ミシェル・レリス『幻のアフリカ』記

@neko_tubuyakiさんのツイートと日記( https://twitter.com/neko_tubuyaki/status/499149099648548864 )に狂喜して、自分が2011年の9月から11月にかけてミシェル・レリス『幻のアフリカ』(平凡社ライブラリー、2010)を読みながらしていた引用ツイートをまとめてみました。 1934年刊行の『幻のアフリカ』がどういう本なのかは、平凡社さんの(以下のまとめでも何度かリンクを貼っている)このブログ記事が軽快な紹介になっていると思います。 http://heibonshatoday.blogspot.jp/2010/07/79.html
0
do_dling @do_dling

《私の冒険生活は、一つの新しい世界を私の前に開いてくれる代りに、以前の世界を私のうちに甦らせ、一方では、私の希求していた世界は私の指のあいだで崩れかけていた。》II,p355

2011-09-22 01:47:20
do_dling @do_dling

レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』(中公クラシックス、2冊)を読み終えた。だいたい1ヶ月かかって、毎日面白かった。読んでみるものだと思った。いやほんと。

2011-09-22 01:48:07
do_dling @do_dling

《生きられる社会を作るという一つの仕事にしか人間の努力が向けられていなかったとすれば、遠い祖先を動かした力は、われわれのうちにも相変わらず存在している。何も手は打たれていず、われわれには、すべてをまた始めることが可能だ。◇

2011-09-22 01:49:14
do_dling @do_dling

◇かつて為されたがうまく行かなかったものは遣り直すことができる。》II,p387 こーゆー引用だけから想像されるものと、実物はだいぶちがうっす。繊細になるほど骨太にもなっていくこの人の文章、140字じゃどこも抜き出せないなーと思いながらページの端を折ってた。

2011-09-22 01:50:22
murashit @murashit

@do_dling 本人の逡巡とかも屈折みたいなものが見え隠れしつつも、それに負けずに描写も続いていく、あの緊張感がたまらないですよね

2011-09-22 01:53:02
do_dling @do_dling

@murashit まさにそんな感じでした。まわりを見ながら進行形で内省が進んでいくような「生」な触感と、それなのに実際の調査と執筆のあいだの20年近い開きとか、なんだろうこの人、と思わされっぱなしでした。

2011-09-22 02:02:20
do_dling @do_dling

…んじゃ明日からの電車本はミシェル・レリス『幻のアフリカ』(平凡社ライブラリー)ね。何が「んじゃ」か。 参考→ http://ow.ly/6AQuF

2011-09-22 02:04:21
do_dling @do_dling

あらためて読みはじめた『幻のアフリカ』は、1931年、セネガルあたりからアフリカ大陸を横断しようとした民俗学者の調査団に「書記兼文書係」として加わったミシェル・レリスの、1年9ヶ月におよぶ日記だと最初に紹介されていた。

2011-09-23 03:14:50
do_dling @do_dling

とりあえず厚いんだけど、なにせ個人的な日記だからそんなに読みにくくない感じ。(個人的すぎるじゃねえか!という理由で、出版後、調査団のリーダーからきつくダメ出し) 《五月二十五日 たしかに熱帯の気候。はじめて、得意になって半ズボンをはく。》p39

2011-09-23 03:16:38
do_dling @do_dling

【幻のアフリカ】《十時五十分、洞窟ではなく、庇の突き出た大きな岩に着く。人が手を加えた跡はまったくなし。線画もなし。自然の珍しさもなし。要するに、何であれわざわざ出かけてきた甲斐があるものは何もない。みんな怒る。》(p103) みんな怒る。

2011-09-24 02:17:34
do_dling @do_dling

白人に使われている黒人は、仲間に対して白人よりもさらにきつく、その中には、屠殺場で、屠殺者の刃に向かって仲間を連れてゆくように仕込まれているので、《ユダ》と呼ばれている羊にも比すべき連中が沢山いる。》(p110) 前半はわりとよく聞く話だけど、後半はしらなかったぞ。

