バック・イン・ブラック #5

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

おお、見よ!赤黒のニンジャの足元を!汚水に混じった彼の血が、脚を、身体を伝い、額へ這い戻ってゆく!煮えたぎる血は額の傷をかりそめに塞ぎ、ニンジャ頭巾と溶け合った!何たる不気味光景!(((バカな!)))そしてニンジャスレイヤーのニューロンに最初に届いたのは、怒りと狼狽の叫びだ!62

2014-08-18 23:27:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

それは暗黒の7日間と比すれば随分と遠くから響く怒声であった。(((かような……真似を!誰がかような……許可し……か!フジ……おの、れフジキド……必ずや後悔……悔、フジキド!キド許さぬ、オヌシ、許さぬ……)))「Wasshoi!」ニンジャスレイヤーは叫び、垂直に高く跳んだ! 63

2014-08-18 23:31:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドミナントの目がギラリと輝いた。ニンジャスレイヤーが地盤を砕いて下へ落下した後も、彼のニンジャ聴力はその位置を捉え続けていた。ウカツに追ってゆけばつまらぬ奇策に足元を掬われる事にもなる。彼はむしろこの瞬間を予期し、待ち構えていたのだ!両手中指の輪を支点にエメイシが高速回転! 64

2014-08-18 23:35:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」カラテ・シャウトと共に瓦礫が破砕!間欠泉めいた勢いで空中へ跳び出した赤黒のニンジャめがけ、ドミナントはすぐさま攻撃を仕掛けた!「イヤーッ!」夜の闇に青い蛍光風車じみたエメイシの軌跡が閃き、ニンジャスレイヤーに襲いかかる! 65

2014-08-18 23:39:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」左右から襲いかかるエメイシを両手で捌きながら、ニンジャスレイヤーはドミナントとともに着地!ワン・インチ戦に雪崩れ込む!「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」66

2014-08-18 23:42:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイエエエエ!」近道を狙って運悪くこの裏路地に走りこんできたタクシーがこのイクサを目の当たりにして急ハンドルを切り、ドリフトしながら、頭上を走るハイウェイを支える高架の支柱に衝突、爆発炎上した。炎の逆光となった二人のニンジャは打ち合いながら走りだす! 67

2014-08-18 23:44:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((フジキド!貴様……飼い犬が儂の手を噛もうなどと……!許さぬぞ!今すぐに!)))ドミナントと並走しながら激しいチョップ突きを繰り出すニンジャスレイヤーのニューロンは、ナラク・ニンジャの怒声を響かせ続けていた。(((今すぐに再び明け渡せ!儂の身体ぞ!)))(黙れナラク!)68

2014-08-18 23:47:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ドミナントはエメイシの手を休めぬ。エンハンス・ジツによって青の光を帯びたエメイシは強力な武器。打撃力においてもリーチにおいてもドミナントがニンジャスレイヤーの上をゆく。69

2014-08-18 23:52:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが……ドミナントは正体不明の畏怖を覚える……だが、なんだ、この圧力は?何故この者はいまだこれ程に動けるか?額を穿った一撃、出血をいかにして止めた?油断ならぬ敵!「イヤーッ!」ドミナントは側転!「イヤーッ!」バックフリップ!「イヤーッ!」両手エメイシを同時投擲! 70

2014-08-18 23:55:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドミナントを追うニンジャスレイヤーの片目がほんの一瞬、赤黒の光を放った。彼はドミナントの視線と肩の筋肉の動きを捉えた。そしてスリケンを二枚同時に投げた!「イヤーッ!」エメイシは各スリケンを粉砕貫通!だがやや飛行速度が落ちる!ニンジャスレイヤーは側転でそれらの間を抜けた! 71

2014-08-18 23:59:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」側転からのフリップジャンプで、ニンジャスレイヤーはドミナントに喰らいつく!「イヤーッ!」空中右チョップ!「イヤーッ!」空中左ストレート!「イヤーッ!」空中右サイドキック!ドミナントはそれらを捌き、ニンジャスレイヤーと共に着地!二者はその場でワン・インチ戦を再開!72

2014-08-19 00:02:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤッ!イヤッ!イヤッ!」「イヤッ!イヤッ!イヤッ!」「「イイイヤヤヤヤ!」」木人拳めいた凄まじき打撃応酬!「アイエエエ!」近道を試みてこの路地へ走りこんだタクシーが運悪くこの超自然的なイクサを目の当たりにし、ハンドルを切ってドリフトしながらシャッター店舗に衝突!爆発炎上!73

