【何がそんなに面白いのか:忍殺語りまとめ】

最近すっかりニンジャスレイヤーにはまりきっているので、ここで一度何がそんなに私をひきつけているのか整理してみた。
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ふぉるく @FolkP

さて忍殺更新中だけど、我がTLのさらなるニンジャアトモスフィアの充足を図って私の思うニンジャスレイヤーの魅力をつらつら呟いていこうと思う。来年頭にはアニメ化も控えてるし、これを機に一人でもヘッズが増えればよし。なお実況中なので以降タグは付けない。たまに実況もする。 #NJSLYR

2014-09-08 23:25:35
ふぉるく @FolkP

【1:忍殺語】さてニンジャスレイヤーって何? ってレベルの人にはちょっと待ってもらうとして、まず比較的聞き覚えのある人も多そうな忍殺語から掘り下げていきたいと思う。「イヤー!」とか「グワー!」とか「アイエエエ!」とかのあれです。1

2014-09-08 23:29:54
ふぉるく @FolkP

ニンジャスレイヤーは独特のトチ狂った言語センスがよく取りざたされます。悲鳴はみんな「アイエエ!」だしやられたときは「アバーッ!」だし。まずこれが「なんじゃこれはwww」となる。でも気付くとそれが快感になる。なぜか。実は忍殺語は非常に合理的な一つの機能として成り立ってます。2

2014-09-08 23:34:15
ふぉるく @FolkP

ニンジャスレイヤー(以下忍殺)はツイッター上で連載している関係上1ポスト140字の制限があります。これを踏まえた時、一定のセリフが「イヤーッ!」や「グワーッ!」で統一されていると、読者がその台詞を見たとき直観的に何が起きてるのか察することができる。3

2014-09-08 23:38:42
ふぉるく @FolkP

「グワーッ!」ならやられたとわかるし「アバーッ!」ならさらに追い詰められてるとわかる。そうすることで字の文で長々とした状況説明をしなくても読者に景観を想像させることが出来るわけです。読み慣れてくるほど簡潔な表現が気持ちよくなる。4

2014-09-08 23:41:50
ふぉるく @FolkP

最初は「なんだこれwww」なのですが、そこにある忍殺語のルールのようなものに気づくとより面白くなる仕組みになっていると思います。「イヤーッ!」の応酬から戦闘の激しさを汲み取れるようになると立派なヘッズです。5

2014-09-08 23:45:05
ふぉるく @FolkP

【2:世界観】よく忍殺は「間違った日本観」という紹介の仕方をされるんですが、個人的にこれは正確ではないと思います。切り口としては確かに変な日本なんですが、今回はもう一歩踏み込んで「異なる成り立ちをした日本」として掘り下げていこうと思います。6

2014-09-08 23:49:12
ふぉるく @FolkP

ネオサイタマにはカチグミサラリマンやマケグミサラリマンがいて、オイランやマイコが性風俗に従事して、オスモウは神聖だという割にスモトリの扱いはなんか悪い。ニンジャを別にしても変な世界です。どう見ても。7

2014-09-08 23:55:25
ふぉるく @FolkP

ニンジャはニンジャでイクサの前には「ドーモ、○○です」とアイサツを交わし、相手の名前には「=サン」と敬称を付ける。やっぱり初見ではどう見てもただの変な日本なんですが、実はこれらがきちんとこの世界で文化として成り立っているというのが非常に重要な点だと思います。8

2014-09-08 23:57:00
ふぉるく @FolkP

忍殺世界はサイバーパンク、近未来の日本が舞台なわけですが、実はこれが罠で、私たちの住む日本とは地続きではない。つまり忍殺世界で描かれる変な日本は「誤解された日本」ではなく「異なる文化を持った異世界の日本」と捉えることができます。9

2014-09-09 00:00:18
ふぉるく @FolkP

もちろん最初は「変な日本」でいいと思います。でもそこから一歩踏み込んで見た時、そこには私たちの世界とは全く異なる歴史や文化を持った異世界が待ってます。「ドーモ」とイクサの前にかわすアイサツもただのトンチキな動きではなく、一つの文化であり……ではそれを伝えたのは誰なのか?10

2014-09-09 00:04:09
ふぉるく @FolkP

忍殺世界の歴史にはいくつものミッシングリンクがあります。「変な日本」を「異世界」として見た時に見えてくるミッシングリンクを探っていくのも、この作品の大きな楽しみ方だと思います。11

