2014年諫早湾・有明海関連シンポジウムと松川論文の紹介
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9月4日〜7日、日本プランクトン学会・日本ベントス学会合同大会が広島大学で開催されます。私は4日の自由集会で『有明をわたる翼』のDVDを上映してきます。販売できるようになるまではもう少し時間がかかります。 sites.google.com/site/plaben201…
2014-08-28 09:47:29@a_iijimaa1 上記プログラム最後、5日(18時〜)の日本ベントス学会自然環境保全委員会による企画集会に注目!「有明海で今何が起こっているのか 諫早湾干拓事業の影響を考える」これまでの知見を総括し、これから何を為すべきか議論するとのこと。
2014-08-28 09:51:53@a_iijimaa1 東幹夫先生や堤裕昭先生、森敬介先生など、長期間にわたって膨大なデータを積み上げてきた方々が講演します。
2014-08-28 09:53:59@a_iijimaa1 一方で、8月30日に佐賀市で開催されるシンポジウムもあります。こちらは「有明海再生が開門一色となり」、と批判的なようです。私は行くことはできませんが、誰がどのような発表をするか注目しています。saga-s.co.jp/column/isahaya…
2014-08-28 10:05:39@a_iijimaa1 シミュレーションだけでなく、長期間にわたる水質変動やベントス定性・定量調査結果、底泥中のミクロシスチン含有量などのデータをどのように使うか、また使わないかが注目点です。ミクロシスチンについては分析方法も注目点の1つ。
2014-08-28 10:10:582014年5月15日に日本海洋学会誌「海の研究」23巻3号に掲載された松川・佐々木・羽生(故人)の共著論文(以下、松川論文)の筆頭著者である松川康夫さんから、8月30日のシンポジウムに対する懸念と論文の要点についての紹介が寄せられましたので、連投します。
2014-08-28 12:03:09@a_iijimaa1 松川論文の全文はこちらで読めます。kaiyo-gakkai.jp/jos/uminokenky…
2014-08-28 12:03:47@a_iijimaa1 以下、松川さんからのメール。「この論文では1973年から2009年までの佐賀県浅海定線調査データを解析し、諫早湾干拓事業とりわけ潮受け堤防建設による調整池形成と悪水の放出による水質環境悪化が(続)
2014-08-28 12:05:59@a_iijimaa1 (承前)水深10mないし5mの有明海最奥部を含む有明海奥部全域の水質環境を有意に劣化させていることを実証しました。(続)
2014-08-28 12:07:20@a_iijimaa1 (承前)8月30日に予定されているシンポでは、主催者が我々の論文について紹介する予定は無く、しかも諫早干拓事業と有明海奥部全域に及ぶ水質環境劣化との間の因果関係は立証できないという立場で議論が組み立てられています。以下に論文の要点を紹介します。」
2014-08-28 12:08:15@a_iijimaa1 1.「諫早干拓事業による水質環境への影響の抽出方法」が論文査読者との最大の論争点となったが、「海の研究」編集委員会は著者の方法を正当と認めている。
2014-08-28 12:09:29@a_iijimaa1 2.「解析したデータの期間すなわち1973年から2009年の代表性」も査読者との論争点となったが、編集委員会は「代表性は十分にある」との著者の主張を正当と認めている。
2014-08-28 12:10:00@a_iijimaa1 3. 「有明海最奥部(論文のFig. 2参照)におけるDO(溶存酸素)の影響の絶対値は所詮小さい(Fig. 9)ではないか」は真面目な疑問あるいは反論として出される可能性があるが、このことに付いては論文の「考察」(106ページ)に記述されている。(続
2014-08-28 12:11:31@a_iijimaa1 (承前)すなわち、これは貧酸素が殆ど解消される大潮のデータの解析結果だからであって、貧酸素が最悪となる小潮の2日ないし3日後のデータ解析結果であれば、(続)
2014-08-28 12:12:48@a_iijimaa1 (承前)水深5mではDOが-5mg/l、水深10mでは-1ないし-3mg/lの影響が現れることになるので、十分に大きな影響である。
2014-08-28 12:13:24@a_iijimaa1 4.「うかつにも論文発表後に著者が気がついた点」について述べる。有明海最奥部では水質を測定した直上水(海面-1m)が密度躍層(水深5mないし10m)よりも浅い地点であるため、測定されたDOは密度躍層より浅い部分すなわち上層の値を代表しており、(続)
2014-08-28 12:16:37@a_iijimaa1 (承前)したがって潮受け堤防建設によって増大した赤潮のために、また強化された密度躍層のために(Fig.10)、この上層のDOは諫早干拓事業以降に増加している(Fig.9)。(続)
2014-08-28 12:17:44@a_iijimaa1 (承前)従って、8月には有明海奥部全域が諫早湾干拓事業の影響を受けていることを意味する。7月も諫早湾干拓事業の影響は論文における記載よりも大いに広がる(Fig. 9)。
2014-08-28 12:18:37@a_iijimaa1 5.なお、7月のリンとチッソの栄養塩(それぞれPO4-PとDIN)は諫早湾干拓事業により有明海奥部全域にわたって増加している(Fig. 11、12)。この7月の富栄養化と密度躍層の強化によって8月の有明海奥部全域の赤潮と貧酸素が悪化したのである。
2014-08-28 12:19:21@a_iijimaa1 8月30日のシンポジウムで松川論文の内容についてどれほど触れらるのか(あるいは触れられないのか)注目したいと思います。松川さんと佐々木さんはどうしてもシンポには出席できないとのことですが、他の方からの参加レポートがあるでしょう。
2014-08-28 12:22:48@a_iijimaa1 松川論文の第二著者、佐々木さんによる漁獲統計についての解説は、こちらにまとめてあります。togetter.com/li/682086 連投、以上です。
2014-08-28 12:23:56今日、佐賀市で行われたNPO法人有明海再生機構主催のシンポジウム、「公開」ではあっても最初から「会場からの質問は受け付けない」ということだったそうです。
2014-08-30 23:44:40@a_iijimaa1 松川さんの論文要旨なども準備してシンポジウムに出席した方からメール。訊こうとしていたことも質問できなかったとのこと。前半と後半までのわずかの時間に紙に書いて出せば総合討論で触れるかも、ということだったそうですが…。
2014-08-30 23:48:27@a_iijimaa1 メインの講演は九州農政局によるアセスの解説だったとのこと。しかしそれはすでに公表されている。
2014-08-30 23:51:16@a_iijimaa1 シミュレーション屋さん2名の見解は「(開門すれば)諌早湾内の潮流は回復が期待できるが湾奥部は影響ない」。しかし「そうではないかもしれない」からこそ5年間開門して調査すべし、という高裁判決が確定したわけです。
2014-08-30 23:52:08