2014-08-19 00:05:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドミナントは恐るべき敵!だがニンジャスレイヤーはこの強敵とカラテをぶつけあうほどに、己の身体とニューロンに強いて刻み込んだイクサの記録が急速に馴染んでゆく感覚を味わっていた。今や彼の血流はカラテとニンジャ・アドレナリンを満載して爆発的速度で循環していた! 74

2014-08-19 00:12:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(((ヌウーッ……フジキド……浅はかだぞ……オヌシの未熟なカラテでニンジャを殺せるものか……許さぬ……いっそ内より焼き滅ぼしてくれようか!)))ニンジャ・アドレナリンに含有されるナラクの怨嗟が肉体を苛まんとす!だがフジキドはこれに耐え、抑え込む!(((バカな!))) 75

2014-08-19 00:18:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(オヌシはもはや私を自由にはできぬ)フジキドは吹き荒れる内なる嵐に向かって毅然と言い放った。そして彼は、ドラゴン・ゲンドーソーの去り際の言葉を反芻した。(内なるニンジャソウルを……御するべし)「イヤーッ!」ドミナントの回し蹴り!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはブリッジ回避!76

2014-08-19 00:24:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブリッジ回避の直後、ニンジャスレイヤーの背後から飛来した二つのエメイシが、回し蹴りを繰り出し終えたドミナントの両中指に再び嵌った。ALAS……もしニンジャスレイヤーが回し蹴りを腕で受けるなどしておれば、ガード中に背後から飛び来たったエメイシに後頭部を貫かれ即死していただろう!77

2014-08-19 00:29:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドミナントはエメイシを中指で回転させながら振り上げ、振り下ろす。「イヤーッ!」青い軌跡が夜の闇を裂いた。彼の青い目は焦燥と困惑に見開かれた。彼は自問自答した。(我がカラテに落ち度は無し。何故、機が逃れた)ニンジャスレイヤーの左目が再び赤黒く閃いた。その下半身が跳ね上がった。78

2014-08-19 00:39:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーの蹴りは、まるで鞭、否、地獄の大鎌めいてしなり、ドミナントに襲いかかった。その動きはエメイシがニンジャスレイヤーを打ち据えるよりも前の時点で完成されていた。ニンジャスレイヤーは地面に片手を突き、天地逆さになりながら、回転蹴りをドミナントに叩き込んだ。 79

2014-08-19 00:44:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!」ドミナントは脇腹を肋ごと砕かれ、身体を横に折った。蹴りを終えたニンジャスレイヤーはドミナントのすぐ眼前で膝を曲げ、屈みこんでいた。それは伝説のカラテ奥義の予備動作である。ドミナントは防御しようとした。ニンジャスレイヤーが跳んだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」 80

2014-08-19 00:48:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドミナントの顎がメンポごと吹き飛んだ。宙に跳ね上げられながら、彼は敗因を求め、あがいた。ニンジャスレイヤーは蹴りの勢いのまま宙返りを打ち、やや離れた位置に着地。ドミナントは落下を始めた。「イヤーッ!」その心臓を、ニンジャスレイヤーの投擲したカイシャクのスリケンが貫いた。81

2014-08-19 00:51:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「サヨナラ!」ドミナントは爆発四散した。「アイエエエエ!」近道を狙って運悪くこの裏路地に走りこんできたタクシーがこの決定的瞬間を目の当たりにして急ハンドルを切り、ドリフトしながら、ザンシンするニンジャスレイヤーの方向へ滑ってきた。ニンジャスレイヤーは振り返った。「イヤーッ!」82

2014-08-19 00:54:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

SMAASH!「アイエ……アイエエエ!」タクシー運転手は自車のフロントグリルをわし掴んで止める赤黒のニンジャを見て悲鳴を上げ、失禁しながら泡を噴いた。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはボンネットへ駆け上がると、それをバネに跳躍。「電話王子様」のネオン看板を蹴り、更に跳んだ。83

2014-08-19 00:59:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーがビル屋上の瓦屋根に立ったのと時を同じくして、上空を飛行するマグロツェッペリンの電光表示が「23:59」から「00:00」に移行した。無数の火球が空へ打ち上げられ、シダレ柳めいて夜空に光を垂らした。やや遅れて、ドォン……ドォォン……腹の底に響く轟音が届いた。84

2014-08-19 01:05:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「エジャナイザ!エジャナイザ!エジャナイザ!」「エジャナイザ!エジャナイザ!エジャナイザ!」エジャナイザ踊りのオハヤシ・チャントが目抜き通りの方向から湧いてきた。喧騒はどこか空虚だ。見下ろすニンジャスレイヤーの眼差しもまた。重金属雪と花火の硝煙が降り注ぐ中、彼は走り出した。85

2014-08-19 01:08:54
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