『未来型サバイバル音楽論/津田 大介,牧村憲一』読了後のつぶやき
『未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか (中公新書ラクレ)/津田 大介,牧村憲一』読了。80年代から10年代今日までの音楽ビジネスの変遷を語る。まつきあゆむ氏やDOMMUNEなどの活動を知る人には新しさはないが、今後の運動の起点になり得ると思う。
2010-11-19 21:34:59新しさや奇抜な発想はないのだけど、これまでの流れを再確認することで見えてくるものはあるのだろうと思う。80年代の話にはあまり食指が動かなかったが、00年代からの流れは意外と忘れられていて、ナップスターとその周辺のムーブメントが歴史になりかけていることに気付いた。
2010-11-19 21:43:37本文で著者の津田さんも言っているけど、「一人レーベル」という単語を掲げたのは、それを立ち上げることを勧めているのではなくて、単純化すると、一人「でも」できるよという、何か活動することの勧め。それと同時に、津田さんの意図は知らないけど、これはゲリラ戦の勧めなのだろうと思った。
2010-11-19 21:49:15そのうち、著作権法と販売上の課題は、前者は知ることが重要だと、後者は、土壌が整いつつあってかつ発展途上なので、議論と活動の必要があると言うにとどめて良いかと考えた。そう考えると、レコード会社(を始めとする緒環境)の問題や弊害の解決に向けた活動が必要だろうかと考えた。
2010-11-19 22:08:21ちなみに、特別レコード会社の内情について詳しくもなければ、これまで注視してきた訳でもないので、あくまで感想として。それから、「音楽ビジネス」は、「音楽で金を稼ごう」というのではなく、「音楽享受の一連の運動を豊かにするための一連の活動」という意味として使っています。
2010-11-19 22:15:32そこで考えたのは、レコード会社を始めとする緒環境によって音楽の享受が貧しくなる原因は、緒環境と製作者の不和、緒環境によって製作者が管理される状況ではないかということ。
2010-11-19 22:23:29管理から脱する方法として、より強い力をと考えるのは普通の流れだと思うけど、詳しくは知らないが、それはうまくいかなかったのだと思う。一人のアーティストが力を持ったとしてそれが上手く正しく活用されることはあまり期待できないし、力を集結しようという方法には、啓発に多大な労力が要る。
2010-11-19 22:28:16そこで考えられる上策こそが、ゲリラ戦なのだと思う。そしてその方法が、「1人1レーベル」と、その勧めとしての「せっかく土壌が整いつつあるのに」という働きかけなのだと思う。
2010-11-19 22:32:44ゲリラ戦によって成し得るのは環境の変化なので,その運動に対して応える他の運動が必要だと思う.それを行なうのは例えば,ゲリラ戦を展開・応援する若者だったり,ゲリラ戦を支援・協力する大人だったり,将来を担う子供たちの教育だったりする.
2010-11-19 22:59:46ひとつ本書でほうと思ったのは,津田さんや牧村さんの年代の人は,物心がついたときから音楽を再生する環境があった訳ではないという話.自身もそうであったわけではないけど,これはあまり考えたことがなかった.今の子供たちは4,800円でiPod Shuffleを買うことができる.
2010-11-19 23:02:05更に,音楽の情報を探すためにiPod touchを買うという選択肢もあれば,トランセンドの2000円ちょっとのMP3プレイヤーでも再生機器は再生機器だから,恵まれている.
2010-11-19 23:06:21しかし逆に,僕らの世代に関しても,世の中の音楽再生事情が恵まれた状況になったことで,音楽はステータスとしての役割を失なったし,音楽は高いという意識になってきたんじゃないかと思う.贅沢品に逆戻り.
2010-11-19 23:13:23「高いから」と言って音楽に興味を持たない人や,そういった人へ向けていそいそと音楽を生成してきた企業たちは,この場から降りればよい,という風に考えて,いわゆる音楽好きたちだけのための場作りの方策としてゲリラ戦を決行するという流れもあると思う.
2010-11-19 23:19:13ただ,「音楽好き」という群が何であるか定義するのは難しいし,そのまま行なう運動にはあまり期待できないので,やはり土壌が整いつつあるこの状況に期待するという側面が大きい.
2010-11-19 23:21:27そして,そういった環境の恵まれた状況への変化を,ゲリラ戦の先の未来に繋げるために,教育をする必要があると思う.例えば,子供にiPodを買い与えるなら,iTunes cardも一緒に買い与えて,どう使うのかを教えるという風に.
2010-11-19 23:25:50それから,教育するために必要な知識と教養を身につけることも当然必要になってくる.その方法として,著作権を学ぶという方法がある.まだ多少触れてみた程度だけど,芸術の歴史を知った人たちも加わって議論されたものだろうから,その成立背景を学ぶのは無駄ではないだろうと思う.
2010-11-19 23:28:52本書を読んでいて気になったのは,最近のこういう言説にしてもそうだけど,しきりにCDが売れた時代と比較すること.もちろん,いい比較対象なのだろうけど,音楽の歴史と本質を含めて,今後のことを話していくこともせねばなあと.
2010-11-19 23:35:24「ある場合にはベートーヴェンの響くかたわらで,強盗事件を報ずる新聞の社会面を読み,セレナードを耳にしながら夫婦喧嘩をするような風景」(『音楽の基礎 (岩波新書)/芥川 也寸志』198ページ)が生じる世界になっていることを認識することは,とても重要だと思う.
2010-11-19 23:39:08と言ったところで読了後の連投おしまい.普段に比べてはるかに投稿数が多いのに,なんと奇跡的に今回は一人もフォロワーが減りませんでした.すごい.
2010-11-19 23:45:48@tamakiii 音楽の配布が簡単にできるようになって、コストがほとんどかからなくなった。いくらでもコピーできてしまう今、それを規制するよりも、ほぼ無料で配布して、ライブのような経験に対価を払ってもらったほうが、ユーザもアーティストもWinWinになれる気がする。
2010-11-19 23:53:13. @takuya0301 僕もそう思います.でも,その価格は今の1曲200円程度という価格がいいと個人的に思っています.CDを販売したときの収入を基本に考えるのではなく,1曲200円を基本に実収を考えるというのが時代の趨勢かなあと.
2010-11-20 00:04:11これ重要な指摘。 RT @tamakiii: ひとつ本書でほうと思ったのは,津田さんや牧村さんの年代の人は,物心がついたときから音楽を再生する環境があった訳ではないという話.今の子供たちは4,800円でiPod Shuffleを買うことができる.
2010-11-20 00:04:00