- ElementaryGard
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_2001: a space odyssey_という映画があります。youtu.be/Ok32VyEQYYc 台詞が少ないという印象がありますが、実際はたくさん喋ってる。
2014-08-28 17:10:12sundry.wikispaces.com/transcript-2001 ここに全台詞が書き出されています(著作権?さあ)。けっこうあるんですよ。
2014-08-28 17:12:18目を通すと面白いことに気が付きます。形容詞です。niceが10か所、greatが10か所、fineが5か所、wonderfulが5か所。goodが19か所。しかも比較的前半に頻出です。
2014-08-28 17:18:09反対にnegativeなニュアンスの形容詞ではどうでしょう。difficultが4か所、badが3か所。少ないように思うでしょ。ところが否定形の文が結構あるんですよ。
2014-08-28 17:20:57errorという名詞が8か所。いずれも人工知能ハルくんが絡んでくるところで出てきます。
2014-08-28 17:22:04あの映画の構造は ①400万年前の原始時代 ②月への旅が可能になった時代 ③人工知性の異常 ④わけわかんない世界 の4つ。
2014-08-28 17:25:15①で無秩序に秩序が芽生え、②で秩序ある世界が達成され、③で秩序が次第に崩れ、④で無秩序に放り出される。そういう基本構造の映画だと分析できます。
2014-08-28 17:26:30『2001』もそうです。秩序→秩序自己崩壊のベクトルが、台詞にもにじみ出てる。それで前半はniceとかwonderfulとか、英会話の教材みたいなきれいごとの会話が続き、やがて後半でI've got a bad feeling about Halとか、疑惑の台詞が増えていく。
2014-08-28 17:29:36The nine-thousand series is the most reliable computer ever made. 9000型は史上最高の信頼性を誇る電子頭脳です。
2014-08-28 17:32:54No nine-thousand computer has ever made a mistake or distorted information. 過ちも、情報処理のミスも過去に一度もないのが誇りです。
2014-08-28 17:34:10We are all, by any practical definition of the words, foolproof and incapable of error. いかなることばの定義においても、完全無欠、ミスがありえないのが我ら9000型です。
2014-08-28 17:36:29そのハルくんが、やがておかしくなっていきます。ついには乗員の殺害に至り、船長を船外に放置。
2014-08-28 17:38:26Without your space helmet, Dave, you're going to find that rather difficult. 宇宙ヘルメットなしで非常ドアから船内に戻るなんて無理だと思うよ船長。
2014-08-28 17:39:38繰り返します。一度達成された秩序がしだいに自己崩壊していくーーこれが『2001』の、そしてクーブリック映画の基本形。
2014-08-28 17:42:01そういう問題意識で台詞を分析していくと、英会話のおべんきょにもなるのではないかと思います。おわり。
2014-08-28 17:42:39もうちょっとやっちゃえ。『2001』ではwonderfulは5か所登場。宇宙ステーションで、フロイド博士(②における主役)が知人のロシア人科学者とばったり再会して挨拶を交わすところ。ここで2回使われる。
2014-08-28 17:57:47Heywood. What a wonderful surprise to meet you here! まあフロイド博士。ここで会うなんて何てワンダフルなこと。
2014-08-28 17:58:393か所目は、月旅行中。宇宙服を着こんでどこかに飛んでいくときです。同僚のふたりにフロイド博士がねぎらいのことばをかける。
2014-08-28 18:00:20