思いつき創作落語「コードレス充電器」

くろ @quroel

充電器ってコードレスにならないの？

ゲンキダーＪ @Genkider_J

@quroel あ、なんか面白い。落語のネタになりそう。創作落語「コードレス充電器」なんてね。ちょっとやってみよう。

りぐ @RigTheFrog

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ゲンキダーＪ @Genkider_J

思いつき創作落語「コードレス充電器」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

お頭（頭）「おう、二郎助」二郎助（二）「へえ、お頭。なんですかい？」頭「俺の携帯を充電してくれないかい」二「お安い御用で。ちょっとお借りしやすよ。……あ、よっと。しばらくお待ちくだせぇ」頭「おう、悪りいな」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「しっかしよう、何とかなんねぇかな」二「何がで？」頭「充電器だよ、充電器」二「充電器がどうかして？」頭「いやいや、面倒じゃねえか。いちいち充電器のとこまで行くなんて」二「え？」頭「だってよ。わざわざ電話のとこまで行かなくていいのが携帯だろ」二「へえ」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「にも関わらずだ。携帯の電池が切れそうになったら、充電器まで行かなきゃならねえ。これは携帯としての特性を下げてないかい？」二「ま、ごもっとも。しかし頭、充電器はコンセントに差し込むものでさぁ」頭「だからよう、作るんだよ」二「何を？」頭「コードレス充電器さぁ」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「コードレス充電器？！」頭「な、いい案だろ？携帯と一緒に持ち歩けば、いつでもその場で充電できるんだよ」二「なるほど、妙案！」頭「よし、早速作れ」二「…誰が？」頭「二郎助、お前ぇだよ」二「あっしが？」頭「そうだ。ほら、行ってこい」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「…いやあ、まいったな～。頭の人使いの荒さはホント天下一品だな。さて、どうするかな。…お、そうだ。六角に相談してみるか。よ、ごめんよ！おーい、六角！六角やーい！！ろーくちゃーん！！！」 六角（六）「なんだいなんだい、騒がしいね。どうしたんだい」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「いや、折いって相談したいことがあってよ」 六「金ならもう貸さねぇよ。そういやこの間かした五両。そろそろ返してくれないか」 二「全く余計なことを思い出すねぇ。…いやいや、儲け話に来たんだよ。五両なんかすぐに返せるさあ」 六「本当だろうなぁ？」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

六「この間だって夢を自由に見せるだのなんだのって…」 二「まーまーまー。その話はどうでもいいんだ。もっと現実的な発明の話さ」 六「なんだい、その現実的なってのは」 二「便利なものをもっと便利にするのさ。実はカクカクシカジカで…」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

六「そんなの簡単じゃねぇか。待ってろ、すぐになんとかすらぁ」 二「さすが六角だね。憎いねこの天才！太っ腹！！」 六「そんなおだてたって、借金はチャラにしないよ。…そんじゃ、明日また来てくれよ」 二「お、頼んだよ！」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

「コードレス充電器」続く。

ゲンキダーＪ @Genkider_J

思いつき創作落語「コードレス充電器」これまでのお話。……お頭の持っている携帯電話の充電器にコードがついてて不便。コードレス充電器を作れと言われた二郎助は知り合いの発明家の六角に相談を持ちかける。快く(？)引き受けてくれた六角から明日まで待ってくれと言われたが、果たして…？

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「さて、どうなったかな？ごめんよ、六角はいるかい？」　六「おう、ちょうど今梱包したところだよ。これを持って行きな」　二「すまないね。それじゃ早速持って行くぜ」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「お頭！ただ今戻りやしたぜ」　頭「おう、どうでい？」　二「まあまあ、これを見ておくんなまし。いきやすぜ？じゃーんと！」　頭「ほう、確かにコードのない充電器だな。どれ、早速…おお、確かに充電できるぞ。こりゃ便利だ｣　二「でしょう？でしょう？」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「よくやったな、二郎助。前からお前は少し違うなって思っていたんだ」　二「へへっ、そうでしょうそうでしょう」　頭「よーし、今日からこんなコードのついているものとは、おさらばだ」　二「ふー、お頭に喜んで貰えてよかったぜぃ。それじゃ、これで失礼させて頂きやす」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「…………」　二「お頭、どうしたんで？四角い顔を真っ赤にしちゃって」　頭「どうもこうもない。充電できなくなっちまったんだ」　二「へ？そりゃまたどういうことで？」　頭「聞きたいのはこっちの方だ。こりゃ一体全体どういうことなんでい？」　二「いや、それは…その…」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

六「失礼しやすよ」　頭「なんだ？六の字じゃねーか」　二「ちょうどいいところに。実はこの充電器がカクカクシカジカで」　六「その頃じゃねーかと思ってきてみたんですぜ」　頭「どういうことだ？」　六「これを使っておくんなまし」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

六「コードレス充電器の充電器ですぜ」　二「は？」　六「コードレス充電器に電気をためて、その電気で携帯電話を充電してからくりでね。コードレス充電器の電池容量が空っぽになったら、そりゃ充電できないわけですぜ。で、そろそろ空っぽになる頃かなっと思ってね」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「……で、これにコードレス充電器を差し込んで充電させるんだな。」　六「じゃ、コンセントは…ここですかい？差しときますぜ」　頭「じゃ、二郎助、コードレス充電器を充電器に差しといとくれ」　二「合点でさあ」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「なあ…」　二「なんですか？」　頭「これ、意味あるのか？」　二「何の？」　頭「だから、コードレス充電器として、大切な特性がかけてないか？」　二「というと？」　頭「だから、どこでも持ち運びできるコードレスな充電器なのに、充電するときは…」　二「あ！！！」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

頭「二郎助…」　二「…へ、へい」　頭「このすかぽんたん！これじゃ携帯電話の根本的な問題と変わらねーだろ！！むしろ手間になったじゃねーか」　二「そ、そんのこといわれても」　頭「すぐに何とかしろい！」　二「へ、へーい！！！」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「……というわけなんだよ」　六「なんだそういうことかい。最初からそう言ってくれりゃあよかったものを、充電器をコードレスにしろっていうからその通りにやったんだが」　二「頼むよ。なんとかしてくれ」　六「うーん、よし。また明日来てくれ」

ゲンキダーＪ @Genkider_J

二「はてさて、どうなったかな。なんだか嫌な予感がするよ。ごめんよ、六角はいるかい？」　六「おう、ちょうど今できたんだ。そら、持って行きな」　二「今度こそ大丈夫だろうな？」　六「もちろんでい。……お前来る時、考えたろ？」　二「何を？」