『イラストレーター・中村佑介氏のＱ＆Ａ⑦』“萌え絵はダメですか？”編(2014.08.26)

もえたろう★ @moetarouhosi

@kazekissa 中村佑介先生　おはようございます。いつもイラスト講座勉強させていただいております。昨日の講座みおさん (@misosJP)のタッチ凄く勉強になりました。そして私もタッチの事で凄く悩んでいるのですが、もしお時間よろしければお話ししてもよろしいでしょうか？

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

@moetarouhosi @misosJP はじめましてこんにちは。おはようございます。いいですよ。もえさんのご年齢と希望職種（進路？）も合わせてお教え下さい。また、一番の自信作（我ながらがんばったなぁと思う作品）も見せて下さい。

もえたろう★ @moetarouhosi

@kazekissa ありがとうございます。19歳、希望職種はぼんやりしててまだありません。絵がそれっぽく描けるという理由?で、時々イラストのお願いをされることがあります。自信作のイラスト迷ってしまい複数枚送ります。すみません(焦) pic.twitter.com/eHQMy9a2Da

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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

@moetarouhosi ありがとうございます。それで、悩み、というのは具体的にどのようなものですか？

もえたろう★ @moetarouhosi

@kazekissa 私自身、萌え系の女の子を描くことが大好きなのですが(not萌え系でなくても絵を描くこと自体は好き)両親に『オタクにしか受けがいい絵かいてないで、もっと幅広い年齢に受けるものを描いたらどうだ』といわれ幅広く受け入れられるタッチはなんだろうと悩んでいます。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

@moetarouhosi もう少し深く探ってみましょう。そう言われてご自身は率直にどう思いましたか？　また、幅広く受け入れられる絵はどんな目的で描きたいですか？（「褒められたい」とか「仕事にしたい」とか「フォロワー増やしたい」とか何でも）

もえたろう★ @moetarouhosi

@kazekissa 萌え系の可愛い女の子好きだけど、苦手な人も多いかな?と悩んでいます。見てもらえる年代や幅が狭くなってしまうより、沢山の人に見てもらいたいかな、ということで視野はちょっと狭いのですが、フォロワーを増やしたいが近い気がします。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答①（敬省略）】本日のQ&Aは、ご両親に『オタク向けな絵ばかり描いてないで、もっと幅広い年齢に受けるものを描いたらどうだ』と言われたもえたろう★さん（19才）。まずはもえたろうさん★の絵を見てみましょう。pic.twitter.com/B3LQ4Ngqgr

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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答②】なるほど。確かにお名前にも現れている通り、「萌え絵」と呼ばれるジャンルのキャラクターが描かれていますね。そしてご両親の言葉も単刀直入で19才にとってはグサッと来そうですが、僕は何だか妙に納得してしまいました。もえたろう★さんについては。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答③】と言うのも、このようなアニメや漫画に付随するような絵は、僕（36才）の世代でも呼び名は違えど存在しており、それはみんな親に見せるのを一番恥ずかしく思っていました。今もたぶん親に隠れてこういう絵を描いてる中高生、いっぱいいると思います。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答④】僕もデッサンや学校の課題は見せても、自分の絵で女の子を描いたものは、大学を卒業するまで両親に見せたことがありませんでした。なんとなく恥ずかしかったんですよね。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑤】思春期～青年期に、大人にならなくちゃいけない事と反するような、自分の中の少年、また少女趣味の作品を通しての発露と同時に、性への興味も。まるでランドセルとエロ本を一緒に見つかるような気まずさというか。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑤】まぁ当時はそんなややこしく考えず、もっと単純に、親に対して「僕の趣味なんだからほっといて！！」という自立だったのかもしれません。まぁ何にせよ「恥ずかしい」と絵を隠していた。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑥】そんな中、もえたろう★さんはご自身の絵をご両親に見せてる訳で、アドバイスももらっている訳で、それを聞いて反発するでもなく、「なるほど～」と思えた訳で、何だかとても理想的な家族の関係性だなぁと思いました。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑦】そしてご両親の発言内容『オタクにしか受けがいい絵かいてないで、もっと幅広い年齢に受けるものを描いたらどうだ』。これだけ聞くと多少キツく聞こえますが、実はもえたろう★さんの絵を褒めているんだと、僕は感じました。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑧】ご両親の言う「萌え絵」に該当する部分、すなわちキャラクターより、それ以外の要素（背景や小物）の方が抜群に上手なのです。「キャラだけ上手」な絵はたくさん見たことがありますが、その逆パターンははじめて見ました。 pic.twitter.com/9kBOuWTXRn

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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑨】この絵を見ても、同じことを思います。おそらくもえたろう★さんは工業製品やモノの質感（ガラス、金属等）にとても興味があり、それ故上手い。「キャラクターが下手」という訳じゃありませんが、かなりの差があります。 pic.twitter.com/iOfWAkigik

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中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑩】つまりアニメや漫画、イラスト等の（2次元）から学んだ【キャラクター（萌え絵）】と、本物（3次元）を見て学んだ【背景（萌え絵じゃない）】に差が生じており、ご両親は「だったら上手い方を伸ばしてみたら？」と思っての発言だと、僕は理解しました。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑪】そして納得した理由はもうひとつあります。それは『萌え絵』というものが、いまだイラストレーションの世界では十分な市民権を得られていないからです。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑫】確かに昔よりは様々な場所で見るようになりましたし、インターネットやゲームをしていたらついつい忘れちゃうのですが、例えば一般の本屋さんに行って、様々な書籍／雑誌の表紙の何割が「萌え絵」でしょうか。２割くらい、多くても３割くらいだと感じます。

中村佑介🎨2024カレンダー @kazekissa

【もえたろう★解答⑬】それがそのまま広い社会に出た時の縮図だと思って下さい。まだまだ理解は得られそうにありませんよね。その原因は「萌え絵」というのは"流行り言葉"や"若者言葉"に似てるからだと、僕は思っています。