今日聞いてきたのは、エミール・デュボワ=レーモンっていう19世紀の科学者の話。物理で学部を出てから歴史に転向して科学史を研究してる人の講演。この本を最近出したらしい→ mitpress.mit.edu/books/emil-du-…
2014-09-10 11:42:12@Inoueian うちのTLだと、ヒルベルトが誰だか知ってる人は多いと思うし、彼の言った"Wir müssen wissen. Wir werden wissen."(我々は知らねばならない、我々は知るであろう)って言葉も知ってる人がいるかと思う。
2014-09-10 11:44:27@Inoueian 自分もそこまでは知ってたんだけど、この発言がそのデュボワ=レーモンって人の"Ignoramus et ignorabimus"(我々は知らない、知ることはないだろう)って発言への返しだったというのは知らなかった。 ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%91…
2014-09-10 11:46:29弟のポール・デュボワ=レーモンは数学者。
@Inoueian デュボワ=レーモンがどういう人だったかというと、フランス語の名前だけどベルリンの人で、フランスを追放されたユグノーの末裔だったと。そこでまず、反宗教というか反カトリック教会から合理主義に向かった文化があって、さらにルクレティウスを読んでこれに傾倒したと。
2014-09-10 11:49:45@Inoueian 彼は生理学者で、電気生理学の基礎を作ったと言われてるのだけど、研究の動機としては、人体の働きに神秘的な作用は無い、というのを証明したかったらしいのね。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8…
2014-09-10 11:51:27@Inoueian 電気生理学の研究で結構有名な学者になったんだけど(イギリスのダーウィン、フランスのパスツール、ドイツの…と言われるくらい)、晩年に講演した人間の認識の限界についての話が「イグノラビムス論争」というのを巻き起こした、と。
2014-09-10 11:55:28@Inoueian 彼が提示した7つ大きな謎、というのはここに書いてあって、特にそのうち、「物質と力の本性」、「運動の起源」、「単純な感覚的性質の起源・意識の起源」の3つは解決不能だと彼は主張した。 ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%91…
2014-09-10 11:58:33@Inoueian すると、宗教の側からも科学の側からも彼は攻撃されたとwそもそも精神世界を否定しようとする動機から出て来た話だから、神学者たちには気に食わない話で、科学者からしても、出来ないわけないだろう、という反論があったのね。
2014-09-10 12:02:02@Inoueian 詳しい話は最初にリンクした本とかで調べてみたいんだけど、デュボワ=レーモンという人が派手に忘れられてるのが面白いところで。なんで忘れられたのか、というのが最初の質問に来たんだけど、「記憶しようという継続的努力が無ければ全ては忘れられる」という趣旨の答だった。
2014-09-10 12:06:21講演してたフィンケルスタインさんの話
話してた人は、院生の時に研究テーマがない頃、ヘルムホルツが生物実験からエネルギー保存則について考えるようになった、という講演を聞いて感激して、講演者に質問したら同時代のデュボワ=レーモンについて知る事になったと。
2014-09-10 12:12:53@Inoueian デュボワ=レーモンについての文献はベルリンに綺麗に纏めて置いてあったんだけどほとんど見る人がいなくて、伝記も出ていなかったと。これを院の研究テーマにしたい、と指導教員に言ったら、伝記は"limited"だから良いね、と言われた。本が出たのは25年後w
2014-09-10 12:16:19@Inoueian その間ほぼずっとデュボワ=レーモンの研究をしてたみたいなんだけど、一度だけ別の研究をした事があって、ドイツ人の探検家について調べてたと。これは、なにか講義のテーマが必要で、「探検の歴史」なら科学を教えないで科学史の話が出来る、と思ったかららしいw
2014-09-10 12:19:33@Inoueian なんだけど、ドイツの探検家の日誌はすごくつまらなかったらしい。イギリス人やフランス人だと面白いストーリーが出て来るんだけど、ドイツ人は色々測ってるだけ、とw
2014-09-10 12:20:55本について
あーーーーー、MIT Press Bookstoreでこの本を見かけてた事を思い出したw紹介されてたのを見ただけで、立ち読みもしなかったんだけど。
2014-09-10 12:39:27@Inoueian デュボワ=レーモン本、Introductionはネットに出してあった。ツルゲーネフの「父と子」のキャラクター(主人公?)のモデルだったとか色々あるんだけど、最後の段落が面白い。 mitpress.mit.edu/sites/default/…
2014-09-10 21:33:10@Inoueian 昨日の質問にも出て来たこれ"The central question posed by this biography is how someone so famous and so important could end up so forgotten."
2014-09-10 21:34:23@Inoueian ヴォルテールについて彼が書いた言葉:“the real reason might be that we are all more or less Voltairians: Voltairians without even knowing it."
2014-09-10 21:35:26