空想紀行

カゲロウプロジェクト二次創作「空想紀行」 案・文章:翠寿(@suizyu329) 絵:きつ(@yga262yf)
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翠寿 @suizyu329

1。旅立ちの朝。見送りはない。世界を知るための第一歩は行き先も期限も未定なノープランの旅。自分にしてはあまりにも行き当たりばったりな無計画さだ。毎日のように店に押しかけていた少女の破天荒さが移ったのかもしれない。家主のいない店に背を向けゆっくりと歩き出した。#空想紀行

2014-07-10 19:54:52
翠寿 @suizyu329

設定1。 シンタロー→染め物屋の店主。筆で色のある物に触れることでその色を抜き取り、別の物質にその色を塗ることが出来る。世界にはどんな色が溢れているのか知るために自由気ままな一人旅に出ることに。#空想紀行

2014-07-10 19:57:50
翠寿 @suizyu329

2。道端に見つけた花はあいつが唯一名前を知っていた赤い花だった。色鮮やかなそれは元気に天上を見上げている。あいつが好んでいたからこの花を使ってマフラーとスカーフを染めてやったんだっけ。今更になって旅のことを言わずに出てきたのを少し後悔した。#空想紀行

2014-07-11 11:39:32
翠寿 @suizyu329

設定2。 アヤノ→竜騎士見習いの少女。相棒の小型の飛竜(名はヒー君)と共に暇さえあればシンタローの元に押しかけていた。竜騎士のための訓練が苦手。竜との仲は良好。シンタローに染めてもらった緋色のマフラーとスカーフを飛竜とお揃いで着けている。#空想紀行

2014-07-11 11:40:36
翠寿 @suizyu329

2-1、やっぱ私に絵は無理だった。#空想紀行 pic.twitter.com/UPL1Pof0Pi

2014-07-11 12:45:45
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翠寿 @suizyu329

3。山を抜けた。麓の街付近とは逆の街道に出れば滅多なことでは地元から出なかったオレの知らない景色が広がっている。きちんと舗装された地を踏みしめ気ままに足を進める。穏やかな陽気、平和そのものな道中はオレの足を軽くさせた。さて、この底の浅い体力がどこまでもつか。#空想紀行

2014-07-12 11:40:57
翠寿 @suizyu329

4。街道の先、関所にさしかかった。門番と話す時に持ち前のコミュ障が発揮されたがそこは忘れよう。休息所で行商の一行と鉢合わせたので旅の資金にと一枚染め物を売った。思ったより高値で売れたからしばらくの旅費は気にしなくていいだろう。彼らの馬車に同乗して隣街に行くことになった。#空想紀行

2014-07-13 20:39:08
翠寿 @suizyu329

設定3。 セト→地図屋を営む少年。世界各地を自分の足で見て回りながら紙に地図を描いて行く。旅が好き。少々放浪癖があるのが困りものだが本人は気にしていない。旅の途中にシンタローと出会い、どうせならとしばらく共に行動することに。

2014-09-06 02:33:48
きつ @yga262yf

設定1〜3。シンタロー、アヤノ、セト。 #空想紀行 pic.twitter.com/iUDYiZdAqy

2014-07-14 15:11:39
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翠寿 @suizyu329

6。彫刻の街ルルドに着いた。行商の人々に別れを告げ、セトと共に街を見て回る。石の彫刻、木彫りの彫刻、氷の彫刻。まるで生きているのかと思うような作品が並んでいるのには少しギョッとする。職人の多い街だ。間近で見る芸術品に染物師としての感性を大きく刺激された。#空想紀行

2014-07-15 13:23:43
翠寿 @suizyu329

7。広場で彫刻造りのパフォーマンスが行われていた。興味を惹かれてセトと一緒に人の輪の中を覗き込み、その素晴らしさに魅了された。ただの丸太があっという間に麗しい女性の姿へ変わっていく様はまるで魔法のようで。ある程度人がはけた後にオレはその彫刻に色をつけさせてもらった。#空想紀行

2014-07-16 10:58:03
翠寿 @suizyu329

8。宿は安い所をセトと折半して部屋を借りることになった。市で買った食料をテーブルに並べ、旅の話をしながら食事をした。セトが言うには西の方に面白い森があるのだという。実に芸術的だというその森を当面の行き先にすることにし、オレは旅の疲れを癒すために深い眠りについた。#空想紀行

2014-07-17 13:09:28
翠寿 @suizyu329

9。セトが言う森に行くには海を越えて隣の国に行く必要があるらしい。そのための船は少し先の港町から出ているからオレ達はそこに向かうことになった。彫刻の街を出て街道を歩むこと二日、大きな湖にさしかかった。澄んだ水が湖の底を映し出す。煌めく翡翠の色が幻想的であった。#空想紀行

2014-07-18 14:53:58
翠寿 @suizyu329

10。大回りするのも面倒なので湖畔の舟渡しを利用することにした。通貨を三枚はらい木製の舟に乗り込む。漕ぎ手は代々舟渡しをやってきているという若い青年だった。ギィコギィコと舟が進む。波のない水面は穏やかだ。饒舌な漕ぎ手の相手はセトに任せてオレは湖の美しさに見入っていた。#空想紀行

2014-07-19 11:56:10
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