「期待の裏切り」を期待している人に「期待外れ」で応えると怒られる
- lucifer_af
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お茶の席なんかでたとえば、「こんなのただ苦いだけじゃないか」なんて感想を言ってしまったら、せっかくの雰囲気が台無しになる。ミュージカルの観客が「バカみたいに歌ってやがる」なんて俳優を笑ったら同じことになる。常識なんだけれど、外来ブースで同じことする人がいて困る。
2014-08-29 11:51:40「こういうシナリオに基づいて、私は患者さんと、こういう役割の分担で外来の空気を作っていこうと思います」みたいなポリシーをあらかじめ宣言してから外来をやるようにするのだけれど、時々こう、「それはあなたのシナリオであって私のスタイルとは違います」みたいに返される。あれ困る。
2014-08-29 11:53:45本職の俳優さんなら、その人の個性と監督のポリシーとがぶつかり合えば化学反応が起きるのかもしれないけれど、病院の外来で化学反応を起こしても、たぶんそれが患者さんに対していい結果を生むことはないんじゃないかと思う。病気が治ることが一番大事なのだし。
2014-08-29 11:56:07舞台演劇とか見に行くときには、たとえば演劇という体験は、朝目が覚めて「今日は演劇を見に行く日だ」と思いだしたその瞬間から始まっているのだと思う。準備体操みたいな期待感があって、初めて体験それ自体に意図した効果が生まれるというか
2014-08-29 11:58:50小学校の大昔、定期的に劇団の人たちが体育館で公演をしてくれていた。今思えば恐ろしく貴重な機会だったのに、あれつまらなかった。演劇の日だ、という期待ではなく、「今日は感想文を書いて提出しないといけない日だ」というがっかり感のほうが大きくて。あれ担任の先生言い方考えようよって思う
2014-08-29 12:00:33お金のために仕事をする、お客さんの顔にお札をイメージするのって大事だと思うんだけれど、それはお金がかかっているからこそ真剣に働く、役割を演じて見せるのが大事なのであって、どうせお金だけの仕事だから、と手を抜くのとは違う。
2014-08-29 12:02:39大昔の大名行列みたいな教授回診にも、ある種の治療効果みたいなのがあったんだと思う。普段親しむ主治医が緊張した表情で教授に患者さんを紹介して、教授の指示で薬を変更したりする。処方されるのが同じ薬でも、満足度みたいなのが異なってくるような。
2014-08-29 12:07:09@medtoolz 治療の根拠が、experienceからevidenceへ変化していった結果なのかもしれませんね。
2014-08-29 12:26:18@kaga_bleed たしかに。。でもきっと、EBMが普及しつくした後、感情要素を上手に演じられる人が結局生き残るんだろうなとも。
2014-08-29 12:31:13@medtoolz 治療の時代から、気分良く医療を受ける時代へ、パラダイムシフトして行くのかもしれません。
2014-08-29 12:41:35楽しむ体験というものは、体験それ自体を、ある種の予感と、それに対する答え合わせみたいに変換できると、「楽しんだ」という感想を引き出せる可能性が高くなる。予感の供給は広報のお仕事で、広報とコンテンツとが上手にかみ合うと、体験が答え合わせの場になっていく
2014-08-29 12:09:18それがたとえば、お客さんに目隠しをしてジェットコースターに乗ってもらうような体験であっても、「なんかあれすごいらしいよ」という噂話を耳に入れてから体験するのと、単なる通りすがりの人を捕まえて体験させるのと、楽しさはまるで異なってくる。
2014-08-29 12:10:26体調が悪くなった誰かは、その病院の看板やホームページを見てどんな予感を抱いているのか。外来ブースのスタッフはその予感に対して、きちんと答え合わせをする機会を提供できているのか。予期に対して、ただの混乱で応えていないか。
2014-08-29 12:12:31期待を裏切るためには、期待に対して答え合わせができるような秩序を見せないといけない。答え合わせの機会が奪われた状態は期待外れであって、裏切ることすらできていない。
2014-08-29 12:15:14デートの相手に食事の場所をたずね、「何でもいい」と返答されて「じゃあ吉野家で」と返したら怒られる。選択枝がこちらにゆだねられていることと、相手の期待に応えることには隔たりがある。期待に見合った中での選択を行って見せないといけない。
2014-08-29 12:18:334分33秒みたいな無音の音楽も、あれはちゃんと演奏会の告知を行い、劇場にピアノを用意して正装のピアニストが着席するから音楽の体験になり、なおかつ観客の期待は裏切られることになる。空っぽの殺風景な会議室で、「はい、無音です。これも芸術です」とやったら期待外れになる。
2014-08-29 12:22:46技術から経験要素が放逐され、あらゆる分野に統計的な証拠が求められるようになっていくと、「知っていること」の価値は、逆説的にどんどん落ちていく。証拠はたいてい、コピーして学習できるから。コピーできない場所に、価値は集中していく。
2014-08-29 12:36:06このあたりは案外、病院の業界もまた、音楽の業界に未来を見るんじゃないかと思う。コンテンツそれ自体はもはや海賊版とオリジナルとの区別がつかなくなり、有名であることや、名声を持っている誰かと直接会ったという体験に、換金できる価値が残っていくような
2014-08-29 12:38:13@medtoolz 先程のツイートを追いつつ自分のTLを登っていますが、この内容、突き詰めると「大学病院への一極集中」になってしまいそうな気も…。まぁ、各科の先生の研究業績を逐一調べ、必要とあらば論文まで入手して病院に行くような人間(=自分)はマイノリティーでしょうが(笑)
2014-08-29 13:09:25