20140824 #ETV 特集「原発事故 国家はどう補償したのか ~チェルノブイリ法 23年の軌跡~」

ことし2月の政変以来、混迷が続くウクライナでは、28年前のチェルノブイリ原発事故で被災した人たちに、今も補償金の支払いを続けています。 その根拠となっているのが、事故から5年後の1991年に制定された、いわゆる「チェルノブイリ法」です。 「チェルノブイリ法」は、年間の追加被ばく線量が推定1ミリシーベルトを超える地域を「汚染地域」と定め、200万人以上の住民を被災者と認定、「移住の権利」をはじめとするさまざまな支援を国の責任で行うとしています。移住先の仕事や住居の斡旋、安全な食料を買う費用の支給、年金の増額、無料の健康診断など、手厚い補償内容を定めました。 続きを読む
23
NHK「ETV特集」公式 @nhk_Etoku

まもなくOA。ETV特集は、ウクライナで1991年に作られた「チェルノブイリ法」の成立過程とその後を検証します。28年前のチェルノブイリ原発事故で200万人以上が被災したウクライナ。内戦状態が続く今も国は被災者への補償を続けています。救済はどうあるべきか考えます。Eテレ23時。

2014-08-23 22:50:48
ほんのこ @shbttsy74

#etv 「原発事故 国家はどう補償したのか〜チェルノブイリ法 23年の軌跡〜」内戦に陥ったウクライナ、未だ混乱は収まっていない。4月26日、キエフでは例年通り、チェルノブイリ原発事故被災者慰霊式が行われた。1986年の事故で広い地域が放射能物質に汚染。被災者認定213万人。

2014-08-23 23:01:40
ほんのこ @shbttsy74

#etv 混乱の中でも、ウクライナ政府は被災者への補償を継続していくと表明。補償の根拠は、事故の5年後に制定されたチェルノブイリ法。国が被災者の生活と健康を世代を超えて守るとしている。原発から110kmのコロステン市では、被災した住民に補償を受ける権利が認められた。

2014-08-23 23:03:57
ほんのこ @shbttsy74

#etv しかし、法の施行から20年以上がたち、補償は2割以下しか実施されていない。ウクライナ政府は内戦前から財政難となり、補償の予算を捻出できていなかった。法の成立過程を明らかにする文書が新たに公開された。

2014-08-23 23:06:17
ほんのこ @shbttsy74

#etv 2013年10月、キエフで「チェルノブイリの経験をフクシマへ」ワークショップが開催された。主催は、元環境大臣のユーリ・シチェルバクさん。日本の駐ウクライナ大使も参加。チェルノブイリ法の特徴は、事故による被曝が5年後の地点で年間1mSvを超える地域を対象とすること。

2014-08-23 23:07:59
ほんのこ @shbttsy74

#etv 「原子炉をどうするかも問題ですが、もっとも重要なのは、被災した人々をどう守っていくかということです」

2014-08-23 23:08:18
ほんのこ @shbttsy74

#etv コロステン市には、チェルノブイリ法が補償の対象とした地域がある。市の社会保護局が担当。被災者には、年1回、症状に合わせた保養所の旅行券を支給。事故後に生まれた子供も認定できる。旅行もでき、薬や歯医者も無料。住民には移住の権利が与えられたが。

2014-08-23 23:10:36
ほんのこ @shbttsy74

#etv エレーナ・パシンスカヤさん「両親は移住しなさいと言ったが、私たちがいなくなったら誰が両親の面倒を見るのか。だから残った」パシンスカヤさんの補償は、毎月の補償金・年金の早期受け取り…など。医薬品の無料化。毎年無料で検診。非汚染食糧も与えられ、学校給食の無料化も。

2014-08-23 23:12:14
ほんのこ @shbttsy74

#etv それでも移住を選択した人は4,000人にのぼった。ビクトル・ホダキフスキーさん「低線量の放射線は、大人にとってはなんともなくても、子供にとっては危険かもしれないと思った。新しい家、私と妻の新しい仕事も補償されるので、移住を決めた」

2014-08-23 23:13:12
ほんのこ @shbttsy74

#etv 引っ越し費用や喪失財産の補償も行われた。「あの時、国家が私たちに補償をしてくれた。国家の支援がなかったら、移住して家を買うことなど到底できなかった」

2014-08-23 23:13:47
ほんのこ @shbttsy74

#etv 1996年、ウクライナは新憲法を制定。チェルノブイリの被災者を救済することは国家の責務である、と明記。第16条。1986年4月、旧ソ連時代に原発事故。しかし国民に放射能汚染の事実は伝えられず。コロステン市でも、屋外でメーデーのお祝いが行われた。

2014-08-23 23:15:34
ほんのこ @shbttsy74

#etv ソビエト政府はその後も放射能汚染の事実を隠し続けた。西側に知られたくない国家機密とされた。その中で、ウクライナから批判の声が上がる。被曝によって病気になったと、原発で事故処理にあたった作業員たちが訴えた。ソビエト全土から処理作業に80万人が動員された。

