正体はこれです。 古い真空管式のレシーバーとパノラマミックアダプタです。 pic.twitter.com/RKRdnUVPIF

2014-08-09 12:06:25
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チハ(バトタン公式) @type97chihakai

…┃‥)  1948~49年アメリカ製ですから、ざっと60年以上は経ている受信装置ということになります。 パノラマミックアダプタとは、電波をブラウン管を通じて目で見られるようした装置です。 アメリカは戦後すぐにこんな民生品が大量に出回っていました。

2014-08-09 12:07:00
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

…┃‥)  中身はこんな感じです。 真空管を交換したときの様子です。 半世紀以上を経た通信型受信機であるのにシャシーは腐食していません。 スカスカに見えますが、他のパーツはシャシーの裏にびっしりとあります。 pic.twitter.com/rQBzNq04cE

2014-08-09 12:07:43
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チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話1 …┃‥) 日本軍の無線機、とくに海軍戦闘機用の機上電話の話になると、「雑音ばかりで役に立たなかった」と、この話ばかりがでます。 主に、零戦に搭載されたことで有名な『九六式空一号無線電話機』は不評ですね。

2014-08-09 12:08:54
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話2 …┃‥)  その雑音ばかりの理由として、以下がよく語られます。 「発動機の点火具から発生する信号の遮断が出来ていなかった」 つまりプラグからのスパークノイズをブロックできていなかったという話です。 あとは、「接地(アース)の取り方がまずかった」とかですね。

2014-08-09 12:09:21
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話3 …┃‥)  でも陸攻(『りっこう』海軍の大型爆撃機)は無線機が雑音で役に立たないなどの話はあまりでてきません。※交換部品がない、気象条件が悪いなどは別。 「爆撃機は大きい性能の良い無線機を搭載している」「エンジンから距離があるので影響を受けない」 一理あります。

2014-08-09 12:09:55
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話4 …┃‥)  では陸軍の航空無線はどうでしょう。 陸軍の無線機、主に戦闘機用の小型のものも雑音が多く、使用に困難をきたしたとあります。 ですが、隼に搭載されていた『九六式飛三号無線機』は立派に通信が可能で、無線による編隊戦闘をしていたという記録があります。

2014-08-09 12:10:20
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話5 …┃‥)  陸軍の無線機も、戦闘で発動機を思いっきり回すと雑音が酷くなりました。 プラグのスパーク回数が多くなったからですね。 それでも一応は使えたとの評価です。 この陸軍の航空無線も海軍の空中電話も共に、『九六式』です。

2014-08-09 12:10:51
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話6 …┃‥)  同じ時期に正式採用された二つの無線機、どちらかというと海軍の方が評価は悪いです。 そして両方の受信機とも真空管はメタルシールドされています。 ちいさな金属のチューブを真空管にかぶせて、回路からの電気的な障害から守る作りです。

2014-08-09 12:11:21
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話7 …┃‥)  ちゃんとやることはやっているのに、海軍の『九六式空一号無線電話機』の評判の悪さは何に起因するのか。 その答えは、「受信回路」に原因があります。あと、重量もくせ者です。

2014-08-09 12:11:47
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話8 …┃‥)  九六式空一号無線電話機の構成をみると、受信方式は『再生検波式』とあります。 この時代、軍用無線の受信方式はスーパーヘテロダインが主流になりつつあります。 『九六式空一号無線電話機』もスーパーヘテロダインは同じですが、併せて再生検波も使用しています。

2014-08-09 12:12:24
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話9 …┃‥)  再生検波回路とは、簡単に言うと一つの回路を使い回して感度と利得を高める仕組みです。 利点は部品点数が少なくなること。そして高性能を狙えます。 ですが良いとこばかりではありません。 高感度を狙うと調整がもの凄く難しくなります。

2014-08-09 12:12:51
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話10 …┃‥)  再生回路でも民製ラジオくらいの感度なら問題ありませんが、軍用受信機として高性能を得ようとすると自分自身が発信してしまう回路でもあります。 つまり受信機が送信機のように信号を発信して、受信を妨害してしまうのです。

2014-08-09 12:13:10
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話11 …┃‥)  再生回路は少ない部品数で高性能を得られるので使われた方式ですが、軍用ではその調整の難しさから1930年代の半ばからはその数を減らします。 軍隊の行動範囲はぐっと広くなり、遠距離通信の必要が増してきたので、再生回路の利点はなくなってしまったのです。

2014-08-09 12:14:57
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話12 …┃‥)  それでも『九六式空一号無線電話機』に再生検波方式が使われた理由、それは部品点数の少なさからくる重量の軽さだと思われます。

2014-08-09 12:15:19
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話13 …┃‥)  九六式無線電話機は送受信併せて本体は18kgしかありません。 あとは操作板と発電機(ダイナモ)だけです。 軍用無線機の資料を見るとほとんど重量は記載されていませんが、それでも一般的な航空機無線と比べて約半分から2/3の重量に収めています。

2014-08-09 12:17:14
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話14 …┃‥)  九六式、つまり1936年採用ですから零戦というよりも九六式艦上戦闘機に搭載できるように設計された無線機といったほうがいいです。 そして九六式艦上戦闘機の発動機は中島製寿発動機 空冷星形九気筒で出力は460馬力です。

2014-08-09 12:17:32
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話15 …┃‥)  寿発動機の原型となったのは、世界的なベストセラーであるブリストル製のジュピターエンジンで、そのライセンスです。 この広く使われた星形エンジンで高性能の単座戦闘機を作ろうとして結実したのが九六式艦上戦闘機です。

2014-08-09 12:18:05
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話16 …┃‥)  設計を担当した堀越技師は、「零戦よりも頑張った」と述懐しています。 頑張ったとは、速度と運動性、重量軽減からくる航続性能です。 同じような欧州の戦闘機と比べて、九六式艦戦は速度で100km/h近くは上で、航続距離で倍かそれ以上でした。

2014-08-09 12:19:06
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話17 …┃‥)  1930年代の欧州戦闘機は航続距離が400km~600km前後が多く、前線の基地から国境を越えて隣接する都市に行けたら良いくらいだったので、航続距離はそれほど重要ではないです。

2014-08-09 12:20:22
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話18 …┃‥)  九六式艦戦の性能を達成するには徹底した軽量化をしなければならず、無線機の重量もとうぜん制限を受けます。そして航続距離の延長とともに交信距離も求められます。

2014-08-09 12:20:57
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話19 …┃‥)  同じ年に採用された陸軍と海軍、二台の無線機。 陸軍は一般的な受信機、海軍は再生式受信機。 この様式の違いは海上飛行の有無であったと思われます。 重量軽減と交信距離の増大、この相反する要求に応えるための再生回路でした。

2014-08-09 12:21:34
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話20 …┃‥)  海軍の『九六式空一号無線電話機』の設計は日本無線。 いまも日本を代表する無線機メーカーで、主に公官庁や船舶、自衛隊の主要無線装置、そしてデジタル通信の主要部分を広く作っています。

2014-08-09 12:25:09
チハ(バトタン公式) @type97chihakai

零戦と携帯電話21 …┃‥)  陸軍の『九六式飛三号無線機』は日本電気製、現在のNECですね。 NECは携帯の基地局や中継システムを作り上げた主要メーカーの一つでもあります。

2014-08-09 12:25:27
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コメント

nekosencho @Neko_Sencho 2014年8月9日
そういや零戦の通信機はアースの取り方が間違っていて、直したら快適に動作したって話をどこかで読んだんだけど、真偽のほどはどうなんだろう?
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深井龍一郎 @rfukai 2014年8月9日
日本電気は通信分野ではどちらかというと基幹系を主に担うメーカで、端末は作りはするけど可もなく不可もなくという印象。海軍の無理な要求をひーこら言ってなんとかクリアしたんだろうなぁ。
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