甲状腺結節取り扱い診療ガイドライン(2013)より「乳頭癌が疑われたとき」についてのメモ

読んでみたい方はお近くの図書館で借りるか、またはご購入頂ければと思います。
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甲状腺結節取り扱い診療ガイドライン(2013)より「乳頭癌が疑われたとき」p156~ pic.twitter.com/Jr6LDSQd2e

2014-08-20 02:03:50
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【ポイント】▽Ex0、N0、M0の微小乳頭癌(1㎝以下)に対しては、直ちに手術は行わずに経過観察を選択することも可能である。@kanna07409

2014-08-20 02:52:37
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▽乳頭癌の術前診断の制度は高い。乳頭癌が疑われる場合、病状に適した外科的治療を選択し、切除標本での最終診断の結果を踏まえ、個々の進行度(TNM分類)と予後因子から再発リスクを勘案して、131I内用療法、TSH抑制療法などの補助療法を決定する。@kanna07409

2014-08-20 02:53:23
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▽外科的治療にあたっては甲状腺切除の範囲(葉切除あるいは全摘)とリンパ節郭清の範囲(非郭清、気管周囲リンパ節のみ、あるいは内深頸リンパ節まで)を決定する。@kanna07409

2014-08-20 02:56:54
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▽T1N0M0(単発性の2㎝以下の被膜外浸潤を伴わない)乳頭癌に対する外科的治療としては、甲状腺葉切除+予防的気管周囲リンパ節郭清を推奨する。@kanna07409

2014-08-20 03:00:29
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▽進行乳頭癌(周囲への神経、血管、気管、あるいは食道への浸潤例、著名なリンパ節転移例、遠隔転移例)に対する外科的治療としては甲状腺全摘+治療的あるいは予防的リンパ節郭清を推奨する。さらに術後、131I内用療法およびTSH抑制療法を考慮する。@kanna07409

2014-08-20 03:04:44
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▽上記に該当しないT2〜3(2㎝以上もしくは甲状腺の被膜外に微少進展する腫瘍)N0M0乳頭癌に対する甲状腺切除範囲は、年齢や性別などの予後因子、甲状腺内多発病変の有無などを考慮して、葉切除あるいは全摘のいずれかを決定する。→@kanna07409

2014-08-20 03:08:53
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→内深頸リンパ節に対しては、超音波検査などで転移が疑われる場合は郭清を進めるが、予防的リンパ節郭清は一律には推奨しない。@kanna07409

2014-08-20 03:10:29
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【ステートメント】①微小乳頭癌(1㎝以下)は経過観察という選択肢もありうる。ただし、触診・頸部超音波検査などで明らかなリンパ節転移や遠隔転移、甲状腺外浸潤を伴う場合は絶対的手術適応であり、経過観察は勧められない。→@kanna07409

2014-08-20 03:25:21
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→これらの転移や浸潤の兆候がない患者が、十分な説明と同意のもと手術を希望しなかった場合、経過観察を考慮してもよい。EL2・グレードB @kanna07409

2014-08-20 03:27:26
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②予後予測性および利便性に優れた乳頭癌のリスク分類法としてTNM分類を推奨する。EL2・グレードB @kanna07409

2014-08-20 03:29:42
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③乳頭癌の場合、甲状腺(準)全摘術で残存甲状腺を含んだ局所再発は減らせるが、遠隔転移の発生を減らすことはできない。EL2 @kanna07409

2014-08-20 03:31:59
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④頸部リンパ節郭清(気管周囲、内深部)が生命予後を向上させるという明らかな根拠は示されていない。しかし、局所再発(リンパ節再発)を減少させることで再発予後の改善に寄与する。→@kanna07409

2014-08-20 03:34:42
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→特に再手術の際の気管周囲リンパ節郭清は合併症の頻度を増加させる可能性があるため、初回手術時に少なくても患側の気管周囲リンパ節郭清を行うことを推奨する。EL3 @kanna07409

2014-08-20 03:37:19
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⑤甲状腺全摘後に131I内用療法による残存甲状腺組織除去(アブレーション)を施行することで、局所再発や遠隔転移が減少すると報告されている。ただし、生命予後の改善については一定の見解が得られていない。EL3 @kanna07409

2014-08-20 03:40:30
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⑥甲状腺全摘後のアブレーションは、30mCiの131I投与で100mCiと同等の効果が得られる。EL1 @kanna07409

2014-08-20 03:42:56
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⑦残存腫瘍に対する131I内用療法の効果は腫瘍の残存部位によって大きく異なる。EL1 @kanna07409

2014-08-20 03:44:35
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⑧甲状腺全摘後の再発リスクが高い場合にはTSH抑制療法を行うことが推奨される。再発リスクが低い症例では血清TSH値を正常下限に維持することが推奨される。いずれもEL2・グレードB @kanna07409

2014-08-20 03:47:33
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【ステートメントの根拠】①大きさが1㎝以下の乳頭癌は甲状腺微小乳頭癌(微小癌)と定義される。頸動脈超音波検診の普及に伴い偶然発見される甲状腺腫が増加し、超音波ガイド下細胞診の精度が向上したことと相まって、微小癌の頻度が激増している。→@kanna07409

2014-08-20 10:02:19
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→甲状腺における臨床癌の罹患率は0.1%以下であるが、検診からの計算によると微小癌は人口の10%以上に存在すると推測される。乳頭癌の治療成績が一般に良好なことから、偶然発見される微小癌の大部分は終生臨床的に無害のまま経過するのではないかと推測される。→@kanna07409

2014-08-20 10:06:18
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→米国のSEERプログラムという大規模データベースの解析結果では、微小癌を発見し治療しても甲状腺癌の死亡率は減少しなかったと報告されている。→@kanna07409

2014-08-20 10:09:41
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→乳頭癌と診断された微小癌を手術せずに経過観察した前向き臨床試験の報告が日本から2つあり、ともに70%以上の症例で腫瘍は増大しなかった。転移や浸潤の微候のない微小乳頭癌に対する非手術経過観察は治療選択肢として妥当であると考えられる。→@kanna07409

2014-08-20 10:14:17
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→微小癌でも直ちに手術を選択するのではなく、転移や浸潤の微候がないこと、腫瘍の局在部位が気管や半回神経に近接していないことを勘案の上、経過観察という選択肢もあることを患者に説明してもよい。→@kanna07409

2014-08-20 10:17:20
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→ただし腫瘍の増大やリンパ節転移の出現により手術が必要となる可能性があること、極めて低い確率ながら遠隔転移や未分化癌への転化などのリスクが存在することを十分説明し、同意を得ることが必要である。@kanna07409

2014-08-20 10:19:57
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②甲状腺癌のリスク分類はTNM分類以外のものもある。年齢、性、被膜外浸潤、腫瘍径、リンパ節転移、遠隔転移、腫瘍の分化度などがリスク分類の構成因子である。→@kanna07409

2014-08-20 10:24:13