2014-08-23 23:17:09
ほんのこ @shbttsy74

#etv 人々は、ゴルバチョフ書記長に窮状を訴えた。ロシア国立公文書館で、今回、その手紙が保管されていることがわかった。「体を壊してもう2年働けません。あなたの力で家族を助けてください」「汚染されていない食糧をください。政府は私たちの救済策を早く決めてください」

2014-08-23 23:18:53
ほんのこ @shbttsy74

#etv 作業員とウクライナ市民は一丸となって、ソビエト政府に抗議するように。この運動を率いたのが、ユーリ・シチェルバクさんだった。「みんな大きな不安を抱え、傷つき、追い詰められていた。ウクライナ人全体の問題だった」事故の3年後、政府は汚染の情報公開に踏み切った。

2014-08-23 23:20:01
ほんのこ @shbttsy74

#etv 汚染は北西部にまだらに広がり、原発から110km離れたコロステン市にも届いていた。当時、ウクライナの共産党委員会書記だったマスカレンコさん「人々は、政府は何も教えてくれない、私達は人質だ、もうすぐ死ぬんだ、と話していた」

2014-08-23 23:21:40
ほんのこ @shbttsy74

#etv コロステン市では、身体の不調を訴える住民が増えていた。事故の4年後に検診センターが完成。翌年の検査で、9人に甲状腺がんが見つかった。パシンスカヤさんは、甲状腺にしこりが見つかった。今も検診を続けている。隣国のベラルーシでも、子供たちから甲状腺がんが見つかった。

2014-08-23 23:22:58
ほんのこ @shbttsy74

#etv コロステンの住民は「ソビエトが何もしてくれないなら、地元のウクライナがなんとかしてほしい」と訴えた。ウクライナ政府は、独自に被災者救済に乗り出す。クラフチュク最高会議議長は、被災者救済の法律を作る決断をする。キエフも空間線量が通常の50倍に汚染されたと機密情報が。

2014-08-23 23:24:49
ほんのこ @shbttsy74

#etv 1990年6月、チェルノブイリ委員会結成。法案作成開始。議長は、ジャーナリスト出身のヤボリフスキーさん。すでに独自調査を進めていた。「キエフ出身の議員も含め、全員が被曝していた。住民を助けたいという思いで我々はつながっていた」2013年、委員会の議事録が公開。

2014-08-23 23:26:27
ほんのこ @shbttsy74

#etv 最初に取り組んだのは、ソビエトが決めた被災地の範囲を見直すことだった。ソビエト科学アカデミーのイリイン博士、住民対策の基礎となる線量を決める。「生涯350mSvを限界とした。厳しい値を決めたつもりだ。これ以下の放射線量なら、自然に発生するがんの範囲内に収まると」

2014-08-23 23:28:59
ほんのこ @shbttsy74

#etv しかし当時、世界では異なる見解も。ICRP(国際放射線防護委員会)は、1985年に平常時は年間1mSvとする声明を出していた。この限度だと、年間5mSvよりも救済の対象者が増えることになる。チェルノブイリ委員会は、被曝限度量をどこに定めるか議論。

2014-08-23 23:30:39
ほんのこ @shbttsy74

#etv 1990年9月4日の議論。ヤツェンコ委員(当時)「合意点を見つけるのは容易ではなかった」基準を5ミリから1ミリにすると、救済対象者が100万人以上に膨れ上がる。1991年2月5日、委員会最終日。ヤツェンコ「被災者は国家が守ってくれると期待してる。裏切ってはならない」

2014-08-23 23:33:13
ほんのこ @shbttsy74

#etv 議長「年間1mSvに決定しよう」バリヤフテル議員「ソビエト政府の5ミリに反対して、1ミリとすることで、人々はウクライナ政府が、自分達の味方と思い安心するのです」委員会発足から8年後にチェルノブイリ法制定。救済対象者の被曝限度量は年間1mSvとされた。

2014-08-23 23:35:43
ほんのこ @shbttsy74

#etv 強制避難区域・強制移住区域(5mSv越/年)・移住選択区域(1〜5mSv/年)・放射線管理区域(0.5〜1mSv/年)に分けられた。ヤツェンコ氏「住民に、汚染地域に閉じ込められたように思わせず、出て行く権利を与えた」5万8000人が被災者として登録された。

2014-08-23 23:37:31
ほんのこ @shbttsy74

#etv 2013年の予算は5億円。無料検診、無料給食、公共料金の割引は引き続き行われているが、給料や上乗せ分は減っている。わずかな補償金に不満を持ち、裁判に訴える人も。元作業員のボフスノフスキーさん「障害2級ですので、4万5000グリグナもらう権利があるが、守られていない」

2014-08-23 23:39:27
ほんのこ @shbttsy74

#etv ボフスノフスキーさんは勝訴したが、まだ補償金は支払われていない。2011年、ウクライナ政府がまとめた報告書で、チェルノブイリ法の運用について検証。予算のうち実際にどれだけ実施されたか。2010年には約20%に落ち込んだ。被災者登録は213万人。人口の5%。

2014-08-23 23:41:11