黒猫亭映画解説”遠すぎた橋”
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黒猫亭
@chronekotei
何やかんや言って、オレはよく出来ているのにとんでもなく歪な映画が大好きなんだなぁ。多分映画ってそう謂うものだと思っている節がある。
2014-09-01 00:27:11
黒猫亭
@chronekotei
よく出来ているからこそ歪な方向に突き抜けるのが映画の宿命なんだと思っているから、やっぱりどこか歪なところのある映画に惹かれるのだな。
2014-09-01 00:28:20
黒猫亭
@chronekotei
そんなわけで、誰に笑われようとも「天国の門」と「遠すぎた橋」とPJ版の「キングコング」はこれまで作られた映画の中で最も素晴らしい映画だと臆面もなく断言し続けるだろう(笑)。
2014-09-01 00:30:03
黒猫亭
@chronekotei
まあ、「天国の門」と「キングコング」がなぜ素晴らしいかを語ることは簡単なんだが、「遠すぎた橋」がなんで素晴らしいと思うのかを説明することはかなり難しい(爆)。
2014-09-01 00:31:22
黒猫亭
@chronekotei
つい最近物故したアッテンボロー卿がこの監督作品をどう思っているのかは知らないが、この第二次世界大戦史上に残る壮大な失敗に終わるロマンティックな作戦の愚かしさを余すところなく映画化したと謂う意味でこの映画は何か大好きなんだよな。
2014-09-01 00:36:25
黒猫亭
@chronekotei
コーネリアス・ライアンの三部作として見ると「史上最大の作戦」とか全然良い映画だと思わないから、この映画の「巨大な作戦の巨大な失敗に繋がるちっちゃい失敗の群像劇」と謂う壮大な失敗絵巻が、何かもう逆に映画的興奮に繋がるんじゃないかと思う。
2014-09-01 00:40:38
黒猫亭
@chronekotei
そう言えば、この映画に対する映画秘宝の煽りには怒りを覚えたな。「連合軍サイドが壮大な失敗を喫する映画を描く戦争映画の卑しさ」みたいなくだらないことを言いやがって、おまえらは戦争映画に対する興奮に晴れがましさまで求めるのかよ、その料簡のほうがナンボか卑しいだろうとマジ怒りした。
2014-09-01 00:44:10
黒猫亭
@chronekotei
戦争アクション映画に興奮する心性はオレにだってあるが、それは疚しいからこそ面白いんだ。疚しさを晴れがましさに転換しようと謂う卑しい心根がネトウヨみたいな気持ち悪い生き物を生み出すんだよ。
2014-09-01 00:45:33
黒猫亭
@chronekotei
「遠すぎた橋」の長尺の映画体験に覚える面白さって、そう謂うふうに戦争アクション映画に興奮する自分の心性の卑しさを物凄く突き放してシニカルなギャグとして笑われているような、戦争と謂う状況における一つの壮大な作戦の全体性を描いている状況に投げ込まれることから生起するんだよ。
2014-09-01 00:49:24
黒猫亭
@chronekotei
まあ、映画監督としてのアッテンボロー卿を語るなら、何か当たり前みたいな顔をして「遠すぎた橋」をスルーしないでほしいと思いますね。
2014-09-01 00:52:59
黒猫亭
@chronekotei
あの映画の素晴らしい部分と謂うのは、三時間近い尺の内の前半の一時間くらいで「この壮大な作戦は完全に失敗する」と謂う説明をこれでもかと受けた上で残りの二時間は当然予想された失敗の悲惨さをこれでもかと見せ附けられるところなんですよ(笑)。
2014-09-01 00:58:31
黒猫亭
@chronekotei
しかも、あまりにも壮大な作戦であるが故に誰がどこで何をしているのかサッパリわからないけど、あらゆる局面で連合国側が膠着状態に陥っていて全面的に破局に向かっていることがわかる作りになっているのが戦争のライブ感を余すところなく伝えているのだよな。
2014-09-01 01:00:24
黒猫亭
@chronekotei
映画のラストで、ダーク・ボガートのブラウニング中将が「あの橋は、ちょっと遠すぎましたな」とか言うと、「それだけかよっ！」みたいな怒濤のツッコミを入れたくなる。でも、連合国サイドから見た、それが戦争の真実なんだよな。
2014-09-01 01:04:52
黒猫亭
@chronekotei
んで、この作品の原題は“A Bridge Too Far”だから、「遠すぎた」橋は一本だけなんだよね。文字通り「あの」橋は遠すぎたんだ。そんなわけでこの映画は大好き(爆)。
2014-09-01 01:09:07
黒猫亭
@chronekotei
これだけ熱く「遠すぎた橋」を語っても、あの映画を観たいと思う人は多分誰もいないだろうと思うと、何か茨の道だなとか思ったり(爆)。
2014-09-01 01:11:34
黒猫亭
@chronekotei
「遠すぎた橋」と聞くと東京12チャンネルっつかテレ東の中途半端な編集版を思い浮かべる人も多いだろうけど、カットが変わって別の部隊の話に切り替わる度にスーパーインポーズで地図が入ると謂う斬新な絵面だったよな(笑)。まあ、地図見たって全然わかんなかったけど(爆)。
2014-09-01 01:17:37
黒猫亭
@chronekotei
まあでも「遠すぎた橋」ってウォーシミュレーションゲームみたいに何度か見て事実関係を確かめてから見ると面白さがどんどん伝わってくるよな。
2014-09-01 01:40:26
黒猫亭
@chronekotei
@wildside1028 あれがこの映画最大の英雄的な場面なんだけど、渡河作戦が成功しても機甲部隊が追いつかないからそこで待っててね的な台無しイベントがオチなんだよな(笑)。
2014-09-01 01:53:32
黒猫亭
@chronekotei
@wildside1028 あの場面で軍医のほうが階級が上だから、お坊ちゃんでクズい上官との約束を守って軍医を銃で脅してまでヘタレな上官を守ったジェームズ・カーンの無駄な英雄的行為を軍医が形骸的な罰則で許すのが一つの感動的なエピソードを構成しているところがいいよね。
2014-09-01 02:08:37
黒猫亭
@chronekotei
あの映画はな、ブラウニング中将レベルで捨象されている上の人間の莫迦っぽいロマンチシズムで踊らされた現場の男たちが、もう最初の最初から宿命附けられた悲惨な失敗に突入していく姿がたまらなくかっこいいんだよ。それがわからんような無粋な奴がこの映画を語るんじゃない。
2014-09-01 02:23:51