茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1302回【すき家とマクロ経済】連続ツイート
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昨日、フジテレビで『ワイドナショー』の収録があった。その中で、「すき家」の労働問題が取り上げられた(今週の日曜日にオンエア。ネタが変わる可能性はあるけど、すき家の問題はきっと残ると思うので、書いてしまう)。深夜にひとりで勤務するなど、過酷な条件が問題になっている。
2014-08-13 09:04:10「ブラック企業」の問題は、深刻だと思う。人が人として壊れてしまうような労働条件は、是正されるべきだ。一方で、なぜそのような経営慣行が後を絶たないのかと言えば、経済のマクロな状況が影響を与えている。「デフレ」状況の下で、コストダウンの圧力が企業にかかっている。
2014-08-13 09:05:30今年の4月から6月のGDPの速報値が発表され、年率にして6.8%の落ち込みとなった。4月1日からの消費税上げの影響があるとしても、落ち込み幅が大きい。日本経済が、依然として力強い成長軌道に乗っているとは言えない状況が、この数値から伝わってくる。
2014-08-13 09:07:18「すき家」は、深夜の一人勤務制を改めると報道されている。そのことによって、牛丼が20円程度値上がりするという。この20円のコストダウンをするために、過酷な労働条件があったとすれば、そのような経営は、経済のマクロ状況と無関係ではないだろう。
2014-08-13 09:08:40経済成長は、さまざまな問題を解決する特効薬になる。「貧すれば鈍す」というが、経済が停滞することで、さまざまな分野にしわ寄せがくる。日本の最大の課題は、経済の成長戦略であり、そのためには、拙著『新しい日本の愛し方』(新潮社)でも論じたような、マインドセットの改革が必要だと思う。
2014-08-13 09:10:25日本のマインドセットの課題は、「偶有性忌避症候群」にかかっていることである。偏差値入試も、新卒一括採用も、すべてつながっている。インターネットとグローバル化の経済においては、偶有性を忌避せず、むしろ偶有性をうまく活かしたシステムを設計することで、力強い成長軌道に乗ることができる。
2014-08-13 09:11:41隕石はとっくの昔に落ちているはずなのだが、古い体制は、うすぼんやりと残っている。今後の日本を力強い成長軌道に導いてくれるのは、そのうすぼんやりとした古い体制ではなく、偶有性のブルーオーシャンの中に飛び込む勇気である。それなしに、デフレも、労働問題も解決はしない。
2014-08-13 09:13:07「すき家」のような問題が出てくる度に、そこだけがクローズアップされるが、もっと経済のマクロな状況を考えた方が良い。すべてはつながっている。中長期的に見れば、偏差値入試や新卒一括採用などの、うすぼんやりとした古い体制は持続不可能。これはほとんど論理的な結論である。時間の問題なのだ。
2014-08-13 09:14:36