ショットガンくんの歴史

9
試作止まり @Mitsuteru_M

「第1次大戦の対独戦でアメリカはショットガンを使わなかったが、第二次大戦の対日戦では使用した、これは日本人を黄色い猿と捉えた人種差別の表れによる」という旨のツイートを見かけまして、ちょっとね…

2014-08-14 22:07:19
試作止まり @Mitsuteru_M

ひどいのは、アメリカがドイツに原爆を使わずに日本に使ったのも、それを理由に人種差別が背景にあると結論づけてて、どこから突っ込もうかと

2014-08-14 22:07:51
紳士なヤマさん @yamasanyobi2

@Mitsuteru_M ドイツ側によって赤十字を通じて抗議はされましたが、終戦まで主力兵器として使われたのは確かなのに。

2014-08-14 22:14:26
試作止まり @Mitsuteru_M

一介の銃器オタクとしては、アメリカがなんで日本に原爆落したのかなんてどうでもいいんだけど、「第1次大戦の対独戦でアメリカはショットガンを使わなかったが、第二次大戦の対日戦では使用した、これは日本人を黄色い猿と捉えたからだ」って言うのは明確に間違いなので

2014-08-14 22:08:39
紫弩中佐 @Commander_cyd

@Mitsuteru_M 寝ぼけた事を云ってる輩もいるものですねぇ(^^; 米軍が太平洋戦線で使用したショットガンは、第一大戦の塹壕戦で使用した物がそのまま使われていたのにw twitpic.com/57tdkc

2014-08-14 22:27:37
拡大
試作止まり @Mitsuteru_M

そもそも、アメリカは第1次大戦の欧州における塹壕戦でショットガンを使用している。ウィンチェスターM1897散弾銃に、わざわざ銃剣を取り付けたり、ソウドオフしたりピストルグリップに付け替えたりして近接戦に特化させ、「トレンチガン(塹壕銃)」の異名で呼んだのはよく知られた話

2014-08-14 22:09:26
試作止まり @Mitsuteru_M

で、第二次大戦において、アメリカ軍が欧州戦線よりも太平洋戦線でショットガンを多用したのは、市街地や平原での戦闘が主な欧州戦線と違い、太平洋戦線の主戦場がジャングルであったのが大きい。後のベトナム戦争でも、アメリカ兵はショットガンを好んで使用してる。

2014-08-14 22:10:42
試作止まり @Mitsuteru_M

とはいっても、アメリカ軍が太平洋戦線でショットガンを使ったのは、後方の基地警備や主で、近接戦では主にサブマシンガンが多用されたのだけども。

2014-08-14 22:11:05
試作止まり @Mitsuteru_M

本来狩猟用であるショットガンの対人使用に違和感を感じるのは間違いではないけど、ショットガンが対人で使用されるのは、歴史的に見てもかなり古くから行われている。

2014-08-14 22:11:45
試作止まり @Mitsuteru_M

ショットガンの誕生は狩猟用としてのもので、17世紀に鳥撃ち用にイギリスで作られたマスケット「ファウリングピースfowling pieces(fowling=野鳥狩り)」がその原型とされる

2014-08-14 22:12:22
試作止まり @Mitsuteru_M

ファウリングピースは、複数の弾丸を同時発射し、長射程にすべくブラウンベスなどの従来のマスケットよりも全長が10~20cm長くなっていた

2014-08-14 22:12:41
試作止まり @Mitsuteru_M

対人でのショットガンの使用は、17世紀後半に入ってからで、このファウリングピースが狩猟用途を離れ、騎兵用に銃身とストックを切り詰められ「ブランダーバス」カービンとして再登場したのが最初。銃口は漏斗状に広がっていて、その形状からラッパ銃とも呼称された。

2014-08-14 22:13:25
試作止まり @Mitsuteru_M

騎兵だけじゃなくて、当時が大航海時代真っ盛りだったこともあって、船内の反乱を鎮圧する為に水兵が活用したり、海賊が他船襲撃に用いたりもした。また、18世紀に入ってからは、1788年に英国郵政省が郵便馬車の乗務員の自衛用として、ブランダーバスを採用してる。

2014-08-14 22:14:06
試作止まり @Mitsuteru_M

アメリカ独立戦争においては、練度の低い植民地軍兵士たちが、ペンシルバニアライフルなどのマスケットに、1発のマスケットボール(単発弾)と6発のバックショット(鹿撃ち用散弾)の計7発を込めて使用したとされる。

2014-08-14 22:15:12
試作止まり @Mitsuteru_M

西部開拓期のアメリカでは、駅馬車や列車襲撃、銀行強盗にショットガンが多用された。身近に凶暴な大型動物が多く生息している荒野では、ショットガンは身を護るための生活必需品で、コンビニ強盗が店員を脅すために包丁を使用するのと同じく、身近なショットガンが犯罪に常用された。

2014-08-14 22:16:02
試作止まり @Mitsuteru_M

そして、現金輸送の護衛や町の保安官たちも、犯罪者に対抗するためにショットガンを使うようになった。それ以来、アメリカの警察ではショットガンは伝統的な装備の1つとして存在していて、現代でもパトカーに1挺は必ず搭載されている。

2014-08-14 22:16:40
試作止まり @Mitsuteru_M

対して、ヨーロッパでは、ショットガンは狩猟用であるという認識が強い。伝統的にヨーロッパは狩猟用ショットガンの生産地だし(イタリアとか)、狩猟用ダブルバレル銃の発祥の地は現在のドイツやオーストリアだし。

2014-08-14 22:17:19
試作止まり @Mitsuteru_M

前述のとおり、ショットガンの対人使用はヨーロッパが最初ではあるんだけども、ヨーロッパでは狩猟は貴族による嗜みの一つであり高貴なスポーツであるという認識があり、狩猟で使う散弾銃で人を撃つのは、野蛮であるという考えは根強い。

2014-08-14 22:18:23
試作止まり @Mitsuteru_M

ヨーロッパ(特に中西部)の警察で散弾銃が使われるようになるのは、各地でテロが頻発していた1970年代に入ってからで、それでも近接戦用に使用されたのはサブマシンガンであり、散弾銃は対人用ではなくドアや強化ガラスの破壊用機材という扱い

2014-08-14 22:19:17
試作止まり @Mitsuteru_M

しかも配備先は基本的に特殊部隊が中心で、一般警官の手に散弾銃が配備されることはまずなかった。フランス警察では、一般警官にも散弾銃を装備させるようになったのは、2010年代になってからだし

2014-08-14 22:19:35
試作止まり @Mitsuteru_M

元の話からだいぶ逸れてきたけど、散弾銃を対人使用するのは昔から行われていたし、特にアメリカではそれが一般的で、散弾銃の持つ強烈なストッピングパワーは、近距離の対人戦においても有効であるという考えが広く共有されている

2014-08-14 22:20:24
試作止まり @Mitsuteru_M

アメリカ人的には、見通しが悪く近接戦になりやすいジャングルで、勇猛果敢に突っ込んでくる敵に対してショットガンをぶっ放すのは、さも当然の発想であると思う。決して人種差別によるものではない。

2014-08-14 22:21:21
てつま 戦争反対 ∃しとう まとめお断り @godspeedtetsuma

@Mitsuteru_M 最近は犯罪者の重武装化に伴って、ショットガンからM16系に切り替わっているという記事を専門誌で読みました。

2014-08-14 22:23:18