2014-09-09 00:05:30
ふぉるく @FolkP

あとこれ忍殺語のほうで語るべきだったと思うんですが「アイサツ」にもメタ的な機能が存在します。戦闘前に必ず名乗るので、今誰が戦ってるのかが一発でわかる。カットアップでどこから読んでもいい、を補強する仕組みですね。12

2014-09-09 00:09:44
ふぉるく @FolkP

内容の面白さもさることながら、忍殺は非常に計算された構造をしています。この世界観にしても忍殺語にしても「ぶっ飛んだ表現で釣り上げて」「読み進むごとにその奥深さに気付く」という仕組みが、ヘッズの心を引き付けて離さない要因であることは間違いないと思います。13

2014-09-09 00:12:33
ふぉるく @FolkP

【3:多様性】忍殺は基本的に1話完結方式を取ることで、話ごとに全く違う毛色を見せてきます。ハードボイルドだったりSFだったりボーイミーツガールだったり。中心人物もエピソードごとに変わる。にも拘らずどの話であっても「これは忍殺だ」と確信を持って言える、一つの軸が存在します。14

2014-09-09 00:16:55
ふぉるく @FolkP

それが「ニンジャが出て殺す」。どんな話でも必ずニンジャが出て殺す、または殺しあう。これを徹底して貫くことで、どんな毛色の、どんなトンチキな話であろうとかならずニンジャスレイヤーの世界に帰結するように仕組まれてます。15

2014-09-09 00:19:41
ふぉるく @FolkP

全編を通した主軸である「ニンジャスレイヤーの復讐譚」という部分を決して揺らがせないことで、どんな登場人物の、どんなシチュエーションの、どんなエピソードが来ても安心してニンジャスレイヤーの1篇として読むことができる。16

2014-09-09 00:23:12
ふぉるく @FolkP

で、その軸の周りに存在する様々な人物をスポットしていくことで、忍殺世界はあまりにも多彩な表情を見せてくるわけです。1つのタイトルでありながらいろんなジャンルの備えており、すべては「ニンジャが出て殺す」に行き着く。ニンジャスレイヤーという作品は壮大な群像劇と言えるでしょう。 17

2014-09-09 00:28:37
ふぉるく @FolkP

もう一つ、この多様性はメタ的にも存在します。ニンジャスレイヤーは”原作”を軸とすることで様々なファンジン、二次作品を許容しています。すでに3種あるコミカライズもその一端で、それぞれ全く違う毛色で忍殺世界を描いています。18

2014-09-09 00:30:53
ふぉるく @FolkP

そして私たちが普段読んでいる「ニンジャスレイヤー」そのものさえ”原作の翻訳物”、いわば二次作品であるということを強調しているのもまた、多様性に強い説得力を持たせています。19

2014-09-09 00:33:51
ふぉるく @FolkP

原作や原作者の存在の真偽を論ずる意図はありませんが、仮に原作の存在が”設定”だとすると、忍殺の作者は自分の作品を"二次創作"としてしまうことで作品自体を一つの舞台装置にしてしまったということになります。頭おかしいと思います。でもその多様性が忍殺の魅力でもある。20

2014-09-09 00:36:37
ふぉるく @FolkP

忍殺は作品の中と外で全く同じことを徹底して行っています。するとまるでこうして実況や考察を行っている私たち自身までもが、群像劇の中の一人として取り込まれているような、そんな錯覚を覚えることすらあります。21

2014-09-09 00:39:44
ふぉるく @FolkP

ツイッター連載による実況の魅力、ライブ感も、作品と自分が直結しているような感覚に基づくものではないでしょうか。もちろんそれも楽しい味方の一つ、多様性の一つなので、一人で静かに読んでもいい、Web版でもいいし書籍版でもいい。忍殺ではすべての多様性が保証されているのです。22

2014-09-09 00:45:59
ふぉるく @FolkP

ここまで書いててもう我慢出来なくなったので言うけどボンモーもほんやくチームも揃って頭おかしいよな! 「危険な都市伝説」を「アーバン・レジェンド・アブナイ」とかつけるセンスもそうだし一見滅茶苦茶なことやってるようで緻密に計算された作品の取り扱い方もそうだし!23

2014-09-09 00:52:05
ふぉるく @FolkP

【4:キャラクター】もうちょっとニュービーにわかりやすい切り口にしなければと思ったのでキャラクターについて語ろうと思います。キャラ個人ではなく全体的に。24

2014-09-09 00:57:15