- tarabagani
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世の中には、それはまぁびっくするくらい沢山の種類の化学物質があるんです。もちろんすべてのものが物質から出来てるんだから当たり前なんですが、物凄い膨大な数があるんですね。で、そいつらには勿論名前があります。例えばお酒に入ってるアルコールは「エタノール」とかね。→
2014-08-26 18:26:41化学の世界だとアルコールは分類の名であって、単一の物質を示す名前ではありません。 それはいいとして、エタノールはCH3CH2OHって構造のやつなんですが、実はこいつ「エチルアルコール」だの「酒精」だのって名前でも呼ばれます。まぁ酒精なんて使ってんの聞いたことないけど。→
2014-08-26 18:29:24人間で言えば、一人が沢山の名前を持ってるみたいなもんですね。そうするとですね、ちょっと面倒くさいんです。 例えばエタノールを探してる時に、「エタノールどこ?」と聞きます。聞かれた人は、エチルアルコールは知ってるけど、それがエタノールだと知らなければ「知らない」と答えます。→
2014-08-26 18:32:20まぁこんな単純な物質ならそんなことは起こり得ないんですが、世の中には訳のわからんほどややこしい構造してたりでかい構造してる物質もあるので、そういうことがあったりします。試薬を買うのにある名前で検索して見つからないからないのかと思ったら、違う名前で登録されてた、とかね。→
2014-08-26 18:34:10それを解決してくれるのがCAS No.なんですね。キャスナンバーって読みます。これは1つの物質に割り当てられた番号で、1つの番号には1つの物質だけですし、1つの物質には1つの番号だけです。試薬を探すのにCAS No.で検索して見つからなければそれは売ってません。→
2014-08-26 18:35:57で、同じ構造でもメーカーによって試薬の名前が違うだの、ヒドロキシがハイドロキシになってるだの、本当に些細な違いで見つけ出せないことがあります。ラボの試薬はエクセルで試薬表を作って管理してますが、そういうことがあるので今CAS No.を入れてるわけです。取り敢えずおわり。
2014-08-26 18:38:04ちなみに。分かったけどCASってなによ?ってのを。Chemical Abstracts Serviceの略称だそうです。アメリカ化学会の情報部門なんだって。
2014-08-26 18:40:06あと「そしたら単一の名前にしなよ!」って思うじゃないですか。わたしもそう思ってたんですよ。実際そういう動きもあって、構造を見てルールにしたがって名前をつける方法もあるんですよ。IUPAC命名法ってのがちゃんとあるんです。でもね、これで名前つけると構造は特定できるけど大変なんです→
2014-08-26 18:42:42例えばビタミンCこれはアスコルビン酸ってよく呼ばれます。でもこれはIUPAC命名法には従ってません。IUPACに従って名前をつけると…… (R)-3,4-dihydroxy-5-((S)-1,2-dihydroxyethyl)furan-2(5H)-one らしいです。長い。
2014-08-26 18:49:14まぁそんなこんなで伝統的に使われてきた名前を使いつつルールにしたがって名前つけたりしつつ番号割り振ったりしつつしてる世界なんですね。ややこしいですが統一も難しいのです。CASNo.は割り振りのルールがないらしいので、番号から構造を類推するのは不可能です。
2014-08-26 18:55:18あとね、さっきの話で少し掠めたんだけど日本語にするときに読みが変わるってのがあって Hydroxylが「ヒドロキシ」だったり「ヒドロキシル」だったり「ハイドロキシ」とか訳されてる時があってな。ヒドロキシルはやめようぜって話になって最近はヒドロキシが主流だけど。
2014-08-26 19:02:42