2011-09-24 02:18:52
do_dling @do_dling

しばらく放置していた『幻のアフリカ』( ow.ly/71mPo )をまた読みはじめた。やたら厚いが、要は日記なので、どこまでも読める。物珍しい人物と事物が次々出てくるアフリカが舞台だとか、書き手が元シュルレアリスムの詩人だとかは、二義的な要素じゃないかな。

2011-10-20 02:39:07
murashit @murashit

『幻のアフリカ』を読んでいるのだけど、広く公開されるべき記録、民族誌であることが定められているにもかかわらずきわめて私的な日記でもあるって、これつまりブログじゃんねえ。

2011-10-09 22:56:11
do_dling @do_dling

いまRTしたmurashitさんの感想は卓見だと思う。まだ966ページ中の200ページ弱だけど、赤の他人のウェブ日記をえんえん読み続けて倦むことを知らなかったすべてのかたにおすすめ。(この範囲設定がどれくらい狭いor広いのか不明だ)

2011-10-20 02:40:20
do_dling @do_dling

同時にグリオールは、リュタンを車へやって、出発の用意をさせ、コノをくるむため(女も非割礼者も、コノを見ると死ぬと言われていて、見てはならないのだ)の大きい布と、雨が降り出したから、自分のと、僕のと、レインコートを二着持たせて、マカンをすぐよこすように手配する。》p156

2011-10-20 02:40:55
do_dling @do_dling

グリグリを売りにきた男にひどく腹を立てる。それを使うときに唱えなくてはならぬ呪文がどういうものか訊ねると、呪文の一つをノートに記すために繰り返させるたびに違う文句を言い、訳す段になると、またまた新しい文句を言うのだ……。》p179

2011-10-20 02:41:13
do_dling @do_dling

仮面結社長の、秘密言語での大演説。みな腰を下ろす。僕も同様にする。話はとても長く、さまざまな鈴の音があいだに入る。人々は歌い、また叫びをあげ、それから村へ戻る。そして、広場に置かれた《勇者の石》、ここの言葉でアナカゼ・ドゥマンのまわりで、踊りがまた始まる。》p186

2011-10-20 02:41:26
do_dling @do_dling

「引用の前に書いたことと、引用した部分がマッチしないんじゃないか」と思われるかもしれないが、それは表面的な見方だと思うんだ…

2011-10-20 02:42:09
トモサダ @tadanoomosa

@do_dling こんばんは。そこの箇所、ちょうど一昨日、保坂和志の引用で読みました!

2011-10-20 02:48:58
do_dling @do_dling

@tadanoomosa こんばんは。私も保坂さんの引用でその部分を読んで、この本読みたいと思ったのでした。

2011-10-20 02:50:36
トモサダ @tadanoomosa

@do_dling やはり! さらに読みたくなってきました。

2011-10-20 03:00:01
do_dling @do_dling

@tadanoomosa 重いですが、鞄に入れておけば「いつ、どれだけ長く電車が止まってもおれは大丈夫だ」という気持になれます。

2011-10-20 03:02:36

保坂和志さんが『幻のアフリカ』について書いているのは、『小説、世界の奏でる音楽』(2008)の第3章「グリグリを売りに来た男の呪文」。
わたしがこれを読んだ当時『幻のアフリカ』は入手困難で、それこそ幻の『幻のアフリカ』だったわけですが、いまでは平凡社ライブラリー版を、もう幻ではない物体、1068ページ・700gの紙の束として持ち歩き、電車の中でも読めるのである。よかったよかった。
(『小説、世界の奏でる音楽』は、『小説の自由』『小説の誕生』に続く保坂さんの小説論第3弾で、ミシェル・レリスやレーモン・ルーセルを面白いと思う人にはきっと面白いはず)

1 ・・ 5